雄山神社中宮祈願殿、鳥居 ©2019 仰木一弘 wih LeicaQ

「雄山神社」の近くには、有名な黒部ダム、日本三霊山(富士山、白山)の1つである立山がそびえます。

そして、その立山をご神体(神が宿るとされる信仰の対象)とする当社は、修験者しゅげんじゃ(修行をする者)の修行場としても栄えてきた神社です。

山頂の「峰本社」、ふもとの「中宮祈願殿」、さらに、一番平野の近くに鎮座する「前立社壇まえだてしゃだん」の3社からなり、どちらに参拝してもご利益は同じとされています。

ただ峰本社へは冬には行けないため、夏山シーズンに多くの登拝者が訪れます。

それに加え夏には観光で訪れる方も多く、登拝道でもある立山黒部アルペンルートは、とてもにぎわうそうです。

また、縁結びの神「伊邪那岐神いざなぎのかみ」をまつり、家業繁栄・縁結びにご利益があるとされます。

同じくご祭神である力の神「天手力雄神あめのたぢからおのかみ」の開運のパワーをさずかることができるそうです。

【ご利益】立山連峰の龍脈が流れている

家業繁栄・縁結び・延命長寿・開運招福・諸難防災・勝利祈願など

ご神体である立山連峰の龍脈(風水学における用語で大地の気が流れるルート)が、弥陀ヶ原みだがはらやミクリガ池を通り、「中宮祈願殿」と「前立社壇」に流れているとされています。

そして、当社は修験者の修行場としても栄えていたことから、パワースポットとして有名です。

さらに、縁結びの神「伊邪那岐神いざなぎのかみ」をまつることから、家業繁栄・縁結びのご利益があるとされます。

そして、同じくご祭神の力の神「天手力雄神あめのたぢからおのかみ」の開運招福のご利益から、滞っていたことがスムーズに運んだり、困難を乗り越え自分自身で可能性を広げる力をさずかることができるそうです。

 

前立社壇

それでは、3社の中で一番平野に近い岩峅寺いわくらじに鎮座する「前立社壇」からご紹介させていただきます。

立山とは、北アルプス北部に位置する山で、雄山、大汝山おおなんじやま富士ノ折立ふじのおりたての3つの峰の総称です。

冬は雪に覆われ雄山頂上に行くのが困難なことから 、「峰本社」の里宮として崇敬を集めてきました。

本殿は、室町時代後期の様式を残す五間社流造ごけんしゃながれづくり(本殿の正面に6本の柱を用いたもの)で北陸地方最大の建物であり、国の重要文化財に指定されています。

 

縄をくぐると良い「夫婦杉」

本殿前には、しめ縄が結ばれた2本の杉の木があります。
根元がくっついたように並ぶ「夫婦杉」。

縁結び、安産、夫婦円満などのご利益があるとされています。

そして、本殿に向かい右に男性、左に女性が並び、手をつないで縄をくぐるのが良いとされているそうです。

 

前田家寄進の「湯立の釜」

境内奥には、加賀藩12代藩主前田斉泰まえだなりやす」公より寄進されたと伝わる湯立の釜があります。

古くから、春の祭礼において、五穀豊穣・無病息災を祈る「湯立の神事」が行われていました。

その神事では、釜で沸かした湯を、お参りした人々が身にふりかけて、罪のない事を神様に誓ったとされます。

そして、使われる釜は加賀藩主によって寄進される習わしだったそうです。

また、境内の狛犬は加賀藩2代藩主「前田利長」の正室(本妻)永姫えいひめによる寄進とされています。

これらは当社が、加賀藩とゆかりが深いことを物語る貴重な史料とされます。

 

中宮祈願殿

「前立社壇」から立山方面へ進む途中の、芦峅寺あしくらじという場所に「中宮祈願殿」は鎮座しています。

ちなみに、岩峅寺及び芦峅寺の「峅」と言う文字には「神様の降り立つ場所」の意味があるとされています。

当社は立山連峰の主峰「雄山」を正面に頂き、樹齢500年あまりの杉木立の中にある聖域。

芦峅寺における立山信仰の拠点でもあり、女人禁制だった立山にて立ち入ることができたのはここまででした。

また、雄山神社の開祖である「佐伯有頼さえきありよりが晩年を過ごした場所とされ、境内中央には御廟ごびょう(祖先の霊をまつる所)があります。

 

