内宮 鳥居 宇治橋© 仰木一弘
とても有名な「伊勢神宮」ですが、総称であることはご存知でしょうか。
内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)の他に、実は別宮、摂社、末社、所管社が三重県伊勢市とその周辺に鎮座し、すべてで125社からなる神社なのです。
正式名称を「神宮」といい、日本における神社の最高峰ともいわれています。
今でも、毎年多くの参拝者が訪れる「伊勢神宮」は、江戸の昔から「一生に一度はお伊勢参り」といわれるほどの憧れの地でした。
また、皇室の御祖先であり、日本人の総氏神といわれる「天照大御神」がまつられていることから、「日本人の心のふるさと」とも。
ちなみに、昔から「伊勢神宮」にはおみくじがないそうですが、なぜでしょうか。
それは、憧れのお伊勢参り自体が吉日であり、おみくじも引く必要がなかったと考えられているようです。
【伊勢神宮のご利益とは?】
古くからお伊勢参りは別名「おかげ参り」ともいい、まつられている神々へ日々の感謝を伝えるもの。
由緒正しきお伊勢参りには、参拝の仕方にいくつか気をつけたいことがあります。
できれば、失礼のないようにきちんと神様にご挨拶して、ご加護をさずかりましょう。
「天照大御神」をまつる「内宮」、「豊受大御神」をまつる「外宮」と2つのお宮に分かれています。
その中で、それぞれの神が鎮座する社殿が「御正宮」。
それに次ぐ格式の高いお宮が「別宮」と呼ばれます。
「内宮」と「外宮」のどちらかだけを参拝する「片参り」は、縁起が悪いとされ、外宮から内宮、そして、「御正宮」から「別宮」の順に参拝するのが古くからの習わしです。
なお、服装は特別参拝でない限り正装である必要はないようですが、神様に失礼のない服装が望ましいとされます。
さて、実は「伊勢神宮」には他の神社と大きく違うところがあります。
それは、「御正宮」には賽銭箱がないことです。
古来からの「私幣禁断」という制度によるもの。
もともと、天皇以外からのお供え物や願い事は禁止とされてきました。
そのため、「御正宮」は個人的な願い事をするのではなく、日頃のご加護に対して神様に感謝する場所といわれています。
「2拝・2拍手・1拝」にて神様に礼をつくし、日々の暮らしへの感謝の心、おかげさまの心ををささげましょう。
なお、「御正宮」の周りには幾重もの垣がめぐらされ、撮影禁止となっていますのでご注意くださいね。
もしかすると、個人的なお願いはできないの?と思われたかもしれませんが、唯一許されている場所があります。
それは、「外宮」・「内宮」とも、それぞれの「第一の別宮」となります。
ちなみに、正式な参拝方法として、「伊勢神宮」にお参りする前には「二見興玉神社」で祓い清めるのが習わしだったとされています。
お時間がゆるせば、ぜひ禊を行ってから訪れたいものですね。
それでは、「外宮」からみていきましょう。
外宮(豊受大神宮)
神宮の祭事が「外宮」から先に執り行われる「外宮先祭」にならい、外宮から内宮の順にお参りするのが習わしとなっています。
表参道の火除橋を渡り神域に入っていきます。
「外宮」は左側通行ですが、それは橋を渡った先の手水舎の位置に関係するそうです。
<御正宮>
御本殿(御正殿)がある板垣に囲まれた外宮境内で最も尊い場所。
まつられているのは「豊受大御神」。
「豊受大御神」は、私たちの日常生活に欠かせない、衣食住や産業などの豊かさを司っている神様として信仰されています。
<石にまつわる有名なスポット>
「三ツ石(正式名称「河原祓所」)」は、式年遷宮という、20年ごとに「外宮」・「内宮」と主な14の「別宮」が新しく建て替えられる際に、お祓い(神事)を行う場所です。
神聖な3つの丸い石が組まれている周りには、しめ縄で結界(聖域と不浄域を分ける境目)が張られています。
