椿大神社、拝殿 ©仰木一弘 wih LeicaQ
三重と滋賀の県境に鎮座する「椿大神社」。
創建は大和時代と伝えられ、日本最古の神社のひとつとされる古社です。
また、全国に2000社以上におよぶ「猿田彦大神」をまつる神社の総本宮という由緒正しい神社ですが、地元では境内の椿が美しい事から「椿さん」と呼ばれ親しまれています。
境内には、願いが叶う「かなえ滝」をはじめ、女性に嬉しいご利益がある「椿岸神社」、万病に効くといわれるご神水が流れる「金龍明神の滝」などがあります。
そして、三重県では「伊勢神宮」と並んでパワースポットとしても有名で、全国から多くの参詣者を迎えています。
【ご利益】より良い人生へ導いてくださる
天孫降臨の道案内をした、みちびきの祖神「猿田彦大神」は、信仰する者をより良い人生へ導いてくれるとされ、建築、方災解除、厄除開運、家内安全、無病息災、交通安全、旅行安全、商売繁昌、家運隆昌、進学修業、事業成就などご利益は多岐にわたっています。
また、妻神「天之鈿女命」をまつることから、同じ神域にある「椿岸神社」には縁結び・夫婦和合・子宝のご神徳があり、女性からの信仰が特に篤いとされます。
参道左手に現れる神域「御船磐座」
社殿へ向かう参道の左手奥に、しめ飾りで守られた小さな神域「御船磐座」があります。
こちらの場所は、天皇家の祖とされる「瓊々杵尊」が天孫降臨の際に乗っていた一行の御船がつながれ、この地より九州に御先導されたと伝わります。
また、参道途中には高山土公神陵とよばれる「猿田彦大神」のお墓があります。
女性に嬉しいご利益がいただける「椿岸神社」
「椿大神社」の別宮である「椿岸神社」にまつられているのは、「猿田彦大神」の妻神「天之鈿女命」です。
日本神話「天の岩戸」などに登場する芸能の女神であり、その伝承から、特に女性は異性を惹きつける魅力、オーラそして自信もアップするといわれています。
そして、こちらの神社は、全国の「天之鈿女命」をまつる神社の総本宮でもあり、縁結び・芸能上達・夫婦円満などのご利益をさずかることができるそうです。
なでると願いが叶うとされる「招福の玉」
「椿岸神社」エリアを進んでいくと、縁結びや夫婦円満、招福の導きの「招福の玉」があります。
そちらの立て看板には、下記のように書かれています。
『幸せは日々の感謝の心を持って自分の使命に邁進する時喜びが訪れます。
縁結び、夫婦円満、招福みちびきの玉としてこの球を3回撫でながら「祓え給え、清め給え、六根清浄」と三度唱えると心の中に幸せを招き念願が叶えられます』
こちらの言葉が、招福の玉のご利益を得るためのおまじないということです。
*〈注釈〉
・六根清浄
人間に具わった六根を清らかにすること。
六根とは、五感と、それに加え第六感とも言える意識の根幹である眼根(視覚)耳根(聴覚)鼻根(嗅覚)舌根(味覚)身根(触覚)意根(意識)のことである
出典元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ご神水が流れる「かなえ滝」は最強のパワースポット
「椿岸神社」の横にあり、最強のパワースポットとされるところです。
「願いが叶う」「良縁を結ぶ」といわれる「かなえ滝」の上流には、万病に効く薬水が湧く「金龍明神の滝」があります。
そこからご神水として流れてきたものを、下流にある「かなえ滝」で触れることができるのです。
こちらの「かなえ滝」を携帯電話の待ち受け画面にすると、良縁に恵まれる、願い事が叶うというジンクスがあるそうです。
経営の神様をまつる「松下幸之助社」で金運・仕事運をアップ!
世界に名をとどろかせた経営の神様「松下幸之助」氏ですが、生前は信仰があつく、昭和の大造営のときには多大な寄付をし、境内にある茶室を寄進されました。
また、この茶室は、「椿大神社」のある鈴鹿市の「鈴」と松下幸之助氏の「松」をとって「鈴松庵」と呼ばれ、今も参拝者の休憩所としてにぎわっています。
松下幸之助氏の死後、本当の神様として迎え入れられ、1998年の帰霊10年にあたる年に、「松下幸之助社」が建立されました。
経営の神様と称えられた松下幸之助氏がまつられている神社に参拝すれば、金運、仕事運アップのご利益が望めるかもしれませんね。
【所在地・アクセス】鈴鹿山麓のふもとに鎮座
<所在地・電話番号>
〒519-0315 三重県鈴鹿市山本町1871番地
TEL:059-371-1515
<アクセス>
■電車をご利用の方:
・近鉄線近鉄「四日市駅」下車
三重交通バスにて椿大神社行き 約55分
・JR関西本線「四日市駅」下車
三重交通バスにて椿大神社行き 約1時間
・近鉄線近鉄「平田町」駅下車
鈴鹿市C-BUS(コミニティバス)にて椿・平田線 約50分
・JR関西本線「加佐登駅」下車
鈴鹿市C-BUS(コミニティバス)にて椿・平田線 約40分
*椿大神社までのバスの本数は、時間帯によって違いますので、事前に時間を確認することをおすすめします。
■車をご利用の方:
東名阪道「鈴鹿IC」から県道560号経由にて 約10分
*無料駐車場:約500台収容
【ご祭神・ご由緒】全国2000社以上の「猿田彦大神」をまつる神社の総本社
【ご祭神】
主祭神に「猿田彦大神」をまつり、相殿に「瓊々杵尊」、さらに、それぞれのご家族神がまつられています。
<主祭神:猿田彦大神>
別称:「猿田毘古神」「猿田彦命」など様々な表記があります。
