神社で行う結婚式「神前式」は、厳かで美しい雰囲気が魅力的ですよね。
ただ、気になってはいるけれど、なかなか決められないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、神社での結婚式を考える際に、知っておくと役立つメリット・デメリット、費用やチェックしておくべきポイントをまとめてご紹介します。
まだ迷っている方も、神前式にしたくて神社を探そうと思っている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
神社で結婚式を行うメリット・デメリット
日本の伝統的な挙式スタイル「神前式」は、神社や結婚式場、ホテルなどに設置された神殿で、斎主の進行のもと神道にのっとって行われます。
では、神社で挙げる場合のメリットとデメリットについて詳しくみていきましょう。
神社で結婚式を行うメリット
<厳かな雰囲気の中で日本の伝統文化を感じられる>
日本の伝統や奥ゆかしさを大事にする神前式では、美しく厳かな挙式が体験できます。
神社のご本殿で厳粛な雰囲気のなか執り行われるため、良い緊張感のなか、結婚して新しい家族とともに人生を歩んでいくという気持ちも高まるのではないでしょうか。
また、普段なかなか身につけることがない和装姿を楽しめるのも、神社での結婚式の魅力のひとつです。
打掛や掛下まで白で統一されている「白無垢」や、衣装の色も豊富で、個性を出しやすい「色打掛」、着物の裾を引いて歩くスタイルの「引き振袖」が人気です。
風格ある神社を背景に、新郎新婦の和装姿がよく映えるでしょう。
<両家の家族としての絆を感じられる>
神前式は、基本的に家族・親族を含めた少人数で行うため、アットホームな挙式を行えることも魅力のひとつです。
また、神前式では神職、新郎、新婦に続いて、両家のご両親、家族・親族が並んで神殿に向かう「参進の儀」、列席者全員が盃を交わす「親族盃の儀」など、両家のご縁を結ぶ儀式があります。
神聖な場所で両家が同じ時間を過ごし、協力して儀式を執り行うことで両家の絆を感じられることでしょう。
<神社での結婚式だけであれば費用をおさえられる>
神社での神前式は、挙式のみにする場合、ホテルや専門式場の結婚式と比べて費用を抑えられる傾向にあります。
また、神前式では、白無垢や打掛といった和装を着て行うのが一般的、衣装相場は、ウエディングドレスなどの洋装に比べて安めとなっています。
ただし、かつらや綿帽子・角隠しなど特有のヘアセットや、特別な簪などをレンタルしたりすると、トータルでみると洋装より高くなる可能性があります。
<人生の節目に何度も訪れることができる>
挙式が終わった後も、初詣や普段のお参りなどで訪れるのはもちろん、子供が産まれた際には、お宮参り、七五三など、神社を訪れる機会はたくさんあるのではないでしょうか。
夫婦になった場所、ご縁のある神社で、人生の節目を重ねていけるのも神社ならではの魅力です。
<新郎が活躍できる場がある>
挙式スタイルによっては新婦が主役となる場面が多く、誓いの言葉も新郎新婦それぞれが述べます。
それに対して、神前式の「誓詞奏上」という儀式では、新郎新婦が神前で夫婦になる誓いを新郎が読み上げますから、新郎が活躍できる挙式スタイルであるといえるでしょう。
神社で結婚式を行うデメリット
<天候に左右されてしまう>
神社での結婚式は、両家の親族が列になってご本殿まで歩いていく儀式「参進の儀」から始まります。
この儀式は外で行われるため、天候が悪いと移動がしづらかったり、場合によっては、行えなくなる可能性もあるという点はデメリットといえるでしょう。
また、写真撮影は一般的に鳥居の前など景色の良いところで行われますが、雨が降ってしまうと撮影が難しくなることも。
<列席できるのは親族のみの場合もある>
神前式は本来、両家のご縁を結ぶ意味合いもあるため、基本的には、挙式に列席できるのは両家の家族、親族のみとなるそうです。
また、ご本殿スペースが広くないことも、収容人数に制限がある要因となっています。
神社によっては、親族以外でも列席できたり、境内から結婚式を見守ることができる場合もありますから、ご友人などにも列席して欲しい場合は、事前に確認してみましょう。
<バリアフリーの設備が整っていないことがある>
神社は、歴史的な建物のため、バリアフリーの設備が整っていないこともあります。
神社によっては、長い階段があったり、段差があったりしますから、ご年配の列席者がいらっしゃる場合は配慮が必要です。
また、もし車椅子の方などがいらっしゃる場合は、道は通りやすいのか、ご本殿にあがることはできるのか事前に確認をしておくのが良いでしょう。
<お支度や披露宴は別手配の場合がある>
神社で結婚式を挙げることはできても、お支度の場がなかったり、その後の披露宴会場が併設されていないことがあるので注意しましょう。
どこまで対応してもらえるのか、契約前に内容をしっかりチェックすることをおすすめします。
また、神社に披露宴会場がない場合は、会場や移動手段の手配のために、神社と披露宴会場のそれぞれやり取りが必要となります。
神社での結婚式にかかる費用相場
神社の結婚式ではどのくらいの費用がかかるのか気になりますよね、ここでは、平均的な費用についてご紹介します。
【挙式料(初穂料・玉串料)】
費用相場:5~15万円
「挙式料」にあたるものが「初穂料・玉串料」、神社への謝礼金として納めます。
相場としては5〜15万円ほどですが、格式高い歴史ある神社の場合は費用が高くなることも。
