鹽竈神社、左右宮拝殿 ©仰木一弘

 

境内に二社が鎮座する「鹽竃しおがま神社」の正式名称は、志波彦しわひこ神社・鹽竈神社」

二社合わせて「しおがまさま」と称されている「鹽竈神社」の総本社でもあります。

東北地方全体の守り神として朝廷から厚い崇敬を受けたばかりでなく、奥州「藤原氏」、仙台藩主「伊達氏」が信仰していた由緒ある神社。

「男坂」とも呼ばれる202段もの参道を登ると、強力な運気アップ、勝負運をさずかることができるとされています。

また、「しおがまさま」と親しまれ、商売繁盛、大漁祈願、航海の安全にご利益があり、さらに塩の神様とあって、強い浄化作用のあるパワースポットして有名です。

 

【ご利益】悪い気を追い払って運気を向上させてくださる

製塩法を伝えたとされる航海の神がまつられていることから、漁業や水産業に携わる人々が、商売繁盛や海上での安全を祈願に訪れます。

拝殿横には、航海安全を祈る漁師たちが神様に魚を献上するために備えられた「献魚台」があり、全国の神社でもここにしかない珍しい物です。

また、ご祭神は潮流をつかさどる神様でもあるため、強い浄化作用があるとされ、溜まった悪い気を追い払って運気を向上させてくれる場所といわれています。

 

表坂(表参道)の別名「男坂」

当社には、「表参道(表坂)」「東参道(裏坂)」「七曲坂」という3つの参道があります。

表参道(表坂)は別名「男坂」とも呼ばれ、拝殿正面の随身門ずいじんもん、奥の社殿へ一直線に続いている202段の長い石段

最初に目を引く傾斜がきつい石段は、登ると強力なエネルギーをさずかることができるといわれています。

ちなみに「帆手祭ほてまつり」・「花祭」・「みなと祭」などの祭りでは、約1トンの神輿みこしを担いでこの坂を昇り降りします。

 

運気アップ勝負運をつけたい方には、男坂から入ることをおすすめしますが、足腰や体力に自信の無い方はもちろんのこと、猛暑日、凍結や雨で石段が滑りやすい日などは無理しないほうが良さそうです。

多くの方は比較的緩やかな坂で、整備も行き届いている東参道から参拝します。

随身門の前からこの石段を見下ろすだけでも、長くて急な斜面の凄さを感じることができると思います。

 

最も神聖なパワースポット「七曲坂」

今は正式な参道ではありませんが、七曲坂ななまがりさか最古の参道で、文字通り曲がりくねった坂が続いています。

こちらの参道はご祭神の「塩土老翁神しおつちおじのかみ」も通ったとされる神聖な道

道を曲がるごとに心身に溜まった邪気が浄化されていくといわれていますが、創建当時の道を通るだけでもご利益がありそうです。

森の中の未舗装路なので、決して歩きやすい道ではありませんが、表参道の男坂を登る自信がない方はこちらからゆっくり登り、パワーをチャージしてみてはいかがでしょうか。

 

神秘的な末社「御釜神社」

「鹽竈神社」から歩いて10分くらいのところに、「塩竃市」の名の由来となった神様の釜「神竈かみがまが安置されている末社御釜おかま神社」があります。

ご祭神は同じく「塩土老翁神しおつちおじのかみ」ですが、現在の「御釜神社」周辺は、古くから甫出ほでの浜」と呼ばれた浜辺で、ご祭神により我が国で最初に塩を作った場所として伝わります。

「御釜神社」にまつられている4口の鉄製の御釜は「日本三奇(「御釡神社」の神竈、兵庫県「生石おうしこ神社」の石の宝殿、宮崎県「霧島東神社」の天逆鉾あまのさかほこ)」に数えられ、なんと日照りが続いてもかれる事もなければ、台風や大雨の際にあふれることもないそうです。

また、この神社に伝わる藻塩焼もしおやき神事」は、宮城県の無形民俗文化財に指定されています

古代から伝わる製塩法で海藻から塩を作る一連の工程が儀式として再現され、例祭でも使われます。

 

【所在地・アクセス】松島湾を見おろせる一森山(いちもりやま)にたたずむ

<所在地・電話番号>

〒985-8510 宮城県塩竈市一森山1-1
TEL :022-367-1611

 

