田村神社、鳥居 ©仰木一弘 wih LeicaQ
日本のソウルフードの一つである、うどん。
うどんと言えば、香川県の「讃岐うどん」が思い浮かぶのではないでしょうか?
そんな香川県に、1300年以上の歴史を持つ讃岐国の一之宮として鎮座するのが「田村神社」です。
「田村神社」は、水源に恵まれたこの土地に住む人々の、水への畏敬の念が信仰の始まりとされています。
境内には、ご本殿以外にもたくさんの末社や、金運上昇のご利益のある昇運金龍のモニュメントなどがあり、ご利益のテーマパークと称されているほどです。
縁結びや安産祈願など、女性におすすめのご利益も。
毎週日曜日には、社務所に隣接する建物が「うどん屋」となり、名物の「日曜市うどん」を食べることができる人気スポットです。
【ご利益】多くの神様とのご縁があり、さまざまなご利益が期待できる
地元の水の神をまつったのが始まりとされているため、五穀豊穣や産業発展などによる金運アップのご利益があるとされています。
また、ご本殿の他にも、末社がいくつもあり、七福神、稲荷神などの多くの神様とのご縁があることから、家内安全、生活守護、安産・病気平癒、学問向上、縁結びなど、ざまざまなご利益が期待できるパワースポットです。
迫力満点!金運上昇のご利益のある昇運金龍のモニュメント
境内のいたるところに龍神様のモニュメントや石像があることからも、龍神様がいかに重要な存在かということがわかります。
一番印象に残るのが、「宇都伎社」の鳥居前にある、高さ約5.5メートルの迫力ある「昇運金龍」と呼ばれるモニュメントではないでしょうか。
こちらは、鎮座1300年記念事業の一環として、2011年の12月にご神体の水の神・龍神様(金龍)を建立しました。
金龍は邪気を払い運気を上げて、事業の成功や商売繁盛、そして金運アップのご利益があると伝えられています。
龍神様の下には、参拝者が奉納した、願い事が書かれた小判が多く積みあがっています。
本社に匹敵するほど立派な社殿をもつ末社
■宇都伎社
・ご祭神:大地主神「倉稻魂神」
本社社殿の右にある神社で、本社と匹敵する程の社殿(拝殿・弊殿・本殿)を構えています。
略記には、「衣食住を司る。家内安全、生活守護のご利益がある。また、讃岐七福神・布袋尊をまつる」と書かれています。
■素婆倶羅社
・祭神:「少名毘古那神」
規模は少し小さいですが、社殿を構えています。
安産、病気平癒、身体健康などのご利益があるとされ、特に女性の守護神として信仰があるそうです。
■天満宮
・祭神:「菅原道真公」
学問の神として信仰されており、合格祈願などで参拝する方が多くいらっしゃいます。
天満宮前には、金の玉を加えた「勝牛」の像があり、その下の合格門がくぐれるようになっています。
合格門をくぐり、牛がくわえている玉を回すとご利益を授かれるそうです。
ご利益のテーマパークとも称される見どころが満載の境内
境内には、本社社殿、末社以外にも、様々なご利益があるスポットが盛りだくさんなので、一部ご紹介します。
■姫の宮
ご本殿のそばにある小さなお社ですが、強力な縁結びの神様として知られています。
お社の裏には、鍵をかけて願いと一緒に奉納する「鍵箱」があります。
解けることのない良縁を祈願するという意味があるそうですから、ぜひ縁結びの参拝に訪れてみてはいかがでしょうか。
■お迎え布袋尊
「田村神社」は、さぬき七福神のひとつで、布袋様をおまつりしています。
北参道の入り口に金色に輝く大きな布袋様がどっしりと座り、にこやかな笑顔で迎えてくれます。
後ろにある大楠からのパワーも降り注ぎ、パワースポットとも。
子宝・良縁以外にも、開運・商売繫盛・無病息災・金運向上などの幅広いご利益があるそうです。
■はらみ石
女性の守護神とされる「素婆倶羅社」の近くにある、しめ縄が施された女性器の形をした自然石。
子宝や安産などのご利益があるとされています。
■安産子宝犬
犬はお産が軽く、多産であることから、子宝や安産の象徴とされているそうです。
この他にも、頭をなでると愚痴を聞いてくれる「ぐち聞きわらべ」、一回叩けば万回の福が訪れるとされる「一打万福」の石、朱色の連鳥居の中に睨みをきかす「さぬき獅子」などがあります。
全てのスポットを回るとなると、少し時間がかかりますがご利益のテーマパークと呼ばれるだけあって、参拝者を楽しませてくれます。
あなたの願いやお悩みにあったものを、是非見つけてみてはいかがでしょうか。
【所在地・アクセス】一帯が湧水地である高松市の中心部に鎮座する
香川の主要駅である高松駅から南に約10㎞程に鎮座しています。
高松市内には琴平電鉄という私鉄が走っていますので、琴平電鉄、琴平線の一宮駅で下車すると、北に歩いて10分ほどで到着します。
