三種の神器「草薙神剣」をまつる熱田神宮は織田信長のお墨付きのパワースポット

名古屋市の「熱田神宮」といえば、三種の神器のひとつ「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」がまつられ、伊勢神宮に次ぐ高い格式を誇る神社。

古くから「熱田さん」の名で親しまれ、年間700万人近い参拝客が訪れるとか。

織田信長をはじめとする、徳川家康などの武将が必勝祈願をしたと伝わるパワースポットです。

約19万平方メートルもの広さを誇る境内には、樹齢1000年を超える楠など多くの樹木が生い茂り、厳かな空気が漂います。

今回は、熱田神宮にまつわる伝説とともに、必見の見どころスポットや魅力をご紹介します。

 

【ご利益】家内安全・無病息災・縁結び・安産・交通安全・厄除・学業成就・商売繁盛などの総合運

ご祭神の「熱田大神あつたのおおかみ」は、「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」を御霊代みたましろとする「天照大神あまてらすおおみかみ」のこと。

皇室の祖神として信仰されてきた「天照大神」が宿った草薙神剣がまつられているため、強力なご利益があるとされてきました。

熱田神宮では、家内安全・無病息災といった慈しみの徳や、縁結び・安産・交通安全・厄除・学業成就・商売繁盛などの総合的なご利益を授かれるそうです。

また、「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」にゆかりのある相殿神あいどのかみは、厄除けや魔除けにもご利益があるとか。

さらに、熱田神宮で勝戦を祈り、見事に今川義元を討つことができた「織田信長」にちなんだご利益として、勝運・出世運が知られています。

 

 

【熱田神宮の見どころ】

約19万平方メートル(東京ドーム約4個分の広さ)もある広大な境内には、本宮をはじめ、別宮、摂社、末社など多くのやしろやご神木、様々なご利益が期待できる見どころが満載です。

「神話と歴史でたどる熱田神宮千九百年の歴史」などの掲示もあり、熱田神宮の歴史について触れることができますよ。

 

天下人が必勝祈願に参拝した「別宮八剣宮」

元明天皇の命により、神剣を新たに造って奉納するために創建されたという「別宮八剣宮はっけんぐう」は、本宮に次ぐ社格という位置づけにあります。

また、本宮と同じご祭神「熱田大神あつたのおおかみ」をまつり、社殿も本宮と同じ造りとなっていて、年中儀式も同様に行われています。

八剣は、八本の剣とみる説もありますが、この「八」は、弥栄いやさかの「弥」で、「いよいよ」という意味からきているとされ、国がますます栄える事を表しているそうです。

そして、熱田神宮に宝剣が奉安(尊いものをつつしんで安置すること)されていることが、古くから知られており、戦国武将からの崇敬も厚かったとか。

織田信長や徳川家康、徳川綱吉が社殿の修造を行ったという記録が残っているそうです。

 

熱田神宮で最も神聖とされる「一之御前神社」

本宮を正面に見て左の方へ行くと、「一之御前いちのみさき神社」に続く「こころの小径こみち」という参道の入口があります。(小径に入れるのは9:00~16:00)

この一角は静寂さが広がり、異空間のような雰囲気が漂っています。

どちらも、以前は参拝者が立ち入ることができませんでしたが、2012年(平成24年)から熱田神宮・祭祀1900年を記念し参拝できるようになりました。

ただ、今でも神聖な場所のため、写真撮影は禁止されていますので注意されてくださいね。

一之御前いちのみさき神社」には、「熱田大神」の荒魂あらみたまがおまつりされています。

荒魂とは、神様が持つ2つの側面のうちの1つで荒ぶる魂とされますが、活動的、勇猛的なご神威から、パワーが強く、願いが叶いやすいそうです。

 

美肌と目にご利益があるとされる「清水社」

水の神様「罔象女神みずはのめのかみ」がまつられている「清水社しみずしゃ」は、美肌にご利益があるとされ、特に女性にイチ押しのスポットとされています。

清水社の横の階段を下りていくと、石垣で囲まれた場所に「お清水さま」と呼ばれる水が湧いていて、その中央に突き出ている石碑は「楊貴妃」を供養する石塔の一部ともいわれています。

世界三大美人といわれる中国の楊貴妃ですが、実は、「熱田大神」が唐の「玄宗皇帝」が日本を侵略するという噂を聞いて、それを阻止するために楊貴妃に化身し、その心をたぶらかせ日本侵攻を思いとどまらせたという説も残っています。

