「熊野三山」とされる「熊野本宮大社」、「熊野速玉大社」、「熊野那智大社」は、和歌山県の南東部にそれぞれ20~40㎞ほど離れて鎮座しています。
「速玉が前世の罪を浄め、那智が現世の縁を結び、本宮が来世を救済する」といわれ、古くから多くの人たちが熊野古道を歩いて熊野三山を巡ったそうですよ。
平安時代には、皇族や貴族がこぞって熊野三山に詣で、江戸初期まで身分や老若男女を問わず訪れる人が絶えなかったので、「蟻の熊野詣」とも呼ばれるほど信仰されていたとか。
そんな熊野三山を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」は、ユネスコの世界遺産に登録されています。
今回は、世界中から訪れる参拝者をも魅了しているパワースポット「熊野三山」をご紹介します。
【三社の中枢を担う熊野本宮大社】
全国に4700社以上ある熊野神社の総本山である「熊野本宮大社」は、古くから熊野信仰の中枢を担ってきました。
周囲には杉木立が生い茂り、熊野三山の中でも特に古式ゆかしい雰囲気に包まれています。
かつては、3つの川が合流する「大斎原」と呼ばれる中洲にありましたが、洪水で社殿の多くが流され、流失を免れた上四社三棟が現在の場所に移築・再建されたそうです。
ご本殿に向かう158段の石段の両側には、全国から訪れた参拝者が奉納した「のぼり」が階段の上までずらりと続きます。
階段の途中には、穢れをお祓いしてくれる神様「祓戸大神」がまつられていますから、先にお参りしましょう。
神門を通ると、広々とした空間に檜皮葺きの社殿(重要文化財)が横一列に並ぶ姿が壮観です。
ご本殿は、上四社の第一殿から第四殿までありますが、主祭神をまつる第三殿から以下の順に参拝するのが作法となっています。
第三殿:家都美御子大神 第二殿:速玉之男神(熊野速玉大社の主祭神) 第一殿:熊野牟須美大神(熊野那智大社の主祭神) 第四殿:天照大神(伊勢神宮内宮の神) |
社殿を参拝したあとには、一番奥にある「満山社」へお参りしましょう。
こちらは、人と人の縁を結ぶとされる「再生の玉石」がまつられている縁結びの神様(八百萬の神)です。
また、境内には熊野三山に共通する「導きの神鳥」として信仰される、三本足の烏「八咫烏」が多くみられます。
ご存知の方も多いかと思いますが、JFA財団法人日本サッカー協会の公式マークになっていますよね。
サッカー選手やサッカーファンたちも多く訪れるそうです。
【熊野本宮大社ご利益】
「家津美御子大神」は、死と再生を司る神とされることから、「よみがえりの聖地」とも呼ばれ再生のご利益があるといわれています。
また、ご利益は多岐にわたりますが、主に豊漁、交通安全、開運招福、厄除け、安産祈願、夫婦和合、長寿、縁結び、勝運などのご利益があるそうです。
「熊野本宮大社」には、八咫烏のお守りが多くありますが、自分自身に勝って、勝利へと導いてくださるという「本宮勝守」がおすすめ。
そして、財布や鞄に入れて常に持ち歩くとよいお守り「再生守」もおすすめです。
社殿の檜皮を再生して作られたもので、大神様の御霊が宿り、いのちの甦りの出発点となることがお祈りされているそうですよ。
また、「ジョジョの奇妙な冒険」で有名な荒木飛呂彦先生がデザインされた「和のお守り」も人気があるそうです。
【熊野本宮大社の見どころ】
<黒の八咫烏ポスト>
社務所の前の多羅葉のご神木の下に、八咫烏がちょこんと乗っている黒いポストがあります。
黒は神の遣いである八咫烏の色であり、すべての色が合わさった尊い色、本宮の大地を象徴する神聖な色でもあるとか。
社務所では、葉書として使える「八咫烏ポスト絵馬」が販売されていて、手紙を出される場合には、「出発の地より心をこめて 熊野本宮」というスタンプを押してもらえるそうです。
八咫烏ポストから実際に手紙が出せるなんて嬉しいですよね、聖地熊野からお便りを出してみてはいかがでしょうか。
<女性の守り神「産田社」と旧社地「大斎原」>
「熊野本宮大社」へお参りされたあとは、「産田社」と「大斎原」にお詣りすることをおすすめします。(本宮大社から徒歩約10分)
「産田社」は、本宮から大斎原までの途中に鎮座している「熊野本宮大社」の「末社」。