最近、少しでもご利益にあずかりたいと、手をかざす行為が増えているそうですが、不適切な行為として禁じられていますので、気をつけたいものですね。
そして、三ツ石のすぐ近くにあるのが「亀石」。
三ツ石から「別宮」に向かう途中の水路にかかっている石橋のことです。
大きな一枚岩の石橋の形が、頭を突き出した亀のように見えることから亀石と呼ばれています。
そのまま渡ると気がつかないかもしれませんので、横側からご覧になってくださいね。
なんとこの石は、西暦501年から600年頃のものと推定される「高倉山古墳」の入口にあったものだとされています。
橋を渡るだけでなく、触れて太古からのパワーを感じてみてはいかがでしょうか。
「御正宮」をお参りしたあとは、「別宮」のそれぞれの神様にもぜひ参拝しましょう。
<外宮で最も位の高い別宮「多賀宮」>
98段の石段を登った高台に鎮座されていることから、「高宮」と呼ばれていましたが、「高」を縁起のよい「多賀」に変え「多賀宮」と呼ばれることになったとか。
第一の別宮「多賀宮」には、「豊受大御神」の荒御魂がまつられています。
神様にも穏やかで平和的な面の和御魂と、荒ぶる活動的な面、顕著なご神威をあらわされる荒御魂の2つの側面があるとされます。
そんなパワーのある荒御魂をまつることから、願い事が叶いやすいといわれています。
また、個人的なお願いをする時には、ただお願いするのではなく自ら努力をする決意をお伝えすると、よりご加護がいただけるそうです。
<土地を守る「土宮」>
ご祭神に「大土乃御祖神」をまつり、古くから山田原の土地の神様として崇拝されてきました。
元は末社でしたが、氾濫をくり返していた宮川の治水工事にあたり、堤防の守護神として「別宮」に昇格したとされます。
他の「別宮」が全て南向きであるのに対して、「土宮」だけが東向きに建てられていることが特徴です。
<神風を吹かせて日本をお守りになった神をまつる「風宮」>
雨風を司る神「級長津彦命」「級長戸辺命」をまつります。
農作物に大きな影響を与える風雨をもたらす神として、祈りを捧げられてきました。
また、鎌倉時代に蒙古襲来(元寇)を神風を吹かせて日本をお守りになった神として知られています。
そんな「風宮」の石垣に、自然にできたハート型の石が注目されているそうです。
<「天照大御神」の弟神をまつる「月夜見宮」>
「月夜見尊」と「月夜見尊荒御魂」が一つの社殿に合わせてまつられています。
「月夜見宮」は、外宮では唯一の宮域外にあり、北御門(裏参道入口)から続く神路通りの先、300m程の所に鎮座しています。
神路通りを歩いてみると、通りの中央だけ舗装の色が異なっていることに気づかれると思います。
これは、ご祭神の「月夜見尊」が「豊受大御神」のもとへ通われた道と伝えられ、神様の通る道であることから「中央は通ってはいけない」という習わしに由来するそうです。
また、「月夜見尊」は内宮のご祭神である「天照大御神」の弟神。
「天照大御神」は太陽、「月夜見尊」は月にたとえられることからも、ご縁の深い神社です。
境内は、樹齢数百年のご神木の楠を始め、たくさんの木々に囲まれた神域となっています。
それでは、外宮に続いていよいよ「内宮」へと参りましょう。
内宮(皇大神宮)
五十鈴川に架かる宇治橋が内宮の入口、参道は外宮とは逆の右側通行とされています。
こちらの橋は、撮影スポットとして季節ごとの景色を楽しめることでも有名です。
また、11月下旬から1月下旬にかけて、宇治橋の鳥居の間から美しい日の出を見ることができ、さらに冬至の頃は鳥居の正面から太陽が昇ります。
この位置関係は計算されたものではなく偶然なのか?伊勢神宮の神秘として知られているそうです。
<古くからの禊の場「五十鈴川御手洗場」>
一の鳥居をくぐると、右手に五十鈴川御手洗場が見えてきます。
古くから参拝者がお清めしていた禊の場。
御手洗場の流れは清らかさの象徴とされ、「徳川綱吉」の生母、桂昌院が寄進したと伝わる石畳が敷き詰められています。