立山全山36末社の神々が合祀されている「祈願殿」

境内奥には2つの本殿、西本殿「立山大宮」と、東本殿「立山若宮」、そしてその間に「祈願殿(拝殿)」があります。

西本殿「立山大宮」の主祭神は、「伊邪那岐神いざなぎのかみ」、立山信仰の中心社堂やしろどう(神と仏を合わせてまつる建物)とされていたそうです。

また、東本殿「立山若宮」は、「天手力雄神あめのたぢからおのかみ」を主祭神とし、立山に登拝する者は必ず参拝するのがしきたりだったとか。

そして、現在は「祈願殿」と呼ばれる拝殿は、かつて神仏習合(日本古来の神と仏教とを結びつけた信仰)の施設であり、江戸時代までは「芦峅大講堂」と呼ばれていた建物です。

こちらには、両本殿の主祭神を始めとする立山全山36末社の神々が合祀されています。

 

隣接する「立山博物館」

当社のお隣には展示館と遥望館ようぼうかん、まんだら遊苑を中心としたテーマパーク「立山博物館」があります。

広い敷地に、立山の自然と歴史文化を紹介する施設が点在しますが、その中でも、展示館では立山信仰をわかりやすく学ぶことができます。

中でも、立山地獄、極楽往生を願う儀式などが詳細に描かれ、立山信仰を象徴する「立山曼荼羅まんだら」の巨大屏風は必見です。

 

雄山峰本社

最後に立山の雄山山頂にある「雄山峰本社」のご紹介になります。

古くから山岳信仰の対象とされてきた立山連峰

山岳信仰と仏教が結びつき、地獄に落ちることを恐れた人々は、登拝することで現世の罪やけがれを落すことができると信じていました。

全国の一の宮のなかでも、参拝する難易度が高い神社とされ、雄山神社の中でも最強のパワースポット。

参拝料(500円)を納めると、「立山頂上雄山神社」の赤札が授与され、峰本社神殿前で登山安全のご祈祷を受けることができます。

なお、標高3003mの山頂にあるため、登拝できるのは7月1日から9月30日までの3ヶ月間と短く、途中までケーブルカーとバスで登りますが、最後は2時間ほどの登山になります。

7月、8月でも気温が10度前後となることがありますので、防寒着とレインウェアは必携、事前の準備をしっかりして挑んでいただきたいと思います。

 

日本一高い場所から湧く「立山玉殿の湧水」

立山の室堂ターミナル近くに、「立山玉殿の湧水」というスポットがあります。

ここから湧き出る水は、立山トンネルを掘っている時に湧き出たもので、日本一高い場所の湧き水になるそうです。

降り積もった雪が、長い歳月をかけて立山の地層によって濾過ろかされ、ミネラルをたっぷり含んだ湧き水は名水百選にも選ばれています。

ぜひこちらで、水分を補給したり、水筒などに汲んでパワーをいただきましょう!

 

【所在地・アクセス】地獄谷や弥陀ケ原を含む立山連峰の全域

【所在地・電話番号】

・前立社壇:
〒930-1368 富山県中新川郡立山町岩峅寺いわくらじ1番地
TEL: 0764-83-1148

 


・中宮祈願殿:
〒930-1406 富山県中新川郡立山町芦峅寺あしくらじ2番地
TEL :0764-82-1545

 

・峰本社:
〒930-1418 富山県中新川郡立山町立山峰1
TEL:0764-33-9789

 

【アクセス】

〈前立社壇〉

■電車をご利用の方:

・JR「富山駅」から富山地方鉄道立山線に乗り換えて「岩峅寺駅」にて下車、徒歩約10分

 

■車をご利用の方:

・北陸自動車道「富山IC」から約15分
・北陸自動車道「立山IC」から約15分

*無料駐車場:約100台収容

前立社壇から中宮祈願殿までは、車で15分くらいです。

 

〈中宮祈願殿〉

■電車をご利用の方:

・JR「富山駅」から富山地方鉄道立山線に乗り換えて「千垣(ちがき)駅」下車
・千垣駅前より町営バス「芦峅寺行き」乗車にて約5分、「雄山神社前」終点下車すぐ

*バスは1~2時間に1本。タクシーで約5分。

 

■車をご利用の方:

・北陸自動車道「富山IC」から約35分
・北陸自動車道「立山IC」から約30分

*無料駐車場:数台あり

 

〈峰本社〉

■電車をご利用の方:

・JR「富山駅」から富山地方鉄道立山線に乗り換え「立山駅」下車
・立山ケーブルカーで約7分「美女平駅」へ
・「美女平駅」から立山高原バス約50分で「室堂ターミナル」下車
・「室堂ターミナル」からおよそ2時間の登山

 

■車をご利用の方:

立山ケーブルカー乗り場「立山駅」まで

・北陸自動車道「富山IC」から約40分
・北陸自動車道「立山IC」から約35分

*立山駅からは上記と同じルートになります

 