天孫降臨神話に登場する神。
地上を納めるべく高天原(神々が住んでいたとされる天上の世界)から降りることになった「瓊々杵尊」は、見下ろすと四方へ道が伸びる分岐点に、光り輝いて天地を照らしている「猿田彦大神」を見つけられました。
「猿田彦大神」は「道別の大神」として出迎え、高千穂の峯へと道を先導したことから、道開きの神、みちびきの神とされます。
<相殿:瓊々杵尊>
別称:「邇邇芸命」「瓊瓊杵尊」など様々な表記があります。
「天照大御神」の孫、一般的に天孫と呼ばれます。
「猿田彦大神」が登場する天孫降臨で、地上に降りてきた神。
<相殿:栲幡千々姫命>
「瓊々杵尊」の母。
機織りの神、子宝・安産の神とされています。
<配祀:天之鈿女命>
別称:「天宇受売命」「天鈿女命」など様々な表記があります。
「猿田彦大神」の妻。
「椿岸神社」のご祭神である「天之鈿女命」は、天孫降臨の際に、「瓊々杵尊」に従って天降られ、天孫一行を出迎えた「猿田彦大神」とともに、高千穂の峰に導いたとされます。
任務を無事終えられた後、「猿田彦大神」と「天之鈿女命」は夫婦の契を結ばれ一緒に伊勢国鈴鹿の里にお帰りになりました。
<配祀:木花之佐久夜毘売>
別称:「木花咲耶姫」「木花開耶姫」など様々な表記があります。
「瓊々杵尊」の妻。
火の中での出産という神話から火の神、また、3柱男神を無事出産されたことから、安産の神、子育ての神とされています。
<前座:行満大明神>
「猿田彦大神」の子孫。
修験道(山をご神体とし、その中で修行をして悟りを開く宗教)の元祖とされることから、修行・学業・事業の神とされています。
【ご由緒】
社伝によれば、鈴鹿山脈の中央に位置する「入道ヶ嶽」「椿ヶ嶽」を天然の社として、神代より「猿田彦大神」の御神霊がまつられていたとされます。
そして、「垂仁天皇」の御代、西暦紀元前3年に、伊勢神宮の創健者「倭姫命」のご神託(神のお告げ)により、「猿田彦大神」をまつるため社殿が創建されたと伝わります。
はじめは「道別大神の社」とされていましたが、「仁徳天皇」の御代に、御霊夢(神やお告げが現れる不思議な夢)により道別に椿の字があてられ社名となったそうです。
また、平安時代にまとめられた「延喜式神名帳(当時「官社」に指定されていた全国の神社一覧)」に記載される「椿大神社」として伊勢国一之宮とされました。
その後は、全国2000社以上の「猿田彦大神」をまつる神社の総本社となっています。
【社務所受付時間】
午前8:00~午後5:00
*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。
【御朱印】
・御朱印受付にて:午前8:00~午後5:00
・御朱印代:¥300
「椿大神社」、「椿岸神社」それぞれの御朱印をいただくことができます。
また、4種類のオリジナルの御朱印帳があり、その中には手塚プロダクションとコラボした 「猿田彦大神」と「天之鈿女命」の御朱印帳があります。
御朱印帳も人気がありますが、一番有名なのは、恋愛成就の「椿恋みくじ」です。
おみくじの中には、全部で4種類のチャームが入っています。
そのうちの1つ、巫女さんの形をしていチャームが出ると、1年以内に結婚出来るというジンクスがある事から、このおみくじをを引くために、はるばる遠方から参拝に来る方もいらっしゃるそうです。
【主な祭礼】
獅子神御祈祷神事
2月11日(舞初め式(丑・辰・未・戌年のみ、三年に一度)
日本最古の獅子舞といわれる「獅子神御祈祷神事」は、三重県の無形民俗文化財に登録されています。
獅子舞は、天地人四方八方を祓い清める神事でした。
以来、干支の丑、辰、未、戌の付く年を舞年と定め、この3年毎の巡舞作法を守りながら、奈良朝の頃に盛んに行われ、今日に伝えられているそうです。
2月11日舞初式~4月12日舞納式までの期間、町内を始め、鈴鹿市内・四日市市内など各地を巡舞します。
秋季例大祭
10月11日
年中行事の中でも、最も重要なお祭りとされます。
神事
10日 宵祭り(献燈まつり)
11日 本宮例大祭/神幸祭
12日 別宮例大祭/還幸祭
11日本宮において、五穀豊穣や国家安泰、世界平和をお祈りします。
祭祀の舞「椿宮」は、ツバキを描いた華やかな衣装の巫女4人が、紅白の花を付けたツバキの小枝を手に舞うものです。
また、竜の舞い遊ぶさまを表現した舞楽「蘭陵王」を奉納します。
その後は、「神幸祭」が執り行われ、本殿より「猿田彦大神」の御神霊が神輿にて別宮「椿岸神社」へとうつされることになります。
12日には、別宮例大祭が執り行われ、別宮より本宮へとお戻りになる「還幸祭」が行われます。
まとめ
三重県鈴鹿山麓のふもとに鎮座する「椿大神社」は、日本最古の神社の一つとされる神社です。
また、「仁徳天皇」の御霊夢によって「椿」の名をいただいたという「椿大神社」は、全国に2,000社を超える「猿田彦神社」の総本社。
主祭神のみちびきの祖神「猿田彦大神」は、信仰する者により良い人生を導いてくれるとされることから、ご利益は多岐にわたります。
そして、境内には「椿岸神社」、「かなえ滝」などを始めとする強力なパワースポットがあり、全国から多くの参詣者を迎えています。
新しいことを始める時や、道を示していただきたい時には、ご利益満載の「椿大神社」に訪れてみてはいかがでしょうか。