総てを産みだされた産土の神と崇められている「伊邪那美命」の荒御魂がまつられ、新たなものを生み出すパワーを感じる神社です。
安産や子授けにもご利益があるとされ、女性の守り神として高い人気を誇っています。
そして、田んぼの中にそびえ立つ日本一の巨大鳥居(高さ約34m幅約42m)をくぐり旧社地「大斎原」へ。
現在の「大斎原」には拝殿、ご本殿という形ではなく2基の小さな石の祠が建てられていますが、今でも聖域として多くの人が訪れています。
【荘厳な朱塗りの社殿が美しい熊野速玉大社】
「熊野本宮大社」から熊野川をおよそ40km下った河口付近に鎮座する「熊野速玉大社」。
建造物の鮮やかな朱色と緑のコントラストがとても美しいことでも有名です。
また、「熊野神宝館」には、1200点にものぼる国宝や国指定文化財の古神宝類が収蔵されていますよ。
ご祭神に「熊野速玉大神」をはじめとして十二柱の神々をまつる「新宮十二社大権現」として、全国から多くの参拝者が訪れます。
特に、「日本第一大霊験所」の勅額(天皇直筆の額)を賜り、熊野三山の中で最も早く「熊野権現」の称号をえた由緒ある神社です。
しめ縄が目をひく神門をくぐって神域に入ると、主祭神をまつる「結宮」と「速玉宮」、 さらに「奥御前三神殿」、「上三殿」、「八社殿」と5棟の社殿が並びます。
実は、熊野権現が最初に熊野に降臨した場所は、神倉山という伝承があるとか。
景行天皇の時代に、神倉山の「神倉神社」にまつっていた神様を現在の場所に移し、社殿がつくられたとされています。
神倉神社は「元宮」と呼ばれていたことから、速玉大社を「新宮」と称するようになったと伝わり、これが町の名前の由来にもなっているそうです。
【熊野速玉大社ご利益】
「熊野速玉大社」にはたくさんの神がまつられていますが、主祭神の二柱は夫婦神。
そのため、縁結びはもちろん家内安全のご利益があるといわれています。
さらに、富貴隆昌、現世安穏、災厄消除、海上安全、病気平癒など、諸願成就のご利益を授かれるとか。
富貴隆昌とは、地位が高まり財産が増えるご利益を指すそうです。
縁結び祈願で訪れたなら、おすすめのお守りは、ご神木「梛」の実で作った「なぎまもり」や「なぎ人形」。
葉脈が強く切れにくいことから「大切な人との縁結び」や「道中安全」のお守りとして大事にされてきたとか。
また、特に人気なのが「きずな守り」。
「きずな守り」は、大切な人の幸せを願うお守りで、中に入っている紙に大切な人への想いを書き、その人へ手渡します。
想いが届くように祈願していただけるそうです。
【熊野速玉大社の見どころ】
<樹齢1000年を超えるご神木>
日本最大の大きさを誇るご神木「梛の木」は、必見です。
天然記念物に指定されていて、その高さは約20m、幹の外周は約6m。
なんと樹齢は1000年を超え、平重盛の手植えのものだとか。
古くから、険しい熊野古道の安全を祈願して、こちらの梛の葉をお守りにお参りしたそうです。
熊野速玉大社をお参りしたら、ご神木の葉とともにご利益も頂きましょう。
<熊野信仰始まりの地「神倉神社」>
「熊野速玉大社」に参拝した後にぜひ訪れたいのが、摂社の「神倉神社」(徒歩約15分)。
おまつりされている神様は、「高倉下命」と「天照大神」、商売繁盛や交通安全、諸願成就などのご利益が授かれるそうです。
また、熊野の神々が降臨したと伝わる「ゴトビキ岩」をまつる熊野信仰の発祥地とされています。
こちらの巨岩のご神体は、538段もの急な石段を上った先の断崖の上にそびえます。
源頼朝が寄進したものと伝えられる自然石を組み合わせて積み重ねた石段は、一瞬のぼるのをためらうほどの急こう配です。
のぼるのが難しい場合は、「女坂」という迂回ルートもありますが、どちらにしても、履物はスニーカーなど歩きやすいものをおすすめします。
険しい石段を登って社殿にたどり着くと、新宮の街並みや太平洋までを見渡せる絶景が待っていますよ。
【那智の滝との絶景を望む熊野那智大社】
那智の滝の自然崇拝を起源とする「熊野那智大社」。
那智山の中腹に鎮座し、標高約500mにある社殿までは467段の石段が続きます。
