西寒多神社、鳥居 ©2019 仰木一弘 wih LeicaQ

 

豊後国には一の宮が2社ありますが、その1つが「西寒多ささむた神社」。

一本の木から咲き誇る藤の名所として知られ、観光スポットとしても人気です。

主祭神には「月読尊つくよみのみこと」、「西寒多大神ささむたのおおかみ」、「天忍穂耳命あめのおしほみみのみこと」がまつられ、家内安全、縁結び、交通安全、精神安定などのご利益があるとされます。

標高608mの本宮山ほんぐうさんには当社の始まりとされる「奥宮」が建ち、登拝には片道2時間ほどの道のりですが、あふれ出るパワーをさずかることができるそうです。

 

【ご利益】

家内安全、五穀豊穣、交通安全、縁結び、子孫繁栄、病気平癒、精神安定など

ご祭神に太陽の神、月の神、農業神、武運の神、安産・子育ての女神など、多くの神をまつることから、ご利益が多岐にわたるとされます。

 

アーチ型の「萬年橋」

神社の入口を流れる寒田川(通称みそぎ川)にかかる石造りの橋。

優雅な丸みをもったアーチ型の橋は、「太鼓橋」ともよばれ、江戸末期に造られました。

全長23メートル、幅3.85メートル、アーチと路面の間が狭いのが特徴、大分県の有形文化財に指定されています。

神社へは、こちらの石橋または藤棚のある橋を渡って行くことができます。

 

樹齢450年の藤の古木(大分市天然記念物)

当社は、大分市の名木でもある樹齢450年の藤の名所として知られています。

境内にあるヤマフジは、高さ3.5m、幹周り2.8mもの巨大さで、350平方メートルに渡り藤棚に枝を伸ばし美しい花を咲かせます。

その藤の花房はなんと1メートル以上にも広がり、藤棚がキレイに紫色で彩られ、石橋の萬年橋、流れる小川と藤の風情ある景色が楽しめます。

 

昔話が由来する「鬼の歯形岩」

拝殿に向かう階段の近くにある「鬼の歯型岩」は昔話に由来しているとされます。

昔、本宮山ほんぐうざんと尾根続きの霊山に住んでいた鬼たちは、ふもとに降りてきては村人に悪さばかりしていたそうです。

ある時、巫女みこの親子が本宮山にやって来て、毎日お祭りをしていましたが、鬼たちにとってこの祭りの音は嫌な音でした。

鬼は親子を取って食おうとしたので、母親が「霊山から隣の本宮山まで、一晩で橋をかけることができたら食べられましょう」と無理難題の約束をさせました。

ところが、鬼たちは一晩で橋を完成させかけたため、あわてた親子は一番鶏の鳴きまねをしたのです。

これを聞いた鬼たちは朝が来たと思い、残念がって歯で石を噛み投げたとされ、この歯型石は、その時の石だといわれているそうです。

 

【所在地・アクセス】市の中心部から離れた場所に鎮座

公共の交通機関を使って参拝するのは大変だと思いますので、車のご利用をおすすめします。

また、本宮山「奥宮」へは当社の奥宮参拝道入口からの山道(片道約2時間)を登るか、車で「本宮山セラピーロード」を通って中腹の安田駐車場まで行き、そこから約1km弱(片道約50分)を登る方法があります。

*「本宮山セラピーロード」 引用元:大分市公式サイト

 

〈所在地・電話番号〉

〒870-1123 大分県大分市寒田そうだ1644
TEL: 097-569-4182

 

〈アクセス〉

■車をご利用の方:

・大分道大分「光吉IC」より約10分

*無料駐車場:約80台収容

 

■バスをご利用の方:

・大分駅前「3・4・5番乗り場」
寒田そうだ・ふじが丘」行き、または「光吉・ふじが丘」行きで約30分
「ふじが丘南」バス停下車、徒歩約15分

 

■電車をご利用の方:

・JR豊肥本線「敷戸しきど駅 」から徒歩約30分

 

【ご祭神・ご由緒】陰と陽を表す太陽と月の神様がまつられている

【ご祭神】

〈主祭神:月読尊〉

天照大御神あまてらすおおみかみ」の弟、須佐之男命すさのおのみことの兄。

「月読」という名前があらわすように、太陽神「天照大御神」に対して、夜の神・月の神と言われています。

「天照大御神」「須佐之男命」の兄弟でありながら、「古事記」「日本書紀」ともに登場回数が少なく、謎の多い神様。

穀物起源の神話に登場することから農耕神とされたり、月の満ち欠けに関係する暦や占いの神海の神ともいわれます。

また、当社によれば、「月読尊つくよみのみこと」は一之宮の神様では珍しい「心の神」「精神安定の神」とされています。

 

〈主祭神:西寒多大神〉

太陽の神「天照大御神あまてらすおおみかみを指すとされます。

日本神話や神道の神々の中では最高位に位置し、天皇の祖神おやがみとして「伊勢神宮」にまつられています。

最高神として崇められますので、国土安泰あんたい子孫繁栄などあらゆる福をまねくご利益があるそうです。

 

