鹿児島神宮、拝殿©仰木一弘 wih LeicaQ
海幸彦・山幸彦の神話に由来する「鹿児島神宮」。
ご祭神には山幸彦である「彦火火出見尊」と妻の「豊玉比売命」をまつり
五穀豊穣、開運厄除け、安産、縁結び、若返りなどさまざまなご利益があるとされています。
安産や子授けのご利益で有名ですが、特に安産祈願で昔から信仰されているのが摂社「石體神社」。
戌の日に行われる安産のご祈祷には、多くの女性やそのご家族が訪れるそうです。
春の訪れを告げる神事として有名な初午祭では、鈴の飾りをつけたシャンシャン馬と踊り手が一体となって太鼓や三味線に合わせて踊ります。
そんな珍しい神事を一目見ようと、全国から毎年20万人もの人が訪れるそうです。
【ご利益】安産祈願や子授けのご利益で有名
ご祭神である「彦火火出見尊(別名山幸彦)」は、名前の通り山に関わる農耕、五穀豊穣、そして畜産、漁猟、開運厄除けのご利益があるとされています。
また、妻の「豊玉比売命」は、安産、縁結び、子育てなどのご利益があるとされることから、地域の人々の厚い信仰を受けています。
その他にも、若返りにもご利益があり、参拝すると人気運が上がるともいわれているそうです。
願い事が叶うとされる「龍宮の亀石」
社殿脇にある「龍宮の亀石」と名づけられた無数の穴があいた自然石。
ご祭神「山幸彦」の龍宮伝説に関係していると言い伝えられているものです。
また、亀石を撫でると願いが叶うとされています。参拝された際には、ぜひ亀に見えるか確かめてみてくださいね。
鹿児島指定有形文化財となっている本殿・拝殿・勅使殿
「鹿児島神宮」は、薩摩藩主「島津重豪」より厚い信仰を崇敬を受け、宝暦6年(1756年)に社殿が再建されました。
一直線に並ぶご本殿・拝殿・勅使殿は、鹿児島指定有形文化財となっています。
その中でもご本殿は県内最大規模の木造建造物として文化財的価値が高いそうです。
ご本殿正面には、藩のお抱え絵師である狩野派の「木村探元」が描いたと伝わる、阿吽の獅子絵壁画があります。
そして、一緒にご覧いただきたいのが、本殿につながる拝殿の天井に描かれた見応えのある絵です。
格子上になっている天井には、240枚にも及ぶ花や野菜等の植物画が色彩豊かに描かれています。
絵の中には、当時の日本になかったはずの植物も描かれていることから、薩摩藩が密貿易を行っていたという証明にもなっているそうです。
最後に勅使殿ですが、こちらは天皇から幣帛(神前のお供え物)を託された使者をお迎えする場所。
こちらもあまり他の神社では見られない特別な施設であり、いずれにしても当時の島津氏の勢力を物語っています。
古くから安産祈願で有名な「石體神社」
ご祭神に、山幸彦のお后である「豊玉比売命」がまつられています。
始まりは神代の頃ともいわれ、もともと「鹿児島神宮」の社殿が置かれていた場所とされています。
「豊玉比売命」のお産が安産だったことから、安産のご利益があると古くから崇敬されていました。
岩田帯(妊婦が胎児の保護のため腹にまく布)も「石體神社」の発祥と伝わります。
安産祈願には、本殿の前の石塔のところに積まれた石を1個お守りとして持ち帰ります。
無事に出産した後には、河原などで拾った同じような石を2個にしてお返しするのが習わしとなっています。
また、戌の日限定で安産のご祈祷をしていただけることから、安産を願う女性やご家族が多く訪れるそうです。
<<安産祈願のご案内>>
・受付時間:戌の日 午前9時30分より午前11時40分迄
戌の日に行われるのは、多産で安産の犬にあやかるという考え方が一般的に知られています。
また、受付時間外や、戌の日以外のご祈祷は「鹿児島神宮」にて受け付けていただけるそうです。
【所在地・アクセス】鹿児島県の中央部に位置する霧島市の市街地に鎮座
<所在地・電話番号>
〒899-5116 鹿児島県霧島市隼人町内2496番地1
TEL 0995-42-0020
FAX 0995-43-7797
<アクセス>
■電車をご利用の方:
・JR日豊本線「隼人駅」より徒歩約15分