そんな美しい楊貴妃にあやかり、「お清水さま」で肌を洗うと美肌効果が期待できるそうですよ。

他にも、平家の武将「平景清たいらのかげきよ」が目の病気になったとき、この湧水で目を洗って病が治ったという伝説から、目が良くなるご利益があるとか。

さらに、傍らにある柄杓を使って、石碑に3回水をかけて祈願すると願い事が叶うそうですから、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

熱田神宮 清水社

「清水社」引用元:辰巳の辻占

 

弘法大師が手植えしたご神木の楠

「清水社」のすぐそばにある大きなくすのきは、「熱田神宮の七本楠」の中で2番目に大きなもの。

境内の楠の中で唯一触れることができますので、直接太い根にタッチしてパワーをいただきましょう!

一番有名な楠は、手水舎の北にあって3番目に大きい「弘法大師」が手植えしたと伝わる「大楠おおくす」です。

木柵に囲われたこちらのご神木は、樹齢1000年以上、幹の周りは7.7mという巨木で、空洞になっている内部には蛇が住んでいるとか。

木の根元には毎日卵が供えられていて、卵を食べにでてきた蛇を見ることができれば金運UPのご利益があるそうですよ。

また、この楠の写真を携帯の待受けにすると運気がアップするとして人気があります。

ちなみに、境内で1番大きな楠は、一般参詣者が見ることの出来ない神宮会館内にあるそうです。

 

織田信長が戦勝のお礼に寄進した「信長塀」

1560年「織田信長」は、桶狭間の戦いに出陣の折、熱田神宮で戦勝祈願を行っています。

そして、見事大勝したお礼として信長が寄進したのが「信長塀」と呼ばれる築地塀ついじべいです。

「信長塀」は土と石灰を油で練り固め、瓦を挟んで積み重ね重厚に作られています。

当時は全長400メートルあったといわれますが、現在は120メートル程。

以前は国宝の海上門とつながっていましたが、海上門は戦争で焼失し、「信長塀」だけが残りました。

歴史を物語る「信長塀」は一見の価値があり、また、西宮神社の大練塀おおねりべい(兵庫)、三十三間堂の太閤塀たいこうべい(京都)と並ぶ日本三大土塀の一つとして有名です。

また、信長の武運にあやかり、勝負運を祈願しに訪れる人も多いパワースポットとなっています。

熱田神宮 信長塀

「信長塀」引用元:NANASE’S BLOG

 

宝物を収蔵する「宝物館」と剣の宝庫「草薙館」

宝物館では、皇室や全国の崇敬者からの奉納品、約6000点が収蔵展示されています。

なんと、そのうち約180点が国宝や重要文化財、愛知県文化財に指定されているとか。

そんな文化財の中から月替わりで展示が行われているそうです。

また、草薙神剣をおまつりすることから刀剣類の所蔵が多く、名刀の宝庫ともいわれています。

2021年には、刀剣専門の展示館「つるぎの宝庫 草薙館くさなぎかん」が開館しました。

現在約450口の刀剣を所蔵し、国宝や重要文化財に指定されている刀剣は20口もあるそうです。

こちらも毎月入れ替えて展示されます。

名刀を鑑賞する他にも、刀剣の鍛造たんぞう行程の映像コーナーや、総長3.4m、重量約10kgもの大太刀(複製)を実際に手で持てる体験コーナーがあるのも魅力です。

有料になりますが、貴重な品々を見て、より歴史への理解を深めてみてはいかがでしょうか。

 

【所在地・アクセス】

<所在地・電話番号>

〒456-8585愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1

<アクセス> 

■電車をご利用の方:

・名鉄名古屋本線「神宮前駅」西口より徒歩約3分
・地下鉄名城線「伝馬町駅」・「神宮西駅」より徒歩約7分
・JR「熱田駅」 より徒歩約8分

車をご利用の方:

・名古屋高速3号大高線呼続出口から国道1号を経由し、国道19号を金山駅方面へ2km

*無料駐車場:合計台数約400台

・東門駐車場:約300台
・西門駐車場:約40台
・南門駐車場:約60台

※基本的に午後5時に閉門
12/31夜~1/5は全ての駐車場が利用不可

 

【ご祭神】

<主祭神:熱田大神あつたのおおかみ

三種の神器の一つである「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」を御霊代みたましろとする「天照大神あまてらすおおみかみ」のこと。

三種の神器とは、皇位継承の際に歴代の天皇に伝わる秘宝ですが、つるぎ以外の鏡は「伊勢神宮」、勾玉まがたまは「皇居」にまつられています。

 