さらに、雅楽などの演奏や巫女の舞などはオプションになっている場合や、別に衣装代などがかかってくることも多いようです。
神社によっては、衣装やヘアメイク代や写真代など挙式に必要なものがすべて含まれたお得な「挙式プラン」が準備されていますので、どこまで挙式料に含まれているのかしっかり確認しましょう。
【衣装代】
費用相場:25万円
神社での結婚式では、白無垢や色打掛といった和装を着ることが一般的。
和装はドレスに比べ費用の幅が大きいので、豪華な衣装にこだわりがなければ、節約できる大きなポイントになります。
レンタルする際の相場は以下のようになりますが、新作や豪華な刺繍が施されていたりなど、種類によっては相場よりも高くなる傾向があります。
・白無垢:15万~20万円
・色打掛:20万~25万円
・引き振袖:10万~15万円
・五つ紋付羽織袴:5万~10万円
【ヘアメイク・着付け代】
費用相場:5~8万円
和装のレンタル代にヘアメイク・着付け代が含まれているプランの場合がほとんどです。
ただし、和装に合わせて、お色直しや髪型を変えるときや、かつらや新日本髪といった特殊な髪型にする場合など、別途費用がかかることもあります。
<着付け>
新郎:1万円、新婦:3万~5万円
<ヘアメイク>
新郎新婦:2万~4万円
【撮影代】
費用相場:5万~10万円
神社によっては 、儀式の邪魔にならないように撮影禁止だったり、神社の専属カメラマンのみが撮影を許されているなどのルールが有ります。
撮影可能か、撮影できるシーンに関してなど制限を確認して、ルールにのっとりカメラマンを手配すると良いでしょう。
専属のカメラマンに依頼する場合は、過去に撮影した写真を見ることができるのであれば、イメージと合うかチェックすることをおすすめします。
【持ち込み料】
費用相場:5千円~5万円
持ち込み料が発生するかしないかは、神社によって違います。
神社の提携会社以外で衣装や美容、カメラなどを準備した場合に費用がかかる可能性があります。
神社での結婚式「神前式」の基本的な流れ
神社で行う神前式の所要時間は平均で30〜40分です。
ご紹介する流れの中で、指輪交換や神楽奉納は、神社によって行わない場合もありますので、神社に確認してみましょう。
<手水の儀>
神殿に入る前に、参加者全員の身をお水で清める儀式。
神社へお参りする前と同じように、まず右手でひしゃくに水を汲み、左手を清めてからつづいて、右手を清め、口も水ですすぎます。
最後に用意されている和紙で、口元や手の水気をふき取ります。
<参進の儀>
斎主と巫女に続いて、新郎新婦・仲人・両親・親族の順でご本殿へと入場します。
<修祓の儀>
「修祓」とは、心身を清めるためのお祓いという意味です。
斎主が祓詞を述べ、身の穢れをはらい清めます。
<祝詞奏上>
斎主が神に向かって「祝詞」を読み上げ、新郎新婦が結婚することを報告します。
<三献の儀>
新郎新婦が、小型・中型・大型の盃を使い、交互にお神酒を飲む三三九度の杯を行って夫婦の契りを結びます。
<誓詞奏上>
新郎新婦が夫婦としての誓いの言葉を読み上げる儀式。
新郎が、「誓いの詞」を神へ向かって読み上げ、それに続いて新婦は、自分の名前だけを添えるのが一般的です。
<玉串奉奠>
神前に、榊の枝に紙垂を付けた玉串を神様に捧げ、神と二人のつながりを固めるための儀式になります。
<神楽奉納>
巫女が、新郎新婦の幸せを祈って神楽に合わせて舞を踊り神様に奉納します。
<指輪交換>
お互いの左手薬指に結婚指輪をはめます。
<親族盃の儀>
列席者全員もしくは代表者が、順に盃でお神酒を飲む儀式。
親族同士のつながりを固めます。
<斎主挨拶>
最後に斎主が神様へ、結婚式の終了を報告し祝辞が述べられます。
<退場>
斎主・新郎新婦・仲人・ご両親・親族の順に退場します。
神社選びの5つのチェックポイントと注意点
神社で結婚式をすると決めたら、選ぶ段階で次のポイントをチェックしておきましょう。
1.「神前式」で大丈夫かを確認しておく
まず大前提として、信仰している宗教を事前に確認しておきましょう。
宗教、宗派などによっては、儀式の内容が異なる部分もあるため、神前式に抵抗がある場合も。
両家のご両親が敬虔なキリスト教徒だったり馴染みのお寺がある可能性もありますから、決めた後で問題にならないようにあらかじめチェックをしておくと安心です。
また、以下の基本的な3つの区分をおさえておきましょう。
・産土神社
・氏神神社
・崇敬神社
「産土神社」は、自分が生まれた地域を守る神社のこと、「氏神神社」は、現在、自分が住んでいる地域を守る神社のことです。
「崇敬神社」は出身地域や住んでいる場所のご縁にかかわらず、特別な思い入れがある神社を指します。
結婚式を挙げた神社は、その後も人生の節目に訪れることがあるため、ふたりにとって思いを繋げたい神社を選びましょう。
2.参列者の制限と収容人数について
先ほど述べたように、神社では、参列者が親族のみに限定されていることがあります。
友人にも参列してほしい場合には、親族以外の人も参列できる神社を探すようにしましょう。
さらに、家族、親族のみの列席となる場合は、収容人数を超えてしまうケースは少ないようですが、親族が多かったり、親族以外にもゲストを呼びたい場合は、神社の収容人数も合わせて確認しておくと良いでしょう。
ちなみに神社の場合、収容人数は30〜50名ほどになることが多いようです。
3.結婚式ではどんな儀式を執り行うのか?
