由良比女神社は隠岐島の癒やし系最強パワースポット【島根県一之宮】

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由良比女神社、拝殿©仰木一弘 wih LeicaQ

島根県沖に浮かぶ隠岐諸島は、「島前どうぜん」と呼ばれる知夫里島ちぶりじま・中ノ島・西ノ島の3島と、「島後どうご」1島に分かれています。

島前どうぜんの中心となっている西ノ島に鎮座しているのが由良比女ゆらひめ神社」

ご祭神の「由良比女命ゆらひめのみこと」は、漁業神、海上守護神として尊崇され、島内の信仰を集めてきました。

鳥居の前は浅い入り江になっていて、イカが「由良比女命ゆらひめのみこと」に非礼を詫びに来たという「イカ伝説」が残ることから「イカ寄せの浜」と呼ばれています。

境内には、拝殿や灯篭などのいたるところにイカの彫刻が施され、御朱印にまでイカのスタンプが押されています。

 

 

【ご利益】豊漁・海上守護・家庭円満

イカ伝説が残る「イカ寄せの浜」

西ノ島町の由良湾ゆらわんの最奥部には、昔は冬場にイカの大群が岸辺に押し寄せ、手づかみできたという「イカ寄せの浜」があります。

実際、昭和20年代ころまでは、数万匹のイカの大群が押し寄せていたとの記録があり、島の人々はイカを手でつかんだり、カゴですくったりしながら、拾っていたそうです。

そのころは、冬場の風物詩とされるほどで、番小屋まで設置されていました。

そんな由良湾の奥に鎮座する「由良比女ゆらひめ神社」にはイカにまつわる伝説が残されています。

一説によれば、ご祭神の「由良比女命ゆらひめのみこと」が出雲大社へ出かけ、芋桶おぼけ(芋を収納する専用の桶)に乗って隠岐へ帰るとき、海に浸した手にイカが噛み付いて(引っ張ったという説も)悪ふざけをしたとされます。

そのお詫びとして毎年、神社の目の前に広がる由良の浜(イカ寄せの浜)に、イカの大群が押し寄せるようになったと伝えられています。

そのため、拝殿の装飾や灯篭の彫刻の中、神社の前の林の中にも、巨大でカラフルなイカの姿が。

さらに、西ノ島町ではいたるところにイカのモチーフがあふれています。

 

【所在地・アクセス】別府港からおよそ数Kmの国道沿いに鎮座



<所在地・電話番号>

〒696-1222  島根県隠岐郡西ノ島町浦郷922
TEL:08514-7-8888(西ノ島町観光協会)

午前8:30~午後5:30(年中無休)

※年末年始は営業時間が変動しますのであらかじめご確認ください。

 

<アクセス>

フェリーや高速船が着岸する「別府港」から国道485号線を西に、およそ数Kmの国道沿いに鎮座。

高速船の運航には時化が影響するため欠航する場合が多いようです。
時間に余裕あるスケジュールで参拝されることをおすすめします。

「別府港」の1階にある「西ノ島町観光協会」では、レンタサイクルを借りることができます。

 

<別府港から>

・バスをご利用の場合:
「由良比女神社」バス停で下車、約25分

または車で約15分

・無料駐車場あり

 

【ご祭神・ご由緒】海上守護神をまつりイカ伝説が残る神社

【ご祭神】

由良比女命ゆらひめのみこと

ご祭神は「海童神わたつみのかみ」、あるいは「須佐之男すさのお」の娘で、「大国主命おおくにぬしのみこと」の正妻である須世理比売命すぜりひめのみことともされています。

また、「袖中抄しゅうちゅうしょう(平安末期の歌学書)」、「土佐日記」には「ちぶり神」とあり、もともと鎮座されていた知夫里島ちぶりじま(知夫村)の神様という説も。

伝説によれば、もとは知夫里島ちぶりじまの「鳥賊いか浜」にありましたが、西ノ島の由良へ移されてからはイカも由良へ集まり、知夫里島ちぶりじまにイカが寄らなくなってしまったそうです。

 

【ご由緒】

創建年は不詳ですが、「続日本後紀」の842年の条に記されていることから、それ以前に存在していたと考えられています。

また、知夫里島ちぶりじま(知夫村)に残る伝説として、古くは知夫里の「鳥賊いか浜」という場所にあったとされます。

平安時代の927年にまとめられた延喜式神名帳えんぎしきじんみょうちょう(官社に指定されていた全国の神社一覧)に名神大社として記されている古社であり、平安末期には隠岐国おきのくにの一之宮と定められ社格も高い神社でした。

「続日本後紀」や「三代実録」には、海上守護神として古来より海上安全を祈願し、遣唐使や使節を派遣する際、または外敵を防ぐときなどに、交通の要点として丁重なる祈願をしたと記されているそうです。

 

【社務所受付時間】

宮司さんは社務所に常駐していらっしゃらないため、基本的に無人です。
(連絡先の掲示あり)

 

【御朱印】

・御朱印代:¥300円

現在、御朱印は別府港にある西ノ島町観光協会窓口にて授けていただくことができます。

*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。

 

 

【主な祭礼】

由良比女神社例大祭

奇数年(元号)7月最終の土曜・日曜

例大祭は、二艘の大型漁船を連結させ、神輿みこしを乗せた神船が海を周遊する隠岐随一の船祭。

初日は、式典と相撲が奉納されたあと、夕方から神輿が繰り出され、神船のつながれている港まで練り歩きます。

港からは船に乗り海上渡御とぎょとなりますが、見物客なども乗り込み、湾内を1時間程度かけて巡航。船が海上にある頃、花火大会が行われます。

漁師町ならではの若者の神輿担ぎが大型の漁船に乗りこむ様は、華やかさと厳かな雰囲気、迫力があります。

 

まとめ

由良比女ゆらひめ神社」は、隠岐国一之宮として「延喜式神名帳」にも名が記されている古社。

漁業神、海上守護神とされるご祭神「由良比女命ゆらひめのみこと」が海でイカに噛みつかれ、その非礼を詫びにイカが押し寄せたとされる「イカ伝説」が有名です。

鳥居の前の入江には、昭和20年代頃までは毎冬にイカの大群が押し寄せ、イカを拾い集める人が大勢いたそうです。

そのころは、冬場の風物詩だったことから、番小屋まで設置されていたとか。

境内には、他の神社にはあまり見られないイカの彫刻が拝殿や、灯篭などいたるところろに施されています。

由良比女ゆらひめ神社」へ参拝したあとは、イカのモチーフがあふれている西ノ島町の散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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