都波岐奈加等神社、鳥居 ©仰木一弘 wih LeicaQ

都波岐奈加等つばきなかと神社」は、鳥居前に建つ「都波岐つばき神社」「奈加等なかと神社」という2本の社号標が示すとおり、2つの神社が合併された神社です。

伊勢国一之宮「椿大神社つばきおおかみやしろ」と同じく三重県鈴鹿市に鎮座し、全国各地から一之宮巡拝の人々が訪れます。

長い間2つの神社として参拝されてきましたが、明治時代に合併されたという歴史があって、御朱印は3種類いただくことができます。

 

 

【ご利益】人生をより良い方向へ導いていただける

商売繁盛・立身出世・事業繁栄などの仕事運向上・交通安全・家内安全・方災解除・開運招福・航海など

ご祭神に、道開きの神「猿田彦大神さるたひこのおおかみをまつることから、人生をより良い方向へ導いていただけるとされ、ご利益も多岐にわたります

 

境内社の「小川薬王子社」と「神明春日社」

「小川薬王子社やくおうじしゃ」は、ご祭神に「猿田彦大神さるたひこのおおかみ」の妻とされる「天宇受売命あめのうずめのみこと(芸能の神)」の他に8神がまつられています。

また、「神明春日社しんめいかすがしゃ」には、「天照大御神あまてらすおおみかみ(皇室の祖神)」、「天児屋神あめのこやねのみこと(祝詞の神)」 をまつっています。

 

【所在地・アクセス】鈴鹿市街から離れた住宅街に鎮座

所在地・電話番号>

〒513-0031 三重県鈴鹿市一ノ宮町1174
TEL:0593-83-9698

 

<アクセス>

■電車をご利用の方:

・近鉄鈴鹿線「鈴鹿市」下車

・三重交通バス四日市駅行に乗って「高岡バス停」で下車、徒歩約10分

・または「鈴鹿市」駅前よりタクシーにて約10分

・JR関西本線/伊勢鉄道伊勢線「河原田」駅(無人駅)より徒歩20~30分

 

■車をご利用の方:

・国道23号鈴鹿大橋から南約1km

*無料駐車場:境内に数台の駐車スペースあり

 

【ご祭神・ご由緒】2社を造営したのがはじまり

【ご祭神】

【都波岐神社】

 

猿田彦大神さるたひこのおおかみ

天孫降臨で「瓊々杵尊ににぎのみこと」が高千穂に降り立ったとき、天孫一行を出迎え、道を先導したことから、「道開きの神」や「みちびきの神」とされています。

 

【奈加等神社】

 

天椹野命あまのくののみこと

中跡値なかとのあたいの先祖とされています。

天椹野命あまのくののみこと」の15世の孫「中跡直山部広幡なかとのあたいやまべのひろはた」が初代の祭主をつとめ、その後も、子孫が神職を継承しているそうです。

 

中筒之男命なかつつおのみこと

海の神・航海の神とされます。

 

【ご由緒】

雄略ゆうりゃく天皇」の御代23年(479年)、「伊勢国造くにのみやつこ朝訪から任命された地方官)」により、当時の伊勢国河曲県中跡里(現在の鈴鹿市一ノ宮町)に、「都波岐つばき神社」と「奈加等なかと神社」の2社を造営したのがはじまりとされています。

都波岐つばき神社」には「猿田彦大神さるたひこのおおかみ」、「奈加等なかと神社」には、「天椹野命あまのくののみこと 」、「中筒之男命なかつつおのみこと」がまつられました。

そして、中世に入り、室町幕府の征夷大将軍「足利義満」が、富士登山の帰途に参拝し社領を寄進したことから、多くの武士が参詣したそうです。

 

戦国時代には、「織田信長」が、伊勢平定の軍を進め近くの神戸・高岡の二城を攻略しましたが、その時に兵火にかかり社殿や文書などが焼かれました。

幸いにも兵火もくぐりぬけることができた獅子頭ししがしら」は社宝として伝わります。

そして、社殿は江戸時代に入り、神戸城主「一柳監物ひとつやなぎ なおもり」によって再建されました。

 

さらに、明治9年に拝殿・祝詞殿が建立されましたが、平成9年に、不審火にあい拝殿をはじめ一部を再び焼失してしまいます。

翌年には、拝殿がコンクリート造りで再建され現在に至ります。

なお、明治時代に両社は合併され、県社に列格されました。

 

【社務所受付時間】

午前9:30~午後4:30

*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。

 

【御朱印】

・御朱印代:¥500~¥1000
・「都波岐つばき神社」「奈加等なかと神社」「都波岐奈加等つばきなかと神社」の3種類

宮司さんが不在の場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。

なお、受付時間の午後4:30以降でも神社右側にあるご自宅の方でいただける場合があるそうです。

 

都波岐奈加等神社 御朱印 by.仰木一弘

 

【主な祭礼】

中戸流舞神楽の由来

鈴鹿市には獅子舞が古くから伝わり、伊勢地方では昔「四山の獅子」と呼び、四つの流派元がすべて鈴鹿市内にあったそうです。

その一つの流派として、「都波岐奈加等つばきなかと神社」では兵火に免かれた由緒ある獅子頭を保有し、「中戸流舞神楽」として存在が知られています。

ところが、昭和29年を最後として一時絶えていた時期があったといいます。

伝統が絶えることを惜しんだ氏子達は、昭和56年に保存会を結成して復活させ、同年秋の例大祭に盛大に舞神楽の奉納を行ったそうです。

それ以来、毎年秋の例大祭には、由緒深い優雅な舞神楽が披露され、大祭に花を添え多くの参拝者を楽しませています。

 

まとめ

三重県鈴鹿市に鎮座する伊勢国一之宮「都波岐奈加等つばきなかと神社」。

はじまりは「都波岐つばき神社」(ご祭神「猿田彦大神さるたひこのおおかみ」)、「奈加等なかと神社」(ご祭神「天椹野命あまのくののみこと」「中筒之男命なかつつおのみこと」)の2社が造営されました。

明治時代に合併となり、現在は1つのお社に3柱の神様がまつられています。

また、社宝に「織田信長」の兵火もくぐりぬけたという獅子頭がありますが、こちらの社宝により獅子舞が広まったとされます。

現在は、秋の例大祭に、優雅な舞神楽として披露されているそうです。

三重県を訪れた時には、2社の名前が刻まれた社号標が建つ珍しいお社「都波岐奈加等神社」へお参りされてはいかがでしょうか。

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