そして、石段が階段のように組まれ、川辺で手水舎と同じようにお清めができます。
手水舎が作られる前は、五十鈴川で身を清めるのが古くからの習わしだったことから、今でも多くの方がこちらに立ち寄ります。
<とりつぎさんと呼ばれる「滝祭神」>
五十鈴川を守る水の神をまつる「滝祭神」。
所管社(摂社と末社以外に正宮や別宮にゆかりのあるお社)ですが、別宮と同等の祭祀が行われるほど重要な社です。
内宮の神域に入ったら一番最初に参拝しておきたい神様とされ、別名「おとりつぎさん」と呼ばれています。
玉垣の内側に、ただご神体である小ぶりな石がまつられ、社殿を持たないため気づかずに通り過ぎる方も多いとか。
「御正宮」へお参りする前に「滝祭神」を参拝すると、「天照大御神」に訪れたことを取り次いでくれるそうですから、見逃さないでいただきたい場所ですね。
こちらでは、名前と住所、そして「参拝に参りました」とお伝えすると良いそうです。
<御正宮>
参道をまっすぐ進み、30余段の石段を上がると「御正宮」。
内宮のご祭神である「天照大御神」をまつります。
そして、皇位のしるしとして受け継がれてきた三種の神器のひとつ、八咫鏡がご神体とされています。
「外宮」と同じく御幌という純白の垂れ幕のご神前で、日々の感謝を伝えましょう。
では、次に「別宮」へ。
「内宮」には、離れた所に鎮座する宮を合わせると10社の「別宮」があります。
1日でお参りするのは難しいと思いますが、事前に「伊勢神宮」をより知っていただくためにご紹介させていただきます。
<内宮で最も位の高い別宮「荒祭宮」>
最も格式が高い第一の別宮「荒祭宮」には、「天照大御神」の荒御魂がまつられています。
荒御魂は、行動的・活動的な神様の一面であり、強いパワーをお持ちです。
そのため、個人的なお願いができる場所とされていますが、外宮の「多賀宮」と同じように、努力する決意を表明することで、神様が後押ししてくれるとされています。
<神風を吹かせて日本をお守りになった神をまつる「風日祈宮」>
ご祭神には、「外宮」別宮の「風宮」のご祭神と同じ、雨風を司る神「級長津彦命」・「級長戸辺命」がまつられています。
雨風の災害を避け、五穀豊穣を願うためにまつられている神様です。
2度にわたる蒙古襲来(元寇)の際、神風を吹かせて、敵軍を壊滅させた功績により、「風日祈宮」は外宮の「風宮」と共に別宮に加わったそうです。
<4つの社殿が横一列に並ぶ「月読宮」>
外宮の別宮「月夜見宮」と同じご祭神の「月読尊」と「月読尊荒御魂」が、別々の社殿にまつられています。
さらに、親神である「伊弉諾尊」と「伊奘冉尊」もまつられ、敷地には、4社の「別宮」が横に並んで鎮座しています。
・月読宮
・月読荒御魂宮
・伊佐奈岐宮
・伊佐奈弥宮
日本神話の中で「伊弉諾尊」が禊祓いをした時に誕生したとされる「月読尊」をまつることから、浄化のパワーが非常に強いとされています。
また、夫婦神がまつられているため、夫婦円満や良縁、縁結びのご利益があるともいわれているそうです。
なお、「月読宮」は内宮「御正宮」から徒歩約30分かかります。
バスを使う場合は、「内宮前バス停」から、外宮と内宮間を運行するバス「51系統外宮行き」または、「CANバス・外宮行き」に乗車し、「中村町バス停」にて下車、徒歩約5分です。
<皇大神宮を創建した「倭姫命」をまつる「倭姫宮」>
1923年(大正12年)に創建された、最も新しい内宮の「別宮」。
数ある別宮の中で、「倭姫宮」だけが創建が明確ということです。
第11代「垂仁天皇」の皇女と伝えられる「倭姫命」をご祭神としています。
「倭姫命」は、各地を巡った末に、現在の地に「皇大神宮」を創建し、「天照大御神」をまつられた神とされ、その功績を称え「倭姫宮」が創建されたと伝わります。
「内宮」と「外宮」を結ぶ御幸道路の中ほどに位置しており、周辺には神宮関係の資料館や美術館など施設が豊富。
