【福島県】陸奥国(むつのくに)一の宮  石都々古和気(いわつつこわけ)神社石都々古和気神社 引用元:Wikipedia

福島県の棚倉町たなぐらまちには陸奥国一之宮が2社鎮座しますが、石都々古和気神社いわつつこわけじんじゃは少し離れた石川町に鎮座しています。

通称「八幡山」の山頂にたたずみ、古くから山岳信仰の聖地として信仰をあつめてきました。

古代から祭祀さいしの地とされることがわかる巨石が参道に多数あり、考古学的にも大変貴重な遺跡といわれています。

縁結びのパワースポットとして隠れた人気を誇り、さらに参道の白い階段と初夏のあじさいや、紅葉のコントラストの美しさも見どころです。

 

 

【ご利益】積極的かつ神聖な目標に目覚めさせる

約一万年位前から信仰があるとされ、参道両脇には、その形や古代祭祀遺跡(神霊をまつった遺跡)の由来から特徴的な名前がつけられた天狗石や亀石、屏風びょうぶ岩、船形石、剣石、鏡岩など磐境いわさか(原始的祭場)の巨石が多く点在します。

そして、縁結びのパワースポット、また、人生に積極的かつ神聖な目標に目覚めさせ成就に向かわせる場所といわれています。

 

今にも飛び出しそうな狛犬「飛翔獅子」

参道入り口に構える狛犬は、石川町出身の石工「小林和平わへい」が昭和5年に建てた作品。

彼の残した作品の中でも本作品は、飛び跳ねる構図をとる「飛翔狛犬」で、石造狛犬としては他に類を見ない形態です。

雄獅子・雌獅子そして、雌獅子には3匹の子獅子が寄り添っていますが、3匹の子獅子は、いずれも和平の亡くした3人の子どもに想いを重ねて掘られたものとして知られています。

その丹念にほられた豊かな表情見たさに全国からファンが訪れるそうです。

また、彫刻技術を駆使し、美術工芸的にも価値の高い本作品は、評価が高く町の指定文化財になっています。

 

【所在地・アクセス】八幡山の山頂に鎮座

<所在地・電話番号>

〒963-7858 福島県石川郡石川町字下泉150
TEL:0247-26-7534

 

<アクセス>

■電車をご利用の方:

・東北新幹線「郡山駅」から在来線JR水郡線すいぐんせんに乗り換え「磐城いわき石川駅」にて下車

・境内入口まで徒歩約10分、山頂の本殿まではさらに10分ほどの山道

 

■車をご利用の方:

・東北自動車道「矢吹IC 」から、あぶくま高原道路「玉川IC」(約10分)

・常磐・磐越自動車道「小野IC」 から、あぶくま高原道路「平田西IC」(約10分)

*無料駐車場:参道横の旧役場跡地が利用可

 

【ご祭神・ご由緒】古代から祭祀の地とされていた

【ご祭神】

味耜高彦根神あぢすきたかひこねのかみを主祭神に、大国主命おおくにぬしのみこと誉田別命ほんだわけのみことの二柱が配祀はいし(主祭神と縁故のある神をまつること)されています。

ちなみに、「石都々古和気神社いわつつこわけじんじゃ」と「八槻都々古和気神社やつきつつこわけじんじゃ」、「馬場都々古和気神社ばばつつこわけじんじゃ」の3つの「都々古和気神社」では「味耜高彦根神あぢすきたかひこねのかみ」がまつられています。

 

味耜高彦根神あぢすきたかひこねのかみ

別称:「阿遅鉏高彦根命あじすきたかひこねのみこと

「大国主命」の御子。

名の「耜」は農具のすきのことで、農業の神様。また雷・不動産業の神としても信仰されています。

 

大国主命おおくにぬしのみこと

別称:「大己貴命おおなむちのみこと

他にも「八千矛神やちほこのかみ」など複数の名前をお持ちです。

また、七福神の「大黒天」も同一視されています。

日本神話の「いなばの白兎」や、「国譲り」の物語に登場する神様、「出雲大社」のご祭神。

縁結びの神として有名ですが、他にも農業、商業、医療の神様とされています。

 

誉田別命ほんだわけのみこと

第15代「応神おうじん天皇」の御名。

父は「仲哀ちゅうあい天皇」、母が「神功皇后じんぐうこうごう」とされ、八幡神として広くまつられている国家鎮護ちんご(乱をしずめ国をまもること)、文武の神様です。

 

【ご由緒】

創建時期については不明ですが、八幡山には磐境いわさかが多数あることからも、古代から祭祀の地とされていたことがわかります。

その歴史は古く、平安時代にまとめられた「延喜式神名帳えんぎしきじんみょうちょう(全国の神社一覧)」に名が残る格式高い古社です。

永承6年(1051年)の前九年の役で、源有光みなもとのありみつは、「源頼義・源義家」父子に従って、奥州の豪族「安倍氏」追討に加わりました。

そして、多大な功績を挙げたため代官としてこの地を賜わり、康平6年(1063年)にはこの地に移り、名も石川有光いしかわありみつと改めたのです。

さらに、八幡山山頂の神社神域の一角に三芦城みよしじょう(石川城)を築城し、源氏の氏神である京都の「石清水いわしみず八幡宮」の御分霊(大国主命・誉田別命)をいただいて一緒にまつったとされます。

石川家はその後、「豊臣秀吉」からこの地を没収されるまで約500年間支配したといわれています。

現在は、境内の三芦城(石川城)の跡地が、県及び町の史跡として指定され、石川氏によって奉納されたと言われる銅製鰐口わにぐち(仏具の一種)は県指定重要文化財となっています。

 

【社務所受付時間】

社務所はふもとの道路沿いにあるご自宅です。

・午前9:00~12:00
・午後1:00~4:00

*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。

 

【御朱印】

・御朱印代:¥300
・限定御朱印代:¥600

季節によって、その時期をイメージした絵柄の限定御朱印がいただけます。

 

石都々古別神社 御朱印 by.仰木一弘

 

【主な祭礼】

毎年行われる「例大祭」は、900年以上の歴史を持つ伝統行事です。

「石川有光」が、「京都石清水八幡宮」の御分霊を合祀した日が旧暦の9月19日だった事から、この日を例祭日と定め、それ以降毎年旧9月13日から19日までを例祭期間としてきました。

山頂より、ご神体を納めた神輿みこしが氏子の手によって、ふもとの御仮屋おかりや(神体を乗せた神輿が巡行の途中で休憩または宿泊する場所)にお下がりになり、7日間にわたって奉納行事や流鏑馬やぶさめが行われていたとされます。

最終日には、紋付羽織袴もんつきはおりはかまの伝統的な装いの行列、そして夜には祭礼を終えた神輿が勢揃いする「御神輿パレード」が開催され、威勢のいい掛け声とともに大通りを練り歩きます。

 

まとめ

古くから山岳信仰の聖地とされる「石都々古別神社いわつつこわけじんじゃ」は八幡山の山頂に鎮座するパワースポットです。

参道の入り口には、石造狛犬としては他に類を見ない、足を高く蹴り上げた大きな狛犬が鎮座し、参道両脇には古代祭祀遺跡とされる巨石が多く点在しています。

そして人生に積極的かつ神聖な目標に目覚めさせ、成就に向かわせる場所とされています。

桜やアジサイ、特に紅葉の名所として知られる八幡山の散策をしながら、神秘的な「石都々古別神社いわつつこわけじんじゃ」に参拝してみてはいかがでしょうか。

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