出雲大社、神楽殿 ©仰木一弘
日本一の縁結びの最強パワースポットして有名な「出雲大社」。
日本最大級を誇る大きなしめ縄がかかる社殿を、みなさんも一度は教科書やテレビなどで目にしたことがあるのではないでしょうか。
出雲には、旧暦の10月に、全国の八百万の神々が集まるとされ、神の国とも称されます。
全国の神々とのご縁を繋ぐ神様がまつられる「出雲大社」では、全てにおける良縁をたぐり寄せ、人生を豊かにしてくださるそうです。
毎年多くの参拝者が訪れますが、11月(旧暦10月)に行われる「出雲大社」にとって最も大切な祭り「神在祭」には、出雲市内のホテルが満室になるとか。
聖域「八雲山」の山肌に触れることができるエリアと「素鵞社」は、「出雲大社」でも最大級のパワースポットといわれています。
【ご利益】恋愛だけでなく、全ての良い縁をたぐりよせる国内トップの縁結びの神
出雲大社のご利益と言えば、なんといっても縁結びです。
この出雲国は、神の国とも呼ばれ、毎年10月に全国八百万の神々がこの地に集まるとされています。
10月の事を神無月と呼ぶのは、全国の神様が出雲に出向くため神様が留守になることが由来となっています。(ちなみに出雲では10月のことを神在月と呼ばれています。)
全国の神々の縁を繋ぐご祭神のお力が、「出雲大社」へ訪れる参拝者に良い縁を繋ぎ寄せるとされ深く信仰されています。
縁結びと聞くと、恋愛の縁と考えてしまいますが、仕事や家族関係などの全てにおける良縁をたぐり寄せ、人生を豊かにしていただけるとか。
ちなみに、参拝の仕方ですが、御本殿をお参りしたあとは、御本殿周辺の瑞垣を左回り(時計と反対回り)に進んでお参りします。
拝礼の作法は、一般的な二礼二拍手一礼ではなく、出雲大社の正しい作法は二礼四拍手一礼になりますので、間違わないようご注意くださいね。
最初に穢れを祓い清めてくれる重要なお社へ
「出雲大社」の正門「勢溜の大鳥居」をくぐって、全国でも珍しい下り参道を進むと、まもなく小さなお社「祓社」(末社)があります。
四柱の祓井神がまつられ、はじめにこちらに参拝することで、身についた穢れを全て祓い清めてくださるそうです。
ひっそりと建っているため、通り過ぎてしまう方もいらっしゃるということですが、ご利益を清らかな状態でいただくために、手水舎の前にぜひ参拝しましょう。
日本最大級のしめ縄のかかった立派な神楽殿
「出雲大社」のシンボルといえるのが、日本最大級の長さと重さを誇る大しめ縄です。
境内の神楽殿にかかる長さ13.5m、直径6メートル、重さ4.5トンもある大しめ縄は、遠くからでも迫力があり、実際に下から見上げて見るとよりその大きさに圧倒されます。
また、「出雲大社」のしめ縄は、稲を育てる田植えから始まり約1年半から2年程もの歳月をかけ、通常のしめ縄とねじる方向が左右逆で作られているそうです。
その由来として、客座五神と呼ばれる、「天之御中主神」、「高御産巣立日神」、「神産巣立日神」、「宇麻志阿斯訶備比古遅神」、「天之常立神」の5柱の神の中で最も上位とされる「天之御中主神」が一番左方にまつられていることが関係しているとか。
そのため、古くから「出雲大社」では、向かって左方が上位となり、右肩が下位とする習わしが根付き、しめ縄も、上位の左をより始めとし、下位の右を終わりとする張り方となったようです。
八百万の神々が宿泊される「十九社」
出雲地方では10月を神無月ではなく、神在月と呼ぶのは、この月に全国の神様が出雲に集まるためとされます。
集まった神様たちが宿泊されるのが、こちらの「十九社」。
八百万の神々は「十九社」を出て境外摂社「上の宮」に集い、「大国主大神」との間で「神議」を行います。
神議とは、男女の縁だけではなく、様々な「縁」を結ぶための会議だそうです。
なお、「神在祭」の期間中は、神様が出入りされるため、普段閉まっている扉が全て開かれています。
訪れる方は貴重な光景ですので、ぜひご覧になってみてくださいね。
出雲大社最大級のパワースポットとされる「素鵞社」
御本殿裏手にある「素鵞社」。
実は、こちらの「素鵞社」と、その裏手にある岩場のあるエリアが「出雲大社」でも最大級のパワースポットといわれています。
その岩場は唯一、出雲大社の裏にあって、神々が住む聖域として立ち入り禁止の「八雲山」の山肌に、触れることができる場所なのです。
ご祭神は、「大国主大神」の親神、八岐大蛇退治で有名な「素戔嗚尊」。
こちらでは、厄除けになるといわれるお砂をいただくことができるため、多くの方が参拝され、時には行列ができるほどです。
ただし、お砂をいただくためには、参拝前に神在月に神様が最初に降り立つ場所「稲佐の浜」に行き、奉納するお砂を準備する必要があります。
集めてきたお砂を砂箱に入れて、代わりにその砂箱にあるお砂をいただくのが作法となっていますので、二度手間にならないようにされてくださいね。(出雲大社から徒歩約15分)
ちなみにこのお砂は、家を建てる時の地鎮祭などにも使われているもので、自宅の敷地の東西南北の4隅に撒くと素鵞社のパワーによって守られるそうです。
最後は「拝礼所」からご挨拶しましょう!