一帯が文化的な観光地となっていることから、多くの参拝者が訪れています。
〈所在地〉〒516-0014 伊勢市楠部町5
〈TEL〉0596-24-1111(神宮司庁)
〈アクセス〉
・近鉄・JRをご利用の方:近鉄五十鈴川駅より徒歩約7分
・バスをご利用の方:内宮前バス停・JR伊勢市駅・近鉄伊勢市駅・近鉄宇治山田駅・近鉄五十鈴川駅から、三重交通外宮内宮循環バス(51系統)にて「徴古館(ちょうこかん)前」バス停下車、徒歩約3分
または、CANバス「鳥羽・二見行き」にて「神宮徴古館」下車すぐ
・車をご利用の方:伊勢自動車道「伊勢IC」から約5分
<御神田を持つ唯一の別宮「伊雑宮」>
「伊雑宮」は、 伊勢市ではなく、遠く離れた志摩市 に建立されています。
ご祭神は、「天照大御神御魂」。
古くから「遙宮」(神宮から遠く離れた「別宮」)、また志摩国一之宮として信仰を集め、海の幸、山の幸の豊饒が祈られてきました。
他の別宮と違いは、唯一「御神田」があるということ。
御神田は、神社の領田のことですが、神宮で用いられる米はすべてここで作られています。
毎年6月24日には、日本三大御田植祭のひとつの「伊雑宮御田植祭」が行われます。
重要無形民俗文化財に指定されているお祭りには、全国各地から多くの崇敬者が訪れ賑わいをみせるそうです。
〈所在地〉〒517-0208 三重県志摩市磯部町上之郷374
〈TEL〉0599-55-0038
〈アクセス〉
・電車をご利用の方:近鉄 「上之郷駅」下車にて徒歩約 5分
・バスをご利用の方:三重交通 「川辺」 下車にて徒歩 約10分
・車をご利用の方:伊勢自動車道「伊勢西IC」より国道167号にて約40分
<中央構造線上の聖地とされる「 瀧原宮」「瀧原竝宮」>
「内宮」から車で1時間ほど離れた山の中に鎮座し、古くから「遙宮」として信仰されてきた「瀧原宮」と「瀧原竝宮」。
2社はともに、「天照大御神御魂」をおまつりしています。
ところで、「ゼロ磁場」という言葉はご存知でしょうか?
地球上ではS極とN極の巨大な磁石の力が働いています。
その磁力が押し合っていて、お互いの力を打ち消し合っている地点が「ゼロ磁場」といわれているそうです。
ゼロというのは、何もないということではなく、大きなエネルギーがせめぎ合い、2つの力が拮抗している状態のこと。
ここに生じる強大な力が、活断層でみられるといいます。
まさに「瀧原宮」と「瀧原竝宮」は、日本最大の断層「中央構造線」の上に立っていることから、強力な気を発しているとして注目されているそうです。
〈所在地〉〒519-2703 三重県度会郡大紀町滝原872
〈TEL〉0598-86-2018
〈アクセス〉
・電車をご利用の方:JR紀勢本線「滝原駅」より徒歩約20分
・バスをご利用の方:三重交通南紀特急バス停「瀧原宮前」下車すぐ
・車をご利用の方:紀勢自動車道「大宮大台IC」より国道42号を尾鷲方面へ約10分
最後に、「内宮」の境内のなかで注目していただきたい「所管社」も紹介していきます。
<「子安神社」は鳥居を奉納して安産祈願>
ご祭神は、「桜の花が咲くように美しい女性」とされる「木華開耶姫命」です。
「瓊瓊杵尊」の妻で、猛火の中で3柱の子を無事出産したという神話から、「子授け(子宝成就)」「安産」「厄除け」に、ご利益があるとされています。
子安神社の周りを見ると、重なるように置かれている小さな鳥居に気づかれると思います。
実は、これらの鳥居は安産を願う人たちが奉納したもの。
「参集殿」の一角の売店で奉納用の鳥居が販売されていますので、名前や願い事を書いて奉納するとさらに良いそうです。
<四方の境界の守護神「四至神」>
社殿や御垣はなく、石段の上に、邪悪なものから神宮を四方から守ってくれているといわれている守護神「四至神」がまつられています。
