大麻比古神社、拝殿  ©仰木一弘 wih LeicaQ

 

日本を代表する盆踊りといっても過言ではない、徳島県の「阿波踊り」。

阿波踊り発祥の地とされる阿波国あわのくにの一之宮として鎮座するのが大麻比古おおあさひこ神社」です。

地域の方々には「おおあささん」や「おおあさはん」と親しまれ、古くから厄除け、方除け、交通安全の神として信仰されています。

また、初詣に23万人を超える参拝者が訪れる大麻比古おおあさひこ神社」は、四国八十八ヶ所霊場巡礼のスタート地点に近いことから、お遍路さんが道中の安全祈願のために訪れる場所でもあるそうです。

【ご利益】方除け・厄除け・交通安全などのご利益をさずけてくださる

ご祭神である「大麻比古大神おおあさひこのおおかみは、大昔に阿波国を開拓した阿波の忌部氏いんべしの大祖先の神様といわれています。

この地で麻の生産や、麻布、木綿をつくり方などを伝え、郷土の産業の基を築いたとされることから、五穀豊穣にご利益があるとされています。

 

また、もう一柱のご祭神「猿田彦大神さるたひこのおおかみは、天孫降臨てんそんこうりん(日本神話で神様が現宮崎県の高千穂に降り立ったこと)の時、道案内をしていたとされる神様であり、海上守護や航海・交通安全、方除ほうよけ(あらゆる方位から来る災いを除くこと)、厄除などのご利益があるとされています。

さらに、「猿田彦大神」は、道開きの神様としても有名です。

新たに始めることがうまくいったり、新しい技術の可能性を切り開くなどのご利益もあるとされています。

 

ご神木は樹齢1000年以上の楠

約800メートルに及ぶ長大な参道を抜けると正面にはご神木のくすのきがあります。

樹齢は1000年以上とされ幹周:8.3m、樹高:22m。鳴門市指定の天然記念物となっています。

こちらのご神木の幹にあいた大きな穴を見ると、才能が開花されるといわれているそうです。

 

ドイツ兵によって架けられた「めがね橋」「ドイツ橋」

第一次世界大戦の時代に捕虜となったドイツ兵と、この地に住んでいた方との関係性が良好だったことから、帰国する時にドイツ兵によって、感謝のしるしとして橋が架けられたそうです。

現在も、日独両国民の友好の架け橋として大きな役割を果たしています。

 

めがね橋>

遠い祖国を思い、記念に造った橋として残され、ふたつ連なるアーチがめがねのように見えることから「めがね橋」といわれています。

めがね橋がかかる池周辺は平成4年に整備され「心願の鏡池」と名づけられ、池の真ん中の石にお金が乗ると、願いが叶うといわれるようになったとか。

 

<ドイツ橋>

母国の土木技術を生かして造った頑強な橋です。

現在、こちらは文化財として保存するために渡ることはできませんが、隣に新しくかけられた鉄橋から眺めることができます。

 

大麻山の山頂にある奥宮「峯神社」

大麻比古おおあさひこ神社」の背後には、ご神体(神霊の宿るもの)である標高538mの大麻山おおあさやまがそびえ、一帯が県立自然公園に指定されています。

こちらの山頂に、奥宮「峯神社」が鎮座されており、ご祭神として猿田彦大神さるたひこのおおかみがまつられています。

道開きの神のご神徳から、新たな道に進むとき、その道のりについて開運を応援してくれるパワーがあるとされ、成功を祈願しに訪れる参拝者も多いそうです。

 

しかし、約2時間ほど(片道2km)山を歩いて登らなければいけませんので、動きやすい格好で、夏は水分などもしっかり持参して訪れることをおすすめします。

なお、本社拝殿の横に登り口、ご本殿の裏手に遙拝所があります。

 

