「厳島神社」といえば、海面に建つ朱色の鳥居が印象的ですよね。
「厳島神社」は、日本でも3本の指に入るほどの知名度のある神社であり、広島県の安芸国の一之宮として、世界文化遺産に登録されています。
また、鎮座地の「安芸の宮島」は日本三景のひとつとして有名であり、厳島の由来でもある「神に斎く(仕える)島」の意味から、古来より、島そのものが神であるとして崇められてきました。
海上交通の神様である「宗像三女神」をまつり、交通安全のご利益のほか、縁結び、必勝祈願・心願成就などのご利益が授かれるそうです。
美しい朱色の回廊をはじめ、文化遺産の数々と心が洗われるほどの景観は、日本人のみならず、世界中の人々を虜にしています。
【ご利益】日本有数のパワースポット!交通安全や縁結びのご利益が有名
「厳島神社」のご祭神である「宗像三女神」は海上交通の神とされ、瀬戸内海航路の守護神。 ご利益として「交通安全」や「水難除け」があります。 特に「宗像三女神」のひとりである「市寸島比売命」は、弁財天と同一視されていることから勝負運・金運・芸事などのご利益が期待できるそうです。 さらに、「田心姫命」は、縁結びの神様で有名な「大国主命」と結婚したという説があり、「大国主命」は、御本社の近くの「大国神社」にまつられています。 そのため、縁結びのご利益があることでも有名です。 また、数多くの有名な武将も「厳島神社」を深く崇敬し、そのご加護から平家一門が繁栄したり、「毛利元就」が厳島の戦いに勝利しました。 「豊臣秀吉」が、天下統一の目前に「厳島神社」を参拝して見事、天下人となったと伝えられることから、「必勝祈願」「心願成就」のご利益があるとされます。
重要文化財の木造の鳥居としては日本一の「大鳥居」
「厳島神社」といえば、海の上にそびえる鳥居を思い浮かべるのではないでしょうか。 高さ16.8メートルの朱塗の鳥居は、主柱に樹齢500~600年のクスノキを使っており、国の重要文化財の木造の鳥居としては日本一の大きさ。 本柱に計4本の控え柱を持つ「両部大鳥居(四脚鳥居)」で、現在の大鳥居は、平安時代から8代目にあたるそうです。 神秘的な日本の風景として、世界的にも有名ですが、1875年の建立から140年以上が経過し、損傷や老朽化が進んでいるため、令和元年から大規模な保存修理工事が行われています。
長さ270メートルの「廻廊」
鮮やかな朱色の柱が印象的な「厳島神社」のシンボルとも言える「廻廊(屈折して造営された廊下)」。 境内の東西をつなぐ幅4メートル、長さ275メートルを誇る壮大なスケールの廻廊は国宝に指定されています。 満潮時には水に浮かんでいるように見える「廻廊」ですが、床板には「目透し」とよばれる隙間があり、満潮時に、床下から上がってくる海水の圧力を弱める構造となっていて、建物が水につからないように工夫されているそうです。 このため、「厳島神社」を訪れる際は、細いヒールなどを履いていると、隙間に挟まってしまうので、歩きやすい靴で参拝するのをおすすめいたします。
コンサートなどにも使用された国宝の「平舞台」と「高舞台」
ご本社祓殿前にある周囲の平舞台から一段高くなった場所が、国宝の高舞台です。 神様に奉納される舞楽が舞われる場所で、黒漆塗りの基壇に朱塗りの高欄(手すり)をめぐらし前後に階段をつけた舞台になっています。 「厳島神社」の高舞台、「住吉大社(大阪)」の石舞台、「四天王寺(大阪)」の石舞台が日本三舞台とされています。 その中でも、「厳島神社」の平舞台と高舞台は、海の上に造営されている舞台として唯一無二の舞台。 今では、コンサートなどにも使われているそうです。
弥山の不思議とされる「消えずの火」