古くは、宮域に多くの石段があったようですが、のちに石段の整理が行われ、現在は「内宮」、「外宮」それぞれ一箇所の場所にまつられるようになりました。
石段の周りには、しめ縄により結界が張られ、小さいながらも社の一つとして数えられています。
また、その狭い敷地の中にパワーが凝縮されているそうです。
こちらも神様をおまつりする場所に手をかざすのは失礼にあたるため、「二拝、二拍手、一拝」の作法でお参りするのが正式とされています。
【所在地・アクセス】内宮と外宮の距離は約5キロ
公共交通機関が整備されていますので、簡単にアクセスできます。
ただし、伊勢志摩、紀伊半島方面など周辺も訪れる場合は、車での移動が便利ですのでレンタカーのご利用をおすすめします。
〈所在地・電話番号〉
外宮(豊受大神宮)
〒516-0042 三重県伊勢市豊川町279
TEL:0596-24-1111(神宮司庁)
内宮(皇大神宮)
〒516-0023 三重県伊勢市宇治館町1
TEL:0596-24-1111
〈アクセス〉
■「外宮」
◇電車をご利用の方:
最寄り駅:JR参宮線・近鉄「伊勢市駅」から徒歩約7分
◇車をご利用の方:
最寄りの高速道路IC:伊勢自動車道「伊勢西IC」から県道32号線を直進し約5分
*無料駐車場 2時間限定無料(約320台収容)
第1〜3駐車場の無料駐車場があります。
また、繁忙日のみ北御門広場臨時駐車場(120台)が開放されます。
*リアルタイムの空き情報
らくらく伊勢もうで 「外宮エリア 駐車場情報」
■「外宮」から「内宮」へのアクセス
「外宮」から「内宮」までは徒歩で50分から1時間ほどかかりますので、ほとんどの方がバスや車での移動になると思います。
◇バスをご利用の方:
混み具合にのよりますが、バスのりば(2番のりば)から「内宮前バス停」約20分乗車し「内宮前」下車にて徒歩約10分。
三重交通バス「51系統」「55系統」、CANバス、神都バス、電気バスの5種類のバスが利用できます。
◇車をご利用の方:
県道32号線で約15分。
ちなみに、タクシー乗り場は、外宮前観光案内所の隣にあります。
また、伊勢市観光協会ではレンタルサイクル(有料)を「外宮前案内所」「伊勢市駅手荷物預かり所」「宇治山田駅観光案内所」「伊勢夫婦岩めおと横丁」で貸し出していますので、目的に合わせて、利用するのもいいですね。
■「内宮」
◇電車をご利用の方:
最寄り駅:近鉄「宇治山田駅」下車
三重交通バス「伊勢神宮内宮前行き」に乗車、内宮までの所要時間は約20分
「内宮前」下車にて徒歩約10分
◇車をご利用の方:
最寄りの高速道路IC:伊勢自動車道「伊勢西IC」から県道32号線に進み「宇治浦田町交差点」を右折、約7分
*無料駐車場:約1800台収容
A1〜A4 (A3はバス専用駐車場)・B1~B6
・最初の1時間まで無料
・1時間~2時間まで500円/2時間以降 30分毎に100円加算
・夜間(午後5時~翌7時に入庫した場合は400円引き
*リアルタイムの空き情報
らくらく伊勢もうで 「内宮エリア 駐車場情報」
【ご祭神】外宮
〈豊受大御神〉
食物や穀物を司る女神。
また、衣食住をはじめ、産業を司る守護神とされています。
今から約1500年前、「天照大御神」のお告げによって、「天照大御神」の食事を司る神様として丹波国から迎え入れられたと伝わります。
食べ物を司る神ということで、稲荷神「倉稲魂命」と習合し、同一視されるようになったそうです。
【ご祭神】内宮
〈天照大御神〉
「伊弉諾尊」が禊を行ったとき、左目から生まれたとされる女神。
万物を育む太陽神にたとえられ、最高神ともされています。
また、皇室の祖先神であり、日本国民の総氏神。
そのため、数々のご利益があるとされていますが、主なご利益は国土安泰・五穀豊穣・子孫繁栄など国に平和と豊かさを与えてくれると考えられています。
【ご由緒】
