【青森県】津軽国(つがるのくに)一の宮  岩木山(いわきやま)神社岩木山神社、鳥居 ©仰木一弘 wih LeicaQ

 

青森県弘前ひろさき岩木山いわきさんのふもとに鎮座する岩木山いわきやま神社」

鳥居に立つと、一直線に石畳の参道が伸び、荘厳な楼門ろうもんの上からは津軽富士と呼ばれるほどの美しい岩木山山頂が姿を現します。

岩木山は風水学上、水の気が強い山とされ、ご祭神に開運招福の神様五柱をまつることからも、津軽地方最強のパワースポットとされています。

また、「お岩木さま」「お山」と親しまれ、社殿の外観が日光の東照宮を思わせるとして「奥日光」とも呼ばれている観光名所です。

 

【ご利益】開運招福の五神より多くのご利益をさずけていただける神社

水の気のエネルギーが高く、開運招福の五神をまつることから多くのご利益をさずけていただけるとされます。

鳥居から楼門ろうもん、拝殿と続く一本道の参道。

奥に岩木山がみえるこの道は、岩木山のエネルギーを真っ正面から受けることができるパワーの源の道といわれています。

ちなみに、桜が開花する時期には特にエネルギーが強まるそうです。

また、岩木山山頂には、津軽の地を見守るかのように小さなほこら「岩木山神社奥宮」が鎮座しています。

 

上下で向きが違う2体の「狛犬」

参道を進んでいくと、 階段を登ったところに2体の「狛犬」に出会います。

こちらの狛犬は少々変わっていて、1体は頭を上にしており、もう1体はなんと頭を下にして逆立ちのポーズをしているのです。

そして、面白いことに、それぞれのご利益を持っています。

頭を上にしている狛犬は、金運アップのご利益、また頭を下にしている狛犬は、恋愛運アップのご利益があるとされ、狛犬のどちらかと一緒に写真を撮ると、よりご利益が高まるそうです。

 

3つ首の龍の口からご神水が流れる「手水舎」

3つ首をもつ龍の形をしている「手水舎」は、「岩木山神社」で最もパワーが強いといわれ、龍の口からは、岩木山からの湧き水のご神水が絶えずあふれ出しています。

こちらのご神水をいただくと、邪気を取り除き清浄なパワーを身体にめぐらす事ができるとされ、岩木山へ登山する方は、ご神水をいただいて身を清めるそうです。

さらに、ご神水は、岩木山の水の気に直接触れることで、何かに迷っている時に直感力を与えてくれたり、感受性を高めてくれるともいわれています。

 

邪気を払ってくれる「白雲神社」

ご祭神の一柱である白雲大龍神多都比姫神たつびひめのかみがまつられている末社です。

手水舎で身を清め、ご本殿に参拝した後は白雲しらくも神社」に参拝するのが良いとされています。

それは、ご本殿を訪れると、そのパワーがあまりにも強くて邪気なども受けやすくなってしまうため、「白雲神社」で龍神様による浄化を受けて気を鎮めるためといわれているそうです。

 

【所在地・アクセス】ご神体「岩木山」のふもとに鎮座

岩木山周辺を観光する場合は、岩木山のふもとから8合目までを結ぶ有料道路「津軽岩木スカイライン」を訪れることをおすすめします。

駐車場がある8合目からの眺めは格別で、さらに8合目から先はリフトで9合目まで行くことができます。

なお、9合目から奥宮に参拝することができますが、岩肌の登山道を40分ほど歩くことになりますので、準備が必要です。
(ちなみに「岩木山神社」登拝口から山頂まで約4、5時間)

*弘前駅のバスターミナルから「津軽岩木スカイライン」8合目までのシャトルバスが出ていますので、運行時期、時間、料金の詳細については弘南バスのサイトをご確認下さい。

冬期休業期間 11月上旬~4月中旬

<所在地・電話番号>

〒036-1343 青森県弘前市百沢字寺沢27
TEL:0172-83-2135

 

<アクセス>

■電車をご利用の方:

・東北新幹線「新青森」駅で下車、在来線JR奥羽本線に乗り換え「弘前」駅で下車

・「枯木平行き」の弘南バスに乗り換え「岩木山神社前」バス停で下車(約40分)そこから徒歩約15分

 

■飛行機をご利用の方:

・「青森空港」から弘南バスの青森空港線バスをご利用し「弘前駅」で下車

・「枯木平行き」の弘南バスに乗り換え「岩木山神社前」バス停で下車(約40分)そこから徒歩約15分

 

■車をご利用する方:

・東北自動車道「大鰐弘前おおわにひろさきIC」から降りて、国道7号、県道260号・3号経由で約40分

*無料駐車場:約60台収容

 