また、バスでも神社付近まで行けるので、足腰に自信のない方はバスのご利用がおすすめです。
<所在地・電話番号>
〒761-8084 香川県高松市一宮町286
TEL:087-885-1541
FAX:087-885-3126
<アクセス>
■電車をご利用の方:
高松琴平電鉄琴平線「一宮駅」より徒歩で約10分
■バスをご利用の方:
ことでんバス「一宮バス停」より徒歩で約1分
■車をご利用の方:
・高松西インターより約10分
・高松中央インターより約15分
・高松空港より約15分
・JR高松駅より約20分
※社殿の東側、神社会館の横に駐車場あり(約80台収容)
※交通安全祈願でお越しの方は、田村神社会館付近進入口(172号線河田葬儀社北側)から入りご駐車下さい。
【ご祭神・ご由緒】田村大神と呼ばれる五柱の神がまつられる
【ご祭神】
・倭迹迹日百襲姫命
・五十狭芹彦命 (別名:吉備津彦命)
・猿田彦大神
・天隠山命 (別名:高倉下命)
・天五田根命 (別名:天村雲命)
以上の五柱で、「田村大神」と総称されます。
社殿が建てられた後にまつられるようになった神様。
それまでは、水の神、龍神様をまつる自然崇拝だったとされます。
【ご由緒】
起源はとても古く、社記によれば和銅二年(709年)に社殿が創建されたとされています。
「田村神社」は別名、「田村大社」や「定水大明神」又は「一宮大明神」とも呼ばれ、地域の人々より篤く崇敬されてきたとされます。
貞観三年(861年)に官社となって名神大社に列せられ、讃岐國の一之宮に定められた後は、建仁元年(1201年)に正一位(神社における神階の最高位)をさずけられました。
ご神体は、奥殿の床下にある深淵「定水井」とされており、境内にはその他に、袂井、花泉と呼ばれる出水がありますが、農耕に欠かせない湧き水への信仰が、祭祀につながったと考えられています。
讃岐の地は雨が少なく、昔からため池などが作られてきましたが、「田村神社」が鎮座する付近では水源に恵まれ、井堰(土や木などで川水をせきとめた所)や出水を作り、生活用水や田畑を潤す用水として利用するなどその恩恵を受けてきました。
この地で洪水や干ばつなどの災害があった際は、領主は必ず祈願していたと伝えられており、「定水大明神」と呼ばれる所以にもなっています。
<覗くと死ぬとされる「定水井」>
奥殿にあるご神体の「定水井」には龍が住むとされており、覗いたものは死んでしまうという少し怖い龍神伝説があります。
明暦元年(1655年)、社殿の改築工事を頼まれた「竹村斉庵」という方が、神官にお願いして「定水井」を覗いたところ、水が巻きあがり、その中から龍が現れにらみつけたといいます。
「竹村斉庵」は、その後家に帰り寝込んだまま死んでしまったそうです。
現在、「定水井」には厚板が覆いかぶされており、奥殿の下にあるため参拝客も実際にみることができないようになっています。
【社務所受付時間】
午前9:00〜午後5:00
*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。
【御朱印】
・授与所にて:午前9:00〜午後5:00
・御朱印代:各¥300
ご本殿・宇都伎社・素婆倶羅社の3社の御朱印。
そして、さぬき七福神霊場の「布袋尊」、新四国曼荼羅霊場第11番札所の「田村大神」の御朱印もいただくことができます。
・オリジナルご朱印帳:¥1,500
黒地に龍がデザインされたものと、桜の花びらが描かれている2種類のオリジナルご朱印帳があります。
【主な祭礼】
秋季例大祭
10月7日・8日
拝殿に垂らしてある御蚊帳を外し、獅子舞、巫女舞を奉納し収穫を祝うお祭りで、通称を御蚊帳撤神事と呼ばれています。
年間の祭礼の中でも、最も重要視されているお祭り。
本殿祭の後は、大神様のお御霊を神輿に移し、巡行を行います。
日曜日限定!田村神社の日曜市うどん
「田村神社」では、日曜日に社務所となりの建物がうどん屋さんとなり、その場で香川名物のうどんを食べることができます。
自家製のイリコ風味の出汁と、讃岐ならではのコシのある絶品うどんが、一杯150円と手頃な価格で提供されています。
このうどん目当てに、日曜日には多くの参拝者が訪れます。
まとめ
全国的にも有名な讃岐うどんの地にある「田村神社」。
この地が水源に恵まれ、うどんの聖地となったのもご神体である水神様のお力なのでしょうか。
田村大神と総称されるご祭神や、水神にあやかり、ご利益のテーマパークとされる見どころが満載の境内。
様々なモニュメントも設置するなど工夫がされ、家族連れの参拝者も十分に楽しめる神社です。
香川県に訪れた際は、ぜひ「田村神社」に参拝してみてはいかがでしょうか。