〈主祭神:天忍穂耳命

天忍穂耳命あめのおしほみみのみこと」は、「天照大御神あまてらすおおみかみ」の子で、「瓊々杵命ににぎのみこと」の父です。

「天照大御神」から、葦原中国あしはらのなかつくに(日本国の異称)を治めるよう命令されますが、下界は物騒だとして途中で引き返してしまったといいます。

地上が平定した後に、再度降臨するようにいわれますが、今度は生まれたばかりの御子「瓊々杵命」を代わりに降臨させました。

稲穂の神農業神として信仰されています。

 

〈相殿神:応神天皇〉

別称:誉田別命ほんだわけのみこと

第15代天皇であり、大和朝廷の華やかな時代である4世紀後半に実在したと伝わります。

父は第14代「仲哀ちゅうあい天皇」、母は「神功皇后じんぐうごうごう」。

「仲哀天皇」が崩御ほうぎょ(天皇等の死亡を表す敬語)されたとき、「神功皇后」のお腹の中にあったことから胎中たいちゅう天皇ともいわれます。

武運の神とされています。

 

〈相殿神:神功皇后〉

別称」:息長帯比女命おきながたらしひめのみこと

古事記・日本書紀にみえる伝承上の人物。第14代「仲哀天皇」の皇后、「 応神天皇」の母。

「仲哀天皇」の没後、お腹に子をやどしたまま朝鮮半島に遠征し、帰国後に「応神天皇」を無事に出産したと伝えられ、安産・子育ての女神として信仰されています。

 

〈相殿神:武内宿禰〉

武内宿禰たけのうちのすくね」は、「古事記」「日本書紀」によると、大和朝廷の初期に活躍し、第12代から第16代の5代の各天皇に仕えたという伝説上の人物です。

仕えた5代の天皇の中でも、特に「応神天皇」と、その母の「神功皇后」との縁が深いとされます。

「神功皇后」が遠征軍を率いる事になった時には、補佐役となって勝利に貢献しているそうです。

延命長寿にご利益があると信仰されています。

 

【ご由緒】

社伝によると、「神功皇后」が三韓さんかん征伐(古代の朝鮮半島の百済くだら新羅しらぎ高句麗こうくりの3国を服属下においたとされる戦争)からの帰途、西寒多山(現在の本宮山ほんぐうさん)に立ち寄り山頂に白旗を立ててお帰りになったとされます。

その後、人々はそれをあがめ聖地として拝んだそうです。

やがて「応神天皇」の時代に武内宿禰たけのうちのすくねが、山頂に神をまつる小さなやしろを建てたのが始まりとされます。

平安時代に入ると「延喜式神名帳(全国の神社一覧)」では式内大社(延喜式神名帳記載のある神社とされ、以後、有力武将の信仰があつく、歴代大友氏の尊崇を集め続けました。

そして、南北朝・室町時代の守護大名大友親世おおともちかよによって、社殿を現在地にうつされたと伝わります。

このときに元の神社が「奥宮」とされ、山名も「本宮山」と改められたのです。

明治時代には、新たに設けられた近代社格制度(新たに神社を等級化した制度)で国幣中社となりましたが、社格制度が廃止されたのち、現在は神社本庁がさだめた別表神社とされています。

 

【社務所受付時間】

午前9時~午後4時30分

 

【御朱印】

・御朱印代:¥300
・オリジナル御朱印帳:¥1,500(御朱印代込み)

藤の花とカワセミをモチーフにデザインされたオリジナル御朱印帳があります。

 

 

西寒田神社 御朱印 by.仰木一弘

 

【主な祭礼】

当社には2つの「式年祭」があります。

1つは神幸大祭しんこうたいさいで3年に1度開催され、地区の五穀豊穣無病息災を祈願するお祭りです。

神輿みこしや色鮮やかな太鼓山車だしが周辺地区を練り歩き、夕刻になると神輿は、みそぎを行った後に境内で火の中を勢いよく渡ります。

 

もう1つは、33年目ごとの例祭の日 (4月15日)に行なわれる御神衣祭かんみそまつり

「宇佐神宮」の33年ごとの式年遷宮しきねんせんぐう(周期を定めて社殿を更新し、新たな社殿に神体を移すこと)と関連したものと考えられ、ご祭神の神衣を新調して納めます。

 

また、毎年5月3日から5日までは「ふじまつり」が開催されます。

樹齢450年の藤の花と、境内に続く庭園では樹齢150年のつつじも見頃を迎え、期間中は多くの参拝者でにぎわうそうです。

 

まとめ

大分県大分市にある「西寒多ささむた神社」は、本宮山に「奥宮」が鎮座し、そのふところに社殿をかまえています。

豊後国一の宮として歴代の武将からあつく信仰されてきました。

家内安全、交通安全、精神安定、縁結びなどにご利益があり、また農業、食物、火などの守り神としてもあがめられています。

また、樹齢450年の藤の名所として人気があり、境内へ続く石造りのアーチ橋・萬年橋は県の指定有形文化財です。

藤棚が満開になるゴールデンウィークの頃には「ふじまつり」が開催され、大勢の観光客の方も訪れます。

風情ある景色を楽しみながら、ぜひ参拝してみてはいかがでしょうか。

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