「厳島神社」の背後には、弥山と呼ばれる山があり、弘法大師のゆかりの地として知られているそうです。 ロープウェーで宮島の弥山に登ると、その頂上付近の「霊火堂」に弘法大師が修行した際に焚いた火が1200年以上も燃え続けている「消えずの火」があります。 この火で沸かした霊水を飲むと万病に効果があるとか。 また、「恋人の聖地」に認定され、消えない永遠の愛を誓う恋愛・縁結びのパワースポットとして有名です。 さらに、瀬戸内海を望む絶景スポットとうこともあり、たくさんのカップルが訪れているそうです。
【所在地・アクセス】日本三景の一つ安芸の宮島に鎮座
「厳島神社」が鎮座する広島県の宮島は、宮城県の松島、京都府の天橋立とともに日本三景の一つとされています。
【御祭神・ご由緒】
【ご祭神】
<宗像三女神> ・田心姫命 ・湍津姫命 ・市杵島姫命 宗像三女神とは、上記の三柱の神様たちの総称です。 「天照大御神」と「素戔嗚尊」が誓約(占い)の際、天照大御神が素戔嗚尊の剣をかじり息を吹きかけ生まれた神様とされています。 特に有名なのは、三女の「市杵島姫命」。 神仏習合の時代より、七福神の弁財天と同一視されているそうです。
【ご由緒】
推古天皇元年(593年)宮島を治める「佐伯鞍職」による創建と伝わります。 「平清盛」が安芸守に任官され、「厳島神社」を平家の守護神として崇敬し、社殿を現在の姿に造営しました。 その後、平家一門のみならず、都から後白河上皇、中宮徳子、高倉上皇を始めとする多くの皇族や貴族が参詣され、都の文化や建築が宮島にもたらされたそうです。 伝承されている舞楽は、清盛公によって大阪の四天王寺から移されたものと伝わります。 鎌倉時代以降、政情に左右され廃れた時期もありましたが、室町時代の1555年、強く信仰していた「毛利元就」が厳島の戦いで勝利し、毛利家の庇護のもと再興されたそうです。 現在は、全国各地に500程ある厳島神社の総本社となり、平成8年(1996年)にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。
【社務所受付時間】
午前9:00〜午後4:00 ■拝観時間 ・1/1:0:00〜18:30 ・1/2〜1/3:6:30〜18:30 ・1/4〜2/末:6:30〜17:30 ・3/1〜10/14:6:30〜18:00 ・10/15〜11/30:6:30〜17:30 ・12/1〜12/31:6:30〜17:00 *新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。
【御朱印】
・授与所にて:午前8:00頃〜拝観時間終了まで(季節によって異なります) ・御朱印代:¥300 ・オリジナル御朱印帳:¥1,000(御朱印代は別途)
【主な祭礼】
厳島管絃祭
旧暦6月17日 この祭りは、平安時代に貴族が行っていた「管絃の遊び」という、池や川に船を浮かべて遊んでいたことに由来するそうです。 「厳島神社」を造営した平清盛が神様をお慰めする神事として執り行うようになったのが始まりとされています。 管絃祭は日本三大船神事のひとつとされています。
厳島玉取祭
8月20日(もと旧暦7月18日) 戦国時代から伝わった行事とされており、海の中でふんどし姿の男達が宝珠を奪いあうお祭りです。 神事が終わったあと、本殿前の海の中に組まれたやぐらに宝珠をぶら下げ、それに男達が飛びついて海の中に落とします。 海中に落ちた宝珠を争奪し、最後に注進所と呼ばれるゴールに持ち込んだものに、将来幸運が約束されるといわれているとか。 水しぶきを上げ、海の中で激しい争奪戦が行われる様子は観客を沸かせます。
まとめ
日本三景の宮島に鎮座する、日本でも三本の指にはいるほど有名な「厳島神社」。 海の上に建つ、その大胆で独創的な構造や、朱色の本殿や大鳥居と自然が融合した神秘的な景観は、世界中の人々を魅了しています。 また、海の守護神「宗像三女神」をまつり、交通安全・水難除け・縁結び・必勝祈願など多くののご利益が授かれるとして有名。 日本有数のパワースポットとされ、世界文化遺産にも登録された「厳島神社」には、一生に一度は足を運んでみたいものですね。