【ご祭神・ご由緒】神仏習合の時代には仏教色の強かった神社

【ご祭神】

伊邪那岐神いざなぎのかみ」「天手力雄神あめのたぢからおのかみ」の2神をまつります。

神仏習合の時代に、仏教色の強かった当社では、「阿弥陀如来」は「伊邪那岐神」の本地仏ほんじぶつ、「不動明王」は「天手力男神」の本地仏とされています。

ちなみに、本地仏とは神様の本来の姿である仏様。

神仏習合において、「神は仏が世の人を救うため、仮に姿を変えてこの世に現われた」とする神仏同体を説く思想本地垂述説ほんじすいじゃくせつからきているそうです。

 

伊邪那岐神

日本神話の中で、「伊邪那美神いざなみのかみ」とともに日本を生み出した神、最初の夫婦神とされています。

伊弉諾尊いざなぎのみこと伊邪那岐命いざなぎのみこと・イザナギなど複数の呼び名をお持ちです。

人類の起源神、結婚の神とされ、縁結び、延命長寿、家業繁栄、産業繁栄などのご利益があるそうです。

 

天手力雄神

天石屋戸あめのいわやと神話に登場する神。

天手力男、天手力雄命、アメノタヂカラオなど複数の呼び名をお持ちです。

天の岩戸を押し開いて、石屋にこもった「天照大御神あまてらすおおみかみ」を引き出したことから、腕力・筋力を象徴する神とされています。

また、技芸の神でもあり、技芸上達、スポーツ上達、他にも開運招福・厄除けのご利益があるそうです。

 

【ご由緒】

この地には第12代「景行けいこう天皇」の子孫である「佐伯有頼さえきありより」が、白鷹はくたかと黒熊に姿を変えた「阿弥陀如来」と「不動明王」の導きにより、立山を開山したという白鷹伝説が残っています。

当社は重要な拠点とされ、有頼公は自らも出家して僧侶となり、立山信仰を世の中に広めていかれたそうです。

そのような経緯から仏教色の強い神社であり、神仏分離(神社と寺院とをはっきり区別させること)以前は、「前立社壇」は「岩峅寺」、「中宮祈願殿」は「芦峅寺」と、それぞれ寺院の名で称されていました。

そして、神仏習合の霊場として朝廷や幕府、戦国大名などの権力者から崇敬を受けたとされています。

また、立山は修験者の修行場の一つでしたが、そこへ仏教浄土が結びついて、地獄と理想郷の浄土が存在する山として信仰されるようになったそうです。

そのため当時の人々は、立山に登って死後の世界を疑似体験すると、心が清められ極楽浄土に近づけると信じて登拝したといいます。

さらに、江戸時代には岩峅寺・芦峅寺の神職が、立山信仰を誰にでも理解出来るように描かれた「立山曼荼羅」を紹介し、全国に広める活動を行うようになります。

その後、宿坊(参拝者のための宿泊施設)が多数できるほど栄えましたが、明治時代の神仏分離によって、現在の神社形式へ改めることになりました。

 

【社務所受付時間】

〈前立社壇〉・〈中宮祈願殿〉

午前8時30分〜午後4時30分

〈峰本社〉

午前6時〜午後3時

 

【御朱印】

御朱印代:¥500

それぞれ社務所でいただくことができます。
なお、「中宮祈願殿」では社務所が拝殿の中にあります。

峰本社の御朱印は「祈願殿」・「前立社壇」でも「遥拝」としていただくことができますが、基本的には参拝の証とするものなので、ご高齢の方、足が不自由な方など以外は登拝していただいて欲しいということです。

 

【主な祭礼】

立山火祭り

毎年秋頃、「前立社壇」にて勇壮な柴燈大護摩供さいとうおおごまくが行われます。

かつて立山において隆盛を極めた修験道の護摩ごま(護摩木をたきながら祈祷する)儀礼。

修験者による、火渡荒行あらぎょうをはじめ、熱した炭の上を裸足で歩く「参拝者火渡り」は、一般の方々も参加することができるそうです。

 

まとめ

「雄山神社」は、霊峰「立山」をご神体とするパワースポット。

「峰本社」、「中宮祈願殿」、「前立社壇まえだてしゃだん」の3社をあわせ雄山神社とし、どちらの社殿に参拝してもご利益は同じとされています。

また、立山連峰の龍脈が、「中宮祈願殿」と「前立社壇」に流れているとされています。

古くから修験者の修行場としても栄え、神仏習合の時代においては、仏教色の強い神社でした。

ご祭神には縁結びの神「伊邪那岐神いざなぎのかみ」と、力の神「天手力雄神あめのたぢからおのかみ」をまつります。

縁結びと開運招福のご利益から、ご縁が繋がり滞っていたことがスムーズに運んだり、困難を克服するパワーをさずかることができるそうです。

お時間がとれる方は、峰本社へも登拝し、自然豊かな立山の魅力を存分に味わってみてはいかがでしょうか。

おすすめの記事