【福島県】陸奥国(むつのくに)一の宮 八槻都々古別(やつきつつこわけ)神社画像引用:Wikipedia

福島県には、陸奥国一之宮とされる神社が3社鎮座しています。

その全てが「都々古別つつこわけ神社」であり、しかも2社が同じ棚倉町たなぐらまちにあるため、少しまぎらわしいかもしれません。

それぞれ地名から「八槻都々古別神社やつきつつこわけじんじゃ」、「馬場都々古別神社ばばつつこわけじんじゃ」と呼ばれています。

今回ご紹介する八槻都々古別神社やつきつつこわけじんじゃは、ご祭神に農業の神と武神をまつり、交通安全、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全のご利益があるそうです。

境内の、夫婦のように寄り添って立つ2本の杉には、縁結びと長寿のご利益があるとされ、根元の所にある小さなやしろの中央には、ハートの形がかたどられています。

 

【ご利益】人生に関わる勝負事などに挑む時にパワーをさずけていただける

農耕の神様と、千戦千勝といわれる武神「日本武尊やまとたけるのみことがまつられているため、仕事や人生に関わる勝負事などに挑む時に、パワーをさずけてくれるといわれています。

また、祈祷師きとうしが祈りの場所として集まったとされ、世のための祈りを現実化するパワーがあるそうです。

 

境内社には、「聖徳太子」をまつる「皇朝工祖こうちょうこうそ神社」の他に「熊野神社」「北野神社」などが鎮座します。

そして、参道左手にある根元でつながった二本の木「夫婦杉」は、縁結びと長寿のご利益があるそうです。

根元の所にまつられた小さなやしろの中央には、ご利益がアップしそうなハートの形が型どられています。

 

【所在地・アクセス】久慈川のほとりに鎮座

<所在地・電話番号>

〒963-5672 東白川郡棚倉町大字八槻字大宮224
TEL:0247-33-3505

 

<アクセス>

■電車をご利用の方:

・JR東北新幹線「郡山駅」からJR水郡線すいぐんせんへ乗り換え「近津駅ちかつえき」下車、徒歩約12分

 

■車をご利用の方:

・東北自動車道「白河IC」から国道289沿い約50分

*無料駐車場:約20台収容

 

【八槻都々古別神社から周辺の一の宮神社へのアクセス】

◆「馬場都々古別神社」へ車で約5分

◆「石都々古和気神社」へ車で約25分

 

【ご祭神・ご由緒】「日本武尊」創建の伝説が伝わる

【ご祭神】

<主祭神:味須気高彦根神あぢすきたかひこねのかみ

別称:「阿遅鉏高彦根命あじすきたかひこねのみこと

大国主命おおくにぬしのみこと」の御子。

名の「耜」は農具のすきのことで、農業の神様、また、雷・不動産業の神としても信仰されています。

 

<相殿神:日本武尊やまとたけるのみこと

別称:「倭建命」

第12代「景行けいこう天皇」の御子。

日本神話において最も武力に優れた英雄的な神とされ、難局打開、武運長久ぶうんちょうきゅう(武人としての命運が長く続くこと)の神様です。

天皇に継承される三種の神器の一つ草薙剣くさなぎのつるぎを身につけていたとされています。

 

【ご由緒】

伝承によると、第12代「景行けいこう天皇」の時に、皇子おうじである日本武尊やまとたけるのみことが東国遠征の際、蝦夷えぞの将軍との戦で苦戦を強いられていたとされます。

そこで、「日本武尊やまとたけるのみこと」が天に念じると、三神が現れて神ほこ(両刃の剣に長い柄をつけた武器)をさずけ、東の方角に姿を消したそうです。

日本武尊やまとたけるのみこと」は三神が消えた方向に矢を放ち、刺さった場所で味耜高彦根神あぢすきたかひこねのかみ」に戦勝祈願をしたところ勝利に導いてくれたことから、その神意に感謝し、「味耜高彦根神あぢすきたかひこねのかみ」をまつる社殿を造営したと伝わります。