【ご祭神・ご由緒】「岩木山」山頂に社殿が造られた事に始まる

【ご祭神】

岩木山をご神体(神霊の宿るもの)とする「岩木山神社」のご祭神は、「岩木山大神」。

以下五柱の神様を総称し「開運招福の神様」として古くから敬われてきました。

 

顕国魂神うつしくにたまのかみ

一説によると大国主神おおくにぬしのみことであるといわれています。
日本書紀では「須佐之男命すさのおのみこと」の息子。

農業や商業、医療などの神様とされ「出雲大社」の主祭神としても知られ縁結びのご利益で有名な神様です。

 

多都比姫神たつびひめのかみ

宗像三女神むなかたさんじょしんという三女神の一人。

白蛇の姿をした財宝神としても知られており、「岩木山神社」では「白雲大龍神」としてまつられています。

 

宇賀能売神うかのめのかみ

神名の「宇賀」は食物を表し「」は女性の意味という事から、食物・穀物を司る女神様といわれていますが、諸説あるそうです。

 

大山祇神おおやまつみのかみ

山々を統括する神様であり、農業・鉱業はもちろん、漁業・商工業などの分野にまで及び、全国の「三島神社」を中心に崇敬を集めています。

酒造りの神、海の神でもあります。

 

坂上刈田麿命さかのうえのかりたまろのみこと

奈良時代の武人。
蝦夷えぞ征伐の功績により神格化された人物です。

言い伝えによると、当時社殿を再建したことで再興に大いに貢献したとされています。

 

【ご由緒】

創建については、780年に岩木山の山頂に社殿が造られた事に始まるという最も古い説があり、1200年以上もの歴史がある由緒正しい神社です。

800年には、東北地方の平定を命じられた「坂上田村麻呂」が、岩木山の神のご加護によってそれを成し遂げたとして、山頂に社殿を再建しました。

後に、山腹に「下居宮おりいのみや(現在の厳鬼山神社)」を建立し、山頂を奥宮としたと伝わります。

さらに1091年「下居宮」を百沢地区にうつし百沢寺ひゃくたくじと称されましたが、1589年の岩木山の噴火で全焼。

この「百沢寺ひゃくたくじ」の再建に力を尽くしたのが、豪族や領主、そして弘前藩主でした。

その後、何度か再建されますが、江戸時代初期から元禄時代にかけて造築・寄進されたご本殿、奥門、瑞垣みずがき(周囲に設けた垣根)、拝殿、中門、楼門は国の重要文化財に指定されています。

特に見事な社殿は、色彩豊かな装飾が日光を思い起こさせるとして「奥日光」と呼ばれています。

明治時代に入り、政府の神仏分離令によって寺院が廃止された事により、「百沢寺ひゃくたくじ」は「岩木山神社」となりました。

 

【社務所受付時間】

午前8:00~午後5:00

*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。

 

【御朱印】

・授与所にて:午前8:00~午後5:00
・御朱印代:¥300

*書置きにて対応(「岩木山神社」の新規ご朱印帳は記帳)

江戸時代、弘前藩はロシアなどの北からの侵攻に備えるための北方警備などを任務として与えられていたことから「北門鎮護ちんご」という文字が入っています。

 

岩木山神社 御朱印 by.仰木一弘

 

【主な祭礼】

お山参詣

毎年旧暦の8月1日

津軽地方のシンボルとして古くから親しまれる最大の秋祭り。

「五穀豊穣」「家内安全」を祈願して、「お岩木様」に集団登拝する行事が「お山参詣さんけい」・「ヤマカゲ」といわれてるもので、重要無形民俗文化財に指定されています。

この行事は3日間行われますが、一説によると鎌倉時代の初期に始められたといわれています。

現在のように形式化したのは江戸時代中期で、その当時は、8月1日だけは藩主のみが登拝するものであり、一般の人々は山に入る事ができませんでした。

一般の人々によるお山参詣がメインになったのは、明治に入ってからといわれているそうです。

最終日には、参拝者は岩木山の山頂を目指して未明に出発し、御来光を拝みます。

 

まとめ

津軽富士とも呼ばれる美しい岩木山の山頂に、社殿が造られたのが起源とされる「岩木山神社」。

「奥日光」と呼ばれるほど色彩や施されている彫刻が素晴らしく、建物は重要文化財に指定されています。

また、弘前周辺の守り神であり、ご神体とする岩木山の気をたっぷり受け取れるパワースポットとしても有名です。

四季を通じて多くの参拝者が訪れますが、この岩木山のパワーが最大になるのは桜の開花の時期だと言われています。

もし可能ならば、寒さ厳しい冬が終わってさまざまな花が一斉に咲く時期に、お花見や観光とともに参拝してみてはいかがでしょうか。

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