神社の結婚式には、参進の儀、三献の儀、親族盃の儀など、たくさんの儀式がありますが、神社によって儀式の内容や流れが異なることがあります。
雅楽の演奏で使う楽器などにも違いがあるそうですから、どんな儀式を執り行っているのか確認しておきましょう。
また、最近は神社で独自に行っている儀式もあるとか。
例えば、新郎新婦のそれぞれの実家の水を汲んできて、水を合わせて飲むという「水合わせの儀」があります。
別々の環境で育ってきた二人が一つになるという意味があるそうですよ。
4.披露宴や食事会をする場合について
神社の敷地内に披露宴、会食会場が併設されている場合や、もしくは近くに神社管轄の会館がある場合は、徒歩での移動ができます。
また、披露宴から参加するゲストの方も早めに神社におもむき、挙式の様子を外から眺めたり、一緒に写真撮影ができる可能性があるでしょう。
ただ、結婚式は神社で挙げたいけど、披露宴は料理や会場の雰囲気にこだわりたいという場合は、神社からスムーズに移動できるかも重要なポイント。
新郎新婦だけでなく、参列者も移動が大変なので、あまりにも神社から遠い場所にある会場は避けましょう。
神社と披露宴会場が提携していない場合は、両方のスタッフと打ち合わせをする必要があるので、準備に時間をかけられない方は、挙式と披露宴が敷地内でできる神社を探すのがおすすめです。
5.対応してもらえる内容や持ち込みについて
神社の結婚式では、アイテムや衣装の持ち込みについて、他の会場より厳しい可能性が高いです。
そのため持ち込みができたとしても、持ち込み料がかかってしまうこともあります。
近年は、演出の一環として指輪交換をする神社が増えていますが、リングピローは、持ち込みアイテムの定番になっているとか。
神社によっては、リングピローを使わずに、指輪のケースで対応したり、指輪交換をするまでリングピローは、ご神事の棚に置いてあったりと様々な演出があるそうです。
もしリングピローなど持ち込みたいものがある場合は、持ち込みができるかどうか、可能な場合でも費用はかかるのか確認してみましょう。
なお、他の対応についても、挙式披露宴を取り仕切ってくれるプランナーや、提携の衣装ショップやカメラマンと打ち合わせをすれば大丈夫です。
ただ、神社によっては自分たちで準備しなければならないところもありますから、
どこまで対応してもらえるのか、事前にしっかり確認することをおすすめします。
まとめ
ここまで、神社での結婚式を考える際に、知っておくと役立つメリット・デメリット、費用やチェックしておくべきポイントをご紹介してきました。
まとめとして一緒に振り返ってみましょう。
【神社で結婚式を行うメリット】
⚫️厳かな雰囲気の中で日本の伝統文化を感じられる
⚫️両家の家族としての絆を感じられる
⚫️神社での結婚式だけであれば費用をおさえられる
⚫️人生の節目に何度も訪れることができる
⚫️新郎が活躍できる場がある
【神社で結婚式を行うデメリット】
⚫️天候に左右されてしまう
⚫️列席できるのは親族のみの場合もある
⚫️バリアフリーの設備が整っていないことがある
⚫️お支度や披露宴は別手配の場合がある
【神社での結婚式にかかる費用相場】
・挙式料(初穂料・玉串料):5~15万円
・衣装代:25万円
・ヘアメイク・着付け代:5~8万円
・撮影代:5万~10万円
・持ち込み料:5千円~5万円
【神社選びの5つのチェックポイントと注意点】
1.神前式で大丈夫かを確認しておく
2.参列者の制限と収容人数について
3.結婚式ではどんな儀式を執り行うのか?
4.披露宴や食事会をする場合について
5.対応してもらえる内容や持ち込みについて
今回の記事が、少しでも参考になれば幸いです。
おふたりにピッタリな場所で、ステキな結婚式を実現してくださいね!