石段をのぼると神域には、主祭神をまつる第四殿「 西御前」を含め6つの社殿、そして拝殿の横には、熊野の神様のお遣いである八咫烏をまつる「御縣彦社」も鎮座しています。
「熊野那智大社」では熊野十二所権現に、大滝の神「飛瀧権現」が合わせてまつられているため、「熊野十三所権現」とも呼ばれているそうです。
そして、すぐ隣には「那智山青岸渡寺」のご本堂がならび建ちます。
かつて神仏習合の「熊野那智大社」と一体の修験道場でしたが、明治初期に「熊野那智大社」と「青岸渡寺」に分かれ現在の形になったとか。
人々が神も仏も区別することなく信仰していた神仏習合時代の名残りを感じられる貴重な場所です。
ちなみに世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」には、「熊野那智大社」と密接な関係を持つ「那智山青岸渡寺」「補陀洛山寺」も、ともに登録されています。
こちらの境内からは、朱色の美しい三重塔と、後方に見える那智の滝の絶景写真が一緒に撮れますよ。
また、すぐ近くには、別宮「飛瀧神社」があり、滝のしぶきを浴びるほど近くから大迫力の滝を拝めるパワースポットとなっています。
高さ133mの那智の滝にちなんだ熊野那智大社名物 「ジャンボおみくじ」は、
長さが133㎝もある巨大なおみくじ、ぜひ運試しをしてみてはいかがでしょうか。
【熊野那智大社ご利益】
「熊野那智大社」では、開運招福、家内安全、無病息災、長寿、所願成就などさまざまなご利益があると言われています。
また、主祭神の「熊野夫須美大神」の夫須美が「むす」という生成発展を意味し「結(むすび)」に通じるとして、人と人の縁を結び、諸々の願いを結ぶ、結宮と古来から崇められていたそうです。
「熊野那智大社」のお守りでおすすめは、八咫烏のロゴが描かれた勝負事にご利益のある「勝守」です。
鮮やかなブルーと赤の二色があり、カップルに人気があるとか。
また、開運みくじ付きの八咫烏の置物はマスコットとしても人気です。
【熊野那智大社の見どころ】
<胎内くぐりのご神木>
ご神木「大樟」は、平重盛のお手植えの木で、樟霊社としてまつられています。
さらに、樹齢850年、樹高は27メートル、幹回り約8.5メートルの大木の根元のところが大きな空洞になっています。
その空洞は大人が通れるほどの広さで、そこをくぐり抜けて向こう側にいくのが「胎内くぐり」です。
胎内くぐりをする際には、願意と名前を書いた護摩木か絵馬を持ってくぐり、出口付近にある護摩木・絵馬掛けに納めます。
納めた護摩木は、毎月18日の権現講祭でお炊き上げ祈願をしてくださるそうですよ。
<別宮「飛瀧神社」のご神体「那智の滝」>
熊野三山を参拝するなら、一緒に訪れたいのがパワースポット「那智の滝」です。(熊野那智大社から徒歩約15分)
別宮「飛瀧神社」のご神体で日本三大瀑布の一つ、一段の滝として日本一長く、世界遺産に登録されています。
神社に拝殿やご本殿はなく、滝に続く参道を下りると真正面に石の鳥居がみえてきます。
滝口から滝壺までの落差は約133m、なんと水量は毎秒1トン程度といわれ、落ちてくる滝の飛沫を浴びるとご利益があるそうですよ。
滝に最も近づける「お瀧拝所舞台」から「那智の滝」を拝むのがオススメです。
こちらでは、延命長寿の水と伝えられている瀧つぼの水を飲むこともできます。
【所在地・アクセス】
<熊野本宮大社>
〒647-1731 和歌山県田辺市本宮町本宮
◼️バスをご利用の場合:
●東京方面から
・羽田空港より南紀白浜空港まで約70分、南紀白浜空港より直通バス約80分
●大阪方面から
・「紀伊田辺駅」から龍神バスで約75分
・「紀伊田辺駅」から明光バスで約60分
●名古屋方面から
・「新宮駅」から熊野交通バスまたは奈良交通バスにて約80分
◼️車をご利用の場合:
<名古屋方面から>
・東名阪自動車道、伊勢自動車道、紀勢自動車道を進み熊野尾鷲道路「熊野大迫IC」で下車
・国道42号線・168号線を利用
<大阪方面から>
・阪和自動車道から紀勢自動車道へ進み「上富田IC」で下車
・国道42号線・311号線を利用
*無料駐車場:瑞鳳殿の隣、世界遺産熊野本宮館、熊野川河川敷の駐車場を利用
<熊野速玉大社>
〒647-0003 和歌山県新宮市上本町1丁目1