【所在地・アクセス】「うずしお」で有名な鳴門市に鎮座する

<所在地・電話番号>

〒779-0230 徳島県鳴門市大麻町板東広塚13
TEL:088-689-1212

 

<アクセス>

■車をご利用の方:

・徳島自動車道「藍住IC」から15分
・高松自動車道「板野IC」から10分
・神戸淡路鳴門自動車道「鳴門IC」から20分

*無料駐車場:第一駐車場から第三駐車場まで有り 約1000台収容

 

■電車をご利用の方:

JR高徳線「板東駅」に下車後、徒歩で約30分。

坂東駅から神社近くまでいくバスは、2時間に1本ほどです。
車で5分ほどの距離なので、駅からタクシーをご利用されるとよいでしょう。

 

■バスをご利用の方:

「JR徳島駅」から徳島バス鳴門大麻線に乗車し「霊山寺前」バス停で下車、バス停から徒歩約20分

 

【ご祭神・ご由緒】この地にゆかりのある二柱の神様をまつる

【ご祭神】

〈大麻比古大神〉

古代の阿波国を開拓した忌部氏の祖神である天太玉命あめのふとだまのみことのこととされます。

天照大御神あまてらすおおみかみ」が岩戸にお隠れになった時、招き出すために多くの神々を指揮して祭祀を行ったとされる神。

 

猿田彦大神さるたひこのおおかみ

天孫降臨のとき道案内をした「導きの神」「道開きの神」と称され、天狗のようなお姿で描かれます。

古くから大麻山おおあさやまにまつられており、後に合祀されと伝わります。

 

【ご由緒】

創建の正確な時期は不明とされています。

社伝によれば、「神武天皇」の御代、阿波の国を開拓した古代氏族忌部氏いんべしは、麻布や木綿を作り産業の基盤を築きあげ、大先祖である「天太玉命あめのふとたまのみこと」を守護神としてまつったのが始まりだといいます。

そして、平安期時代には「延喜式神名帳えんぎしきじんみょうちょう(官社に指定されていた全国にある神社一覧)」に記載され、名神大社として列格されたことから、阿波国一之宮として崇められたそうです。

そういったことから、今から1,100年位前には、阿波国の代表的な神社となっていたと推測されています。

また、その後も進階して、最高位の正一位しょういちいの神階をたまわったそうです。

 

【社務所受付時間】

午前9:00〜午後4:30

*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。

 

【ご朱印】

・授与所にて:午前9:00〜午後4:30
・御朱印代:¥300

紫色で麻の紋入りのシンプルなオリジナルご朱印帳があります。

 

大麻比古神社 御朱印 by.仰木一弘

【主な祭礼】

「奥宮」峯神社例祭

8月18日

大麻山の山頂に鎮座する奥宮「峯神社」の例祭です。
お祭りでは、氏子や信者たちによって神輿みこし渡御とぎょや、大祈祷祭も行われます。

 

例祭

11月1日

一年の中で最も大切なお祭りであり、大麻さんの秋祭りとも呼ばれます。

午後2時から大鳥居そばの御旅所までの約1kmの参道を、氏子に担がれた神輿を先頭に、装束しょうぞく(特別の目的に備えた衣装)をつけた大勢のお供が行列をなします。

 

まとめ

阿波踊りや鳴門のうずまきで有名な徳島県に鎮座する「大麻比古おおあさひこ神社」。

境内には、幹にあいた大きな穴を見ると、才能が開花されるといわれているご神木の楠や、現在も、日独両国民の友好の架け橋として大きな役割を果たしている「めがね橋」「ドイツ橋」があります。

そして、二柱の神様をまつり、方除け、厄除け、交通安全などのご利益、また、何か新しいことに挑戦するときにパワーをさずけてくださるそうです。

新規事業を立ち上げたり、進学や就職、移住など新しい環境に飛び込む前に一度参拝されてはいかがでしょうか。

道開きの神様のお力が良い方向に導いてくれるかもしれませんね。

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