ご本殿の正面から左側に回り込んだ場所に、見逃してしまいそうな小さな「拝礼所」が設けられています。
その理由は、御本殿は南向きに作られていますが、「大国主大神」の御神座は西向きでまつられているためということ。
つまり、この位置からだとちょうど「大国主大神」に向かいあうことになるのです。
古くより、最後に御神座正面にあたる拝礼所から参拝をするのが正式な参拝方法とされていますので、こちらでも拝礼することをオススメします。
【所在地・アクセス】全国からの参拝者向けにアクセスも整備されている
「出雲大社」は島根県の北東部にある出雲市に鎮座します。
飛行機で島根を訪れる際は、出雲縁結び空港(出雲空港)に到着後、空港からでるバスをご利用ください。
東京や大阪方面から新幹線をご利用の方は、「岡山駅」から特急電車に乗り換え、JR出雲市駅に下車後、バスにて出雲大社へ向かうのがオススメです。
また、宇迦橋の大鳥居「第一鳥居」をくぐってお参りされたい場合は、バス停「吉兆館前」で下車しましょう。(出雲大社まで徒歩約10分)
<所在地・電話番号>
〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東195
TEL:0853-53-3100
FAX:0853-53-2515
<アクセス>
■飛行機をご利用の方:
〈空港連絡バスをご利用〉
出雲大社に直通の連絡バスがあります。乗り換えなくアクセスでき大変便利ですが、本数が少ないので事前にご確認ください。
〈空港から電車・バスをご利用〉
・出雲縁結び空港から空港連絡バス(約30分)でJR「出雲市駅」へ
・正面バスロータリーの「1番のりば」から、一畑バス[出雲大社・日御碕・宇竜行き]に乗車(約30分)
・「正門前」バス停で下車
(※JR出雲市駅から、一畑電車でも出雲大社へ向かうことができますが、一畑バスは本数も多く、徒歩での移動距離が短いのでオススメです)
■電車をご利用の方:
上記のようにJR出雲市駅に下車後、一畑バスにてアクセスする方法と、一畑電車へ乗車してアクセスする方法があります。
・一畑電車の最寄駅である「電鉄出雲市駅」まで徒歩約5分
・一畑電車「北松江線・出雲大社前」行きへ乗車し(約25分)「出雲大社前駅」下車
・出雲大社までは徒歩約10分
*「川跡駅」にて乗り換えが必要な場合がありますので、乗車前にご確認ください。
■車をご利用の方:
・山陰自動車道「出雲IC」から約25分
※無料駐車場:385台収容
いつもと違う大人の電車旅、寝台特急「サンライズ出雲」がおススメ
近年では、新幹線が開通し快速な旅ができるようになりましたが、新幹線では味わうことのできない電車の旅が出来るのが、東京駅からJR出雲市駅をむすぶ寝台特急「サンライズ出雲」です。
東京駅を22時以降に出発ということもあり、仕事終わりからでも乗車できるのも魅力のひとつ。
昔の寝台特急と比べ、近年の寝台特急は多彩な寝台プランがあり、暗証番号式のロック付きで女性でも安心してご利用できるお部屋もあります。
2階の部屋からは、夜は星空が寝ながら見れたりと、新幹線では決して味わうことのできない電車の旅を味わうことができると、女子旅などでも人気。
ご利用された方のブログを見ると、社内には、食事等が販売していないようなので、乗車前に夜食、朝食を購入しておいたほうがよさそうです。
東京駅から出雲大社を訪れる際は、いつもと違う寝台特急での旅もいかがでしょうか。
【ご祭神・ご由緒】農耕・漁業・殖産から医薬などの知恵を授け、国の礎を築いた神
【ご祭神】
〈大国主大神〉
いくつもの別名を持つ神様で、広く大黒様としても慕われています。
農業、商業、漁業、医学などの生活に必要な知恵や技術を持って多くの人々を救済したことから、五穀豊穣や商売繁盛、医学など多くのご利益があるとされています。
また、子宝にも多く恵まれたところからも、子宝、安産などの神としても厚く崇敬されています。
【ご由緒】
「出雲大社」の創建は謎とされており、「神代」にさかのぼるともいわれ、「日本神話」や「古事記」にも出てくるほどの古社。
明治時代初期まで「杵築大社」と呼ばれていましたが、「出雲大社」と改称されたのは1871年(明治4年)です。
「古事記」の国譲り神話によると、かつて、出雲の地は「大国主大神」が治めていました。
高天原(天上の神々の国のこと)の「天照大御神」に国を譲ることになり、この地に立派な社を建てる事を条件として建てられたのが「出雲大社」の始まりといわれています。