今から約2000年前、「天照大御神」は奈良の都、皇居内でおまつりされていましたが、第10代「崇神天皇」の時代に皇居の外でまつられることになりました。
それは、疫病が流行って多くの人々が亡くなったことから疫病を鎮めるためと伝わります。
その後、第11代「垂仁天皇」の時代には、皇女の「倭姫命」が、さらに理想的な鎮座地を求め、諸国を巡りました。
伊勢の国へ辿り着き、五十鈴川に宮を建ててまつったのが、現在の「内宮(皇大神宮)」の始まりとされています。
一方、「外宮(豊受大神宮)」の始まりは、「天照大御神」が内宮にまつられてから約 500年ほどあと、第21代「雄略天皇」の時代になります。
天皇の夢に現れた「天照大御神」のご神託により、「豊受大御神」がお食事を司る御饌都神として迎えられ、「外宮(豊受大神宮)」が建てられたのです。
「外宮」が鎮座されて以来、御饌殿では、朝と夕の2度、「天照大御神」に御飯、御水、御塩などを供える日別朝夕大御饌祭が約1500年間続けられています。
また、「内宮」・「外宮」と、両宮と関わりの深い14の「別宮」では20年に1度社殿を建て替え、ご神体を遷す式年遷宮が1300年にわたり行われてきました。
【御朱印】
・御朱印代:¥300
・受付時間:午前6時から参拝停止時間までとなり、季節によって異なります。
『参拝時間』
10月・11月・12月:午前5時〜午後5時
1月・2月・3月・4月・9月:午前5時〜午後6時
5月・6月・7月・8月:午前5時〜午後7時
御朱印は、「外宮」「内宮」は神楽殿の授与所にて、また、「別宮」は、月夜見宮、月読宮、瀧原宮、倭姫宮、伊雑宮のみでいただくことができます。
※神宮行事の際は、御朱印がいただけない場合がありますので、その予定の日に行かれる際は、直接問い合わせてご確認していただくと確実です。
【主な祭礼】
<神嘗祭>
10月15日~17日
神嘗祭は、その年に収穫された初穂を、最初に「天照大御神」に捧げ、その恵みに感謝する一年間で最も重要なお祭りです。
天皇陛下が、皇居で初穂を捧げられ「伊勢神宮」をご遙拝(遠く離れた所からはるかに拝むこと)になられます。
昔、伊勢の人々は、神嘗祭が終わるまでは新米は口にしなかったといわれ、今でも厳粛な方達は、その習わしを守り続けているそうです。
最初に、「外宮」で(15日から16日にかけて)、新米を初めとするお食事を奉納する由貴大御饌、天皇陛下の遣いである勅使が五色の絹の反物をお供えする奉幣、御神楽の儀式が行なわれます。
そして、16日から17日にかけて同様の儀式が「内宮」で行われますが、参拝時間内に行われる奉幣という儀式のみ、一般の方も参道などから見学できるそうです。
<新嘗祭>
11月23日
新嘗祭もその年に収穫された新穀を神様に奉納し、その恵みに感謝する祭典です。
ただし、神嘗祭が新穀を「天照大御神」にお供えする儀式であるのに対し、新嘗祭は、宮中で天皇陛下が新穀を神々に供えると共に、天皇陛下自らもお召し上がりになることに違いがあります。
さらに、天皇の即位後初めて行なう新嘗祭を「大嘗祭」といいますが、令和元年2019年は、神宮でも「大嘗祭当日祭」が行われました。
まとめ
毎年全国から多くの参拝者が訪れる「伊勢神宮」。
正式名称は「神宮」であり、「外宮」・「内宮」の他、全125社の総称ということはあまり知られていないかもしれません。
神宮は、数ある神社の中でも別格とされ、皇室の御先祖であり、日本人の総氏神「天照大御神」をおまつりしています。
本来は、天皇陛下が国家安泰や五穀豊穣を祈る場所、私的なお供えは禁止されてきたため、今でも個人的なお願い事は、第一の別宮のみ許されているようです。
神様に礼をつくし、日々の暮らしへの感謝の心を捧げましょう。
また、自分も努力する決意をお伝えすると、よりご加護をさずかれるそうです。
もしかすると、お参りできる、そのことがご利益かもしれないですね。
心を込めて、よりよいお伊勢参りをしたいものです。