そして、矢が着いた場所から「矢着き」が転じて「八槻やつき、三神から鉾を授かった山は建鉾山たてほこやまと呼ばれるようになったそうです。

さらに別の話では、「日本武尊やまとたけるのみこと」が八目鳴鏑 やつめのなりかぶら (放つと音が出るやじり)で蝦夷の大将を討った時、その矢の落ちたところを「矢着き」と称して、その場所に神社を創建したともされています。

 

平安時代には、「延喜式神名帳えんぎしきじんみょうちょう(官社に指定されていた全国の神社一覧)」に名神大社(社格の一つ「都々古和気神社」と記載され、古くから格式の高い神社として認識されていました。(諸説あり)

しかし、同じ棚倉町内の馬場地区にも名神大社・陸奥国一の宮を称する「都々古和気神社」があります。

ご祭神も同じで、建鉾山を起源とする由緒にも共通点が多いものの、2社でひとつの神社だったのか、本社・分社の関係などについて現在もはっきりとわかっていないそうです。

明治6年に馬場の「都々古別神社」が国幣中社(社格の一つに列したことに対して、どちらを国幣中社とするかで大論争が起こったと伝わります。

最終的に結論が着かず両社並立ということになり、「八槻都々古別神社やつきつつこわけじんじゃ」も明治18年(1885年)国幣中社に昇格しました。

なお、ご本殿は焼失した後に再建されたとみられていますが、三間社流造さんげんしゃながれづくりを基調としながらも独創性があり、彫刻などの細部装飾も華やかです。

再建当初の姿をとどめ、江戸時代中期を代表する本殿建築とされています。

 

【社務所受付時間】

午前9:30~午後4時:00(不在の場合は、案内を出されているそうです)

*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。

 

【御朱印】

・御朱印代:¥ 500

 

八槻都々古別神社 御朱印 by.仰木一弘

 

【主な祭礼】

御田植祭

旧暦1月6日

鎌倉時代から伝わる五穀豊穣を祈る神事で、国指定の無形民俗文化財となっています。

伝来時期は明らかではありませんが、室町時代以前から行われていたとされる約400年続く伝統行事です。

この豊作を祈って神楽を奉納するお祭りは、拝殿において一連の稲作風景がユーモラスな能・狂言風の舞と掛け合いで演じられます。

宮司の祝詞奏上のりとそうじょうに続いて、楽人がくにん(雅楽演奏家)による奉納の舞が行われ、最後には、楽人全員で中飯ちゅうはんと言いながら、細長く切った餅を参列者にまいて配ります。

 

霜月大祭

12月の第2土・日曜日

拝殿では供物と祝詞のりとがあげられ、一年の安泰と五穀豊穣を祈願して、演奏や舞で神をもてなす「七座の神楽しちざのかぐら」、「太々神楽だいだいかぐら」が奉納されます。

境内やその周辺には露店が立ち並び「八槻市」として、名物の柚子、しょうが、農産物、農具などを買い求める多くの参拝客でにぎわいます。

 

まとめ

福島県棚倉町たなぐらまちには同じ「都々古別神社」という神社が2社あり、それぞれ地名を取って「八槻都々古別神社やつきつつこわけじんじゃ」、「馬場都々古別神社ばばつつこわけじんじゃ」とされています。

ともに「日本武尊やまとたけるのみこと」にゆかりがあり、陸奥国一之宮として、古来より格式の高い神社として信仰を集めてきました。

境内には、縁結びで知られる夫婦杉もまつられ、苔と朱色の拝殿のコントラストが美しく、崇高な空気が漂います。

人生に関わる大勝負に挑む時に、パワーをさずけていただけるそうですから、勝負事の必勝祈願に訪れてみてはいかがでしょうか。

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