<日本一の大きさを誇る国宝の本殿>
「出雲大社」の本殿は、「天下無双の大廈」と称えられ、日本一の大きさを誇り、世界文化の見地からも価値の高いものとされ、現在は、国宝に指定されています。
長い歴史の中で、遷宮(神様を一度移し、神殿を建て替えること)を繰り返し、今もその姿や技術を受け継いできています。
直近では、平成の大遷宮として、平成20年4月に遷宮が開始され平成28年3月には境内境外の全ての社殿の御修造遷宮が完了。
正面からは垣根に囲まれ見えにくのですが、本殿の後ろ側に回り込むと、美しく蘇った荘厳な社殿を間近で見ることができます。
【社務所受付時間】
午前8時30分~午後5時
【御朱印】
以下の3箇所の授与所で御朱印をいただくことができます。
・拝殿の裏側
・神楽殿
・出雲大社に隣接する北島国造館
■受付時間:
3月から10月:6時~20時
11月から2月:6時30分~20時
■御朱印代:お気持ちでお納めします
*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。
■絶大なご利益があると評判の「縁結びの糸」
もちろん「出雲大社」には、たくさんのお守りがありますが、絶大なご利益があると有名なのが「縁結びの糸」。
通常のお守りの形ではなく、絡まるように束となっている紅白の絹糸が、紙に包まれています。
運命の赤い糸で結ばれるということから、とても人気があるそうですよ。
使い方は様々で、身に着ける衣服などに縫い付けるのが出雲大社でも推奨されています。
他にも5円玉に結びつけたり、ミサンガを作って手足につける使い方も。
自分だけのオリジナルお守りを作るのもいいですね!
【主な祭礼】
全国八百万の神々が集まる神在祭(別名:神在月)
出雲大社の中で最も重要なお祭りが、11月(旧暦10月)に行われる神在祭です。
全国の八百万の神々を出雲へ迎え入れるお祭りであり、迎えてから送り出すまで数日間にわたって開催されます。
神在祭の期間は例年(旧暦10月11日から17日)7日間ですが、日程は旧暦なのでその年によって異なります。
■神迎神事・神迎祭
祭りの初日には、八百万の神様を迎えるため、出雲大社の西側にある稲佐の浜で「神迎神事」が行われます。
神職による御祈願と祝詞が終わると浜辺に着いた神々を、「出雲大社」までお連れする為、竜蛇神が先導となり、参拝者が後に続き浜から出雲大社へと続く神迎の道を行列をなして歩いていきます。
到着後は、大しめ縄のある神楽殿にて、神職が神々をお迎えする「神迎祭」のお祭りがご奉仕され、神々をもてなします。
■神在祭
神迎祭りの翌日の朝9時より、「大国主大神」と八百万の神のために、御本殿で「神在祭」が行われます。
こちらに正式に参列できるのは、招待状が来た方のみですが、一般の方も儀式の様子を見守ることができるそうです。
■縁結大祭
神在祭の期間中に、最も大きな祭典 「縁結大祭」がご奉仕されます。
大国様や八百万の神々に縁結びなどのお願いすることができるとあり、毎年全国から多くの参列者がいらっしゃいます。
参拝者は事前に配られる絵馬に願いを書いて参列し、その願いが神職さんを通して神々に伝えられるそうです。
参列するには、事前に往復はがきで「出雲大社」に申し込みが必要です。
■神等去出祭
神在祭の最後に行われる「神等去出祭」では、八百万の神々がお帰りになられるのをお見送りします。
1年を通し、参拝客が多い「出雲大社」ですが、全国の神々が集まるとされる神在祭が開催される約1週間が、最も参拝者が多い時期となり出雲市内のホテルが満室となるようです。
この時期の参拝をお考えの方は、早めに計画し、宿泊などの手配を進めておきましょう!
まとめ
「出雲大社」と言えば「縁結び」の神様として、全国からそのご利益を求めて多くの人が訪れます。
縁結びと聞くと、恋愛の縁と考えてしまいますが、仕事や家族関係などの、あらゆるご縁を取り持ってくださるそうです。
また、出雲は旧暦10月が「神在月」とされ、全国から八百万の神様が集まる場所。様々な縁をどう結ぶか話し合われるとか。
さらに、聖域「八雲山」の山肌に触れることができるエリアと、「素鵞社」は、「出雲大社」の最大級のパワースポットとされ、日本最大級の「しめ縄」も必見です。
日本一の縁結びのパワースポットである「出雲大社」を訪れて、良縁を祈願されてはいかがでしょうか。