◼️バスをご利用の場合:
●東京方面から
・南紀白浜空港から白浜空港リムジンバスで「新宮駅」へ約135分
JR「新宮駅」から徒歩約20分、または熊野交通バスにて「権現前バス停」にて下車、徒歩2分
・南紀白浜空港から快速熊野古道号で「権現前バス停」へ約190分、
「権現前バス停」から徒歩約3分
●大阪方面から
・JR「新宮駅」から徒歩約20分、または熊野交通バスにて「権現前バス停」にて下車、徒歩2分
●名古屋方面から
・JR「新宮駅」から徒歩約20分、または熊野交通バスにて「権現前バス停」にて下車、徒歩2分
◼️車をご利用の場合:
<名古屋方面から>
・東名阪自動車道、伊勢自動車道、紀勢自動車道、熊野尾鷲道路を進み、「熊野大泊IC」下車
・国道42号を利用
<大阪方面から>
・阪和自動車道から紀勢自動車道へ進み「上富田IC」で下車
・国道42号線・311号線・168号線を利用
*無料駐車場:約30台
<熊野那智大社>
〒649-5301 和歌山県那智勝浦町那智山1
◼️バスをご利用の場合:
●東京方面から
南紀白浜空港から白浜空港リムジンバスでJR「紀伊勝浦駅」へ約110分
JR紀勢本線「紀伊勝浦駅」から熊野御坊南海バスで「那智山バス停まで」約30分
●大阪方面から
JR紀勢本線「紀伊勝浦駅」から熊野御坊南海バスで「那智山バス停」まで約30分
●名古屋方面から
JR紀勢本線「紀伊勝浦駅」から熊野御坊南海バスで「那智山バス停」まで約30分
◼️車をご利用の場合:
<大阪方面から>
・阪和自動車道 から紀勢自動車道を進み「すさみ南IC」下車
・国道42号・那智勝浦新宮道路にて「那智勝浦IC」下車
・県道46号線を利用
<名古屋方面から>
・東名阪自動車道、伊勢自動車道、紀勢自動車道、熊野尾鷲道路を進み「熊野大泊IC」下車
・国道42号線・那智勝浦新宮道路「那智勝浦IC」下車
・県道46号線を利用
*駐車場:
<那智大社・青岸渡寺駐車場>
約30台(駐車場は無料、神社防災道路通行料800円必要)
<大門坂駐車場>
約100台(無料)24時間利用可能
*熊野那智大社までは熊野古道(大門坂)を歩いて約30分
<那智山商店会>
商店会の通りに有料と無料の駐車場が混在
ちなみに「熊野古道」の代表的なルートは6つありますが、田辺市から山中へ分け入り、本宮、新宮、那智へ至る、中辺路がもっとも人気が高いルートです。
熊野三山や熊野古道の散策に、便利なのが「悠遊フリー乗車券」。
発券当日から1~3日間使える乗車券は、有効区間内を何度でも乗り降りできますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
「熊野御坊南海バス」公式サイト
https://www.wakayama-kanko.or.jp/features/seichijunrei-bus/kumano.html
【熊野三山ご祭神】
熊野三山はそれぞれに主祭神は異なりますが、一方で三社の主祭神を相互に勧請し
一緒におまつりしています。
「熊野三所権現」として信仰されて、また、それ以外のご祭神を含めて「熊野十二所権現」と呼ばれています。
<熊野本宮大社>
・家都御子神(別称:須佐之男命)
<熊野速玉大社>
・熊野速玉男神(別称:伊弉諾尊)
・熊野夫須美大神(別称:伊邪那美)
<熊野那智大社>
・熊野夫須美大神(別称:伊邪那美)
熊野三所権現の使いは「八咫烏」。
「古事記」によると、熊野にたどりついた初代天皇「神武天皇」の道案内をしたとされています。
そんな伝承から熊野三山に共通する「導きの神」として信仰されているそうです。
【熊野三山ご由緒】
熊野は「日本書紀」にも記載されている修験道の修行地、また、古くから木や岩、川や滝などを神とする自然崇拝の聖地でした。
そして、奈良時代から平安時代になると、神=仏であるという考え方が広まり、皇族や貴族が浄土への入り口として「熊野三山」を参拝するようになりました。
熊野詣をすることで、浄土へお参りし、浄土から帰ってくることが、死を経て「再び生まれ変わることができる」という信仰が広がったとか。
そのため、「熊野三山」は「よみがえりの地」として崇められるようになったとも伝えられています。