<アクセス>

■電車をご利用の方:

・JR東北新幹線「仙台駅」下車、在来線JR仙石線またはJR東北本線へ乗り換え

・最寄り駅JR仙石線の「本塩釜駅」より

表参道(表坂)の石鳥居まで徒歩約15分
東参道(裏坂)の石鳥居まで徒歩約10分

・もしくはJR東北本線の「塩釜駅」より

表参道(表坂)の石鳥居まで徒歩約20分
東参道(裏坂)の石鳥居まで徒歩約30分

 

■車をご利用の方:

・仙台市内から国道45号線「塩竈、松島、石巻方面」に進み約40分

・高速道路の場合は、三陸自動車道を塩竈方面へ進み

「利府中IC」より約10分
「利府塩釜IC」より約10分
「仙台港北IC」より約15分

*無料駐車場:4か所(約300台収容)

 

【ご祭神・ご由緒】塩釜に残り製塩法を教えた海の神様をまつる

【ご祭神】

「鹽竈神社」には三柱の神様がまつられていますが、社殿が「右宮」「左宮」「別宮」3つからなる「三本殿二拝殿」というとても珍しい配置になっています。

門をくぐって正面にあるのが「右宮・左宮」、右手が「別宮」。

「別宮」とされていますが、「特別」といった意味で使われていて、お参りは別宮からするのが良いそうです。

また、別宮は海上守護の「塩土老翁神しおつちおじのかみに海難を背負っていただけるようにと、松島湾を背にして建てられたそうです。

 

<別宮:塩土老翁神しおつちおじのかみ

塩筒老翁しおつつのおじ塩椎神しおつちのかみともいい、「シオツチ」は潮流をつかさどる神様でもあります。

「しおがまさま」と親しまれ、安産の神・塩の神・航海の神・交通安全の神として、中でも安産の神様として篤く信仰されています。

それは、人の生死は潮の満ち引きに関係があることや、塩は強力な浄化作用があることから産後のけがれを清める意味で、安産信仰が塩&潮を司る神様に結びついたと考えられているそうです。

 

左宮:「武甕槌神たけみかづちのかみ鹿島神宮の主祭神(茨城県)

右宮:「経津主神ふつぬしのかみ香取神宮の主祭神(千葉県)

左右宮の「武甕槌神」・「経津主神」は日本神話の国譲りで登場されます。

軍神として、またそれぞれが「鹿島神宮」、「香取神宮」の主祭神として有名ですが、この二柱の神様が東北の平定に来た際に道案内をしたのが、「塩土老翁神」と伝わります。

目的を達成した二柱はそれぞれのお宮に帰り、「塩土老翁神しおつちおじのかみ」だけは塩釜に残って製塩法を教えたそうです。

 

*国譲り
参照元:神社本庁「日本の神話」

 

<志波彦神社ご祭神:志波彦神>

「鹽竈神社」にご神縁の深いとされる「志波彦神」がまつられていますが、「古事記」「日本書紀」、伝承にも詳細が残っていないそうです。

しかし、志波とは「物のシワ」つまりはしを指す言葉で、大和朝廷の勢力が東北にうつるにつれ、勢力の端がうつったことにより、その土地で信仰されていた神様を志波神と呼ぶようになったと考えられています。

そして、農耕守護・殖産・国土開発の神として信仰されていたと伝わります。

 

【ご由緒】

〈鹽竈神社〉

創建の年代は、平安時代初期の文献に初めて名前が登場したことから、奈良時代以前にさかのぼるとされています。

そして、古くから東北鎮護・陸奥国一之宮として、朝廷を始め庶民の崇敬を集めており、当時から祭祀料(謝礼)をさずかっていた事が知られています。

しかし、当時朝廷から破格の祭祀料をさずかっていた反面、全国の各社を記載した「延喜式神名帳えんぎしきじんみょうちょう」に正式な記録がないことが謎とされています。

中世以降は、奥州藤原氏や武家領主より厚い信仰が寄せられてきました。

江戸時代に入ると、伊達氏の信仰は特に厚く、「伊達政宗」は藩主でありながら、「鹽竈神社」の大神主おおかんぬしも務め、以降歴代藩主はすべて大神主として奉仕されたそうです。