相殿神あいどのかみには以下の五柱の神々がまつられています。

 

<天照大神>

太陽神であり、皇室の祖神とされる大神様。

 

素盞嗚尊すさのおのみこと

「天照大神」の弟にあたる神様。

厄除け・病気平癒・縁結びの神様として知られています。

八岐大蛇やまたのおろちを退治して得た神剣「天叢雲剣あめのむらくものつるぎ」を天照大神に献上。

この剣が後の「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」とされます。

 

日本武尊やまとたけるのみこと

「天照大神」の子孫で、景行天皇の皇子。

九州から東国まで日本各地を平定した英雄神とされ、出世・開運の神様として知られています。

東征の際、「素盞嗚尊すさのおのみこと」が使用していた剣を使って、戦いの窮地を脱したと伝わります。

 

宮簀媛命みやずひめのみこと

尾張国造おわりのくにのみやつこ乎止與命おとよのみこと」の娘で、「日本武尊やまとたけるのみこと」のお妃

 

建稲種命たけいなだねのみこと

宮簀媛命みやずひめのみこと」の兄で、尾張地方繁栄の礎を築いた神

日本武尊やまとたけるのみこと」の東征に副官として従ったと伝わります。

 

【ご由緒】

今から約1900年前、「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」がまつられたことを起源とする熱田神宮。

そもそも「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」というのはどのようなものでしょうか。

草薙神剣くさなぎのみつるぎ」はもともと「素盞嗚尊すさのおのみこと」が、出雲で八岐大蛇やまたのおろちを退治したときに出現した天叢雲剣あめのむらくものつるぎといわれています。

「天照大神」に献上されたそうですが、、のちの第12代景行天皇の御代、「日本武尊やまとたけるのみこと」が、「倭姫命やまとひめのみこと」からその神剣を譲りうけました。

東国の平定に向かう際、焼かれた草に囲まれこの神剣でなぎ倒して勝利したことから、「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」と名前が変わったとか。

その後、「日本武尊やまとたけるのみこと」が亡くなったあと、「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」を預かっていたお妃の「宮簀媛命みやずひめのみこと」が、遺志を重んじて熱田の地におまつりしたそうです。

「薙なぎ」は「薙ぎ払う」を意味し、神剣の気により境内の邪気が払われていると言われています。

 

 

【社務所受付時間】

・電話受付時間: 8:30~16:00
・TEL:052-671-4151

<公式サイト>

https://www.atsutajingu.or.jp/jingu/

*記事に掲載した内容は公開日時点の情報となります。
変更される場合がありますので、公式ホームページで最新の情報をご確認の上、ご参拝されることをおすすめします。

 

【御朱印】

・授与所にて:午前7頃〜日没頃まで
・御朱印代:お気持ち

*「熱田神宮」「別宮八剣宮」「上知我麻神社」の3種類あり

 

【主な祭礼】例祭(熱田まつり)

熱田神宮で重要かつ荘厳なお祭りは、「熱田まつり」の名で呼ばれる6月5日の例祭です。

この祭りには天皇陛下のお使いとして勅使ちょくしが参向(出向くこと)し、宮司が神をたたえる祝詞のりとをささげます。

皇室の繁栄や国の安泰・平和を祈る神聖な行事ですが、境内では普段は見られない武道や芸能が奉納され、約25万人もの来場者でにぎわうそうとか。

また、多くの露店があり、半球形の屋根に377個の提灯がつるされているお神輿
の「献灯まきわら」や、花火大会などが楽しめます。

お祭りの一番の見どころは約1000発の花火が夜空に打ち上げられる花火大会。

夏の訪れを告げる祭りとして、市民に広く親しまれているそうですよ。

 

まとめ

熱田神宮は、約1900年前、三種の神器の一つ「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」をまつったことを起源とし、伊勢神宮に次ぐ大宮として知られています。

また、「天照大神あまてらすおおみかみ」が宿った「草薙神剣くさなぎのみつるぎ」がまつられているため、強力なご利益があるとされてきました。

家内安全・無病息災といった慈しみの徳や、縁結び・安産・交通安全・厄除・学業成就・商売繁盛などの総合的なご利益を授かれるとか。

約19万平方メートルもある敷地の中には、本宮をはじめ、天下人が必勝祈願に参拝した「別宮八剣宮」や美肌と目にご利益があるとされる「清水社」、弘法大師が手植えしたご神木の楠など、見どころが満載です。

多くの武将も祈願に訪れていた「熱田神宮」のパワーにぜひあやかりに行きましょう!

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