やがて、神仏習合の思想が浸透していく中で、さらに三山は結びつきを強めるようになり、「熊野詣」の目的地として栄えてきました。
【社務所受付時間】
<熊野本宮大社>
・受付時間:8:00~17:00
・TEL:0735-42-0009
・FAX:0735-42-0753
・公式サイト:http://www.hongutaisha.jp/
<熊野速玉大社>
・受付時間:8:00~17:00
・TEL:0735‐22‐2533
・公式サイト:https://kumanohayatama.jp/
<熊野那智大社>
・受付時間:6:00~16:30
・TEL:0735-55-0321
・FAX:0735-55-0643
・公式サイト:https://kumanonachitaisha.or.jp/
【御朱印】
<熊野本宮大社>
初穂料:300円
*「産田社」「大斎原」の御朱印も授与されます。
<熊野速玉大社>
初穂料:300円(限定御朱印500円)
*摂社「神倉神社」の御朱印も授与されます。
<熊野那智大社>
初穂料:300円(限定御朱印500円)
*「御縣彦社」、別宮「飛瀧神社」の御朱印も授与されます。
牛王宝印 引用元:新宮市観光協会
【熊野三山にしかないお札「熊野牛王宝印」】
熊野に参拝したらぜひ頂きたいのが「牛王宝印」。
カラス文字で書かれた護符で、各大社によってデザインが違いますが、熊野三山だけの特別なものです。
かつては、武将たちが忠誠心を誓うための「誓約書」や、庶民たちが起請文(神仏への誓いを記した文書)として使っていたとか。
現在は、厄除けの万能お札とされていて、病気平癒や災難除け、玄関にまつれば盗難除けなどさまざまな魔から守ってくれるそうですよ。
【主な祭礼】
<湯登神事>
「熊野本宮大社」で行われる最も大きなお祭り「例大祭」は、4月13日の「湯登神事」に始まります。
父親の肩車に乗って小鼓を抱いた稚児(2、3歳の男の子)を中心に、神職、修験者、氏子など総勢40〜50人が「熊野本宮大社」を出発し、太鼓に合わせて神歌を歌いながら、湯の峰温泉を目指します。
湯の峰温泉で身を清め、「湯峯王子社」で祭典をした後には、熊野古道「大日越だいにちごえ」を通って帰社する神事。
「湯登神事」は、稚児に神を降ろし健やかな成長を願う祭りで、神事以外は稚児を地面に降ろしてはならない習わしとなってるそうですよ。
<お燈まつり>
「熊野速玉大社」の摂社「神倉神社」では、毎年2月6日に家族の1年の無病息災を願う「お燈まつり」が行われます。
「上り子」と呼ばれる約2000人の白装束に腰縄姿の男たちが、松明を片手に社殿から一斉に538段の階段を駆けおりるというお祭り。
その様子は「下り竜」とも称されていて、本当に炎の竜が現れたかのような熱気と迫力、神々しい光景が広がります。
関西でも有数の火祭りで、男性であれば観光客でも参加できるそうですよ。
お祭りに上がり子として参加希望の方は、身を清めるために一週間前から準備があるそうなので、ぜひホームページでご確認ください。
<那智の扇祭り(火祭り)>
例年7月14日に行われる「那智の扇祭り」は、「熊野那智大社」の例大祭で、日本三大火祭りの一つとされています。
この例大祭は、神々が12基の扇神輿に乗って元々まつられていた那智の滝へ里帰りをし、ご神威新たにするという神事。
参道を清めるため、白装束の氏子たちが燃え盛る約50kgの大松明を担いで「ハリヤ、ハリヤ」と大声をかけ合いながら勇壮に参道の石段を練り歩きます。
一番の見どころは、那智の滝の前で繰り広げられるお滝本神事(大松明に点火)。
午後2時から前の参道にて行われますが、この荘重な祭りを一目見ようと多くの観客がつめかけるので、早めに場所を確保して待った方がよいそうです。
まとめ
今回はパワースポット「熊野三山」をまとめてご紹介しました。
熊野三山はかつて「蟻の熊野詣」と言われるほど、貴族から庶民までこぞって向かった大人気の場所だったということですね。
少し険しく感じるかもしれませんが、それ以上に、今も昔も変わらず人々の心を引きつける神秘的なパワーを体験してみてはいかがでしょうか。
ぜひ、神々の棲む聖地を巡ってみてくださいね!