 

現在の社殿は、仙台藩主「伊達綱村つなむら公が、毒殺されかけるなど混乱続きの中、自分の命と伊達家が続いたのは神仏のご加護のおかげであると考え、大規模な社殿の造営に着手したとされています。

そして、江戸幕府から日光の東照宮の改修を命ぜられ3年間の修復を終えると、仙台に職人を呼び社殿を造営させました。

そのため、社殿の造りや彫刻が東照宮とよく似ています。

平成14年に、本殿・拝殿・四足門(唐門)・廻廊・随身門以下14棟と、石鳥居1基が、国の重要文化財に指定され、江戸時代中期の神社建築として高く評価されています。

 

〈志波彦神社〉

元は交通の要所、宮城郡岩切村(仙台市岩切)に鎮座。

平安時代にまとめられた「延喜式神名帳えんぎしきじんみょうちょう」に名神大社みょうじんたいしゃとして記され、朝廷より厚く尊崇を受けていたと伝えられます。

明治7年に「鹽竈神社」の別宮にうつされ、さらに昭和に入って現在の社殿を国費を以て造営することとなりました。

本殿および拝殿は「鹽竈神社」とは雰囲気が違い、極彩色うるし塗りがとりいれられ、塩竈市の文化財に指定されています。

「志波彦神社」からは、千賀ちがの浦」と呼ばれる塩釜港を見渡すことができ、絶景が見えるスポットとして人気があります。

 

【社務所受付時間】

午前9:00~午後5:00

*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。

 

【御朱印】

・社務所にて:午前9:00~午後5:00
・御朱印代:両社あわせて¥500

見開き1ページを使った珍しい御朱印です。
御朱印はご祈祷申込所にていただく事ができますが、受付は午後4時くらいまでとなるそうです。

 

【主な祭礼】

帆手祭

3月10日

「しおがまさま」の神意のままに動き回る「荒れ神輿みこし」が有名な「帆手祭ほてまつり

江戸時代、塩竈が大火事で衰退した際に火災の鎮圧と景気回復を祈って火伏祭ひふせまつりとして始まったとされます。

後に、海にゆかりのある「帆手祭」と呼ばれるようになり、現在では厄除け、繁栄を祈念して神輿が市内を練り歩く、活気あふれる華やかなお祭りです。

見どころは、重量約1トンの神輿を16名の氏子がかつぎ、202段もある急な表坂(男坂)を一気に駆けおりるシーン。

市内を渡御とぎょ(神輿などが出かけて行くこと)した後、お帰りの神輿が表参道を上がる様子も大迫力で、息を呑むほどの緊迫感があるそうです。

 

塩竃みなと祭

毎年7月の海の日(第三月曜日)

「塩竃みなと祭」は、東北の夏祭りの先陣を飾るお祭です。

広島県「厳島いつくしま神社」の管絃祭かんげんさい、神奈川県「貴船きふね神社」の貴船まつりとあわせ、日本三大船祭りの一つに数えられ、海の祭典としては全国有数の規模を誇ります。

最大の見せ場である「神輿海上渡御」では、「志波彦神社・鹽竈神社」の2基の神輿をのせた御座船「龍鳳丸りゅうほうまる」「鳳凰丸ほうおうまる」が約100せきもを従え、日本三景松島湾内を巡ります。

これは「塩土老翁神しおつちおじのかみ」への感謝の気持ちを表したものといわれています。

平成18年には水産庁から「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に認定されました。

 

まとめ

「鹽竈神社」は、陸奥国一之宮として古くから朝廷をはじめ庶民の崇敬を集め、また奥州藤原氏をはじめ仙台藩主伊達氏に手厚く保護されてきました。

海上安全、大漁祈願、安産祈願、交通安全、勝負運などにご利益があり「しおがまさま」と親しまれています。

主祭神の「塩土老翁神しおつちおじのかみ」は塩の神様ですから、海、塩の浄化の力をさずかることができるパワースポット。

また、「志波彦神社」からは千賀の浦を望むことができ、そこから見渡す景色は絶景です。

浄化作用の強いパワースポットで邪気や悪運を追い払い、多くのご利益をさずかりに訪れてみてはいかかでしょうか。

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