または、「隼人駅」から鹿児島交通バスに乗車、「鹿児島神宮」停留所下車して徒歩約5分。
但し、バスは運行便数が少ないので、あらかじめ確認されることをお勧めします。
■車をご利用の方:
・東九州自動車道 隼人西インターより10分
・東九州自動車道 隼人東インターより20分
・九州自動車道 空港インターより20分
*無料駐車場
第1駐車場、第2駐車場、第3駐車場、大駐車場の合計350台収容
【ご祭神・ご由緒】浦島太郎のモデルとなった神話に由来する神をまつる
【ご祭神】
<主祭神:彦火火出見尊>
別名:天津日高彦穗穗出見尊
<主祭神:豊玉比売命>
「神武天皇」の祖父とされる「彦火火出見尊」は、高千穂宮というこの地で農耕・畜産、漁猟を開拓したと伝わります。
また、日本神話*山幸彦と海幸彦に出てくる山幸彦としても知られ、海神の助けで「豊玉比売命」をめとり、海幸彦を征したとされます。
この神話が浦島太郎のモデルになったともいわれているそうです。
*〈注釈〉山幸彦と海幸彦
出典元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
<相殿神:帯中津日子命>
第14代「仲哀天皇」
<相殿神:息長帯比売命>
「仲哀天皇」皇后である「神功皇后」
<相殿神:品陀和気命>
第15代「応神天皇」(八幡大神)
<相殿神:仲姫命>
「応神天皇」皇后
【ご由緒】
創祀は古く、「神武天皇」の時代とも伝えられていますが、詳細は不明です。
ただ、海幸彦と山幸彦という神話によると、「鹿児島神宮」は、ご祭神「彦火火出見尊」の宮殿であった高千穂宮を神社としたという説があるそうです。
正式な文書に記されているのは、平安時代927年にまとめられた「延喜式神名帳(当時「官社」に指定されていた全国の神社一覧)」で、名神大社に列し大隅国一之宮として朝廷の崇敬を受けました。
その後は、「宇佐神宮(日本三大八幡宮の一つ)」が九州のさまざまな場所に別宮を作り、「鹿児島神宮」に八幡神が合祀されたそうです。
それにより「正八幡」「大隅正八幡」「国分正八幡」などとも称され、全国「正八幡」の本宮でもあります。
戦国時代から江戸時代には地元の薩摩藩・島津氏の尊崇を受けて発展してきました。
【社務所受付時間】
午前8:30~午後5:00
*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。
御朱印
・社務所にて:午前8:30~午後5:00
・御朱印代:¥300
・オリジナル御朱印帳
黒一色の表紙に金の文字のシンプルな御朱印帳です。
【主な祭礼】
初午祭
旧暦1月18日を過ぎた最初の日曜日
「初午祭」は鹿児島を代表する伝統行事の一つ。
五穀豊穣、家内安全、牛馬をはじめ家畜の安全や多産、厄払いを祈願して460年以上も昔から受け継がれてきた祭りです。
鈴かけ馬と呼ばれる首に鈴をつけた馬を先頭に、踊り手のグループが太鼓や三味線にあわせ馬と一体となって踊りながら参拝します。
この「シャンシャン馬」の愛称でも呼ばれる馬と、2千人もの踊り手が踊る姿を一目見ようと、毎年20万人以上の人が訪れるそうです。
また、参道には多くの露店が立ち並び賑わいますが、鈴かけ馬を描いた伝統玩具のでんでん太鼓「ポンパチ」など、神宮に伝わる伝統的なおもちゃも手にすることができます。
まとめ
「鹿児島神宮」の歴史は古く、かつての鹿児島県東部(大隅国)の地域の中で最も格式の高い神社とされる大隅国一之宮です。
五穀豊穣を始めとして、開運厄除け・縁結び・安産など、多くのご利益があるとされ、さらに若返りのご利益があることから魅力が増したり、人気運がアップするともいわれているそうです。
境内社の「石體神社」は、古くより安産祈願の神として信仰され、人気のスポット。積まれた石をお守りとして持ち帰ると安産にご利益があると伝わります。
「浦島太郎」のモデルともいわれている山幸彦と海幸彦の神話に由来する「鹿児島神宮」へ、あなたも一度足を運んでみてはいかがでしょうか。