大鳥神社、鳥居©仰木一弘 wih LeicaQ
堺市西区に鎮座する「大鳥大社(正式名:大鳥神社)」は、全国の「大鳥神社」の総本社であり、勝運、開運、厄除、交通安全の神として信仰されています。
ご祭神は、日本神話の伝説的英雄「日本武尊」。
東西の地を平定した後に亡くなりますが、その魂が白鳥になり、最後に舞い降りた地に創建されたと伝わるのが「大鳥大社」です。
境内は「千種の森」と呼ばれ、白鳥が降り立った時に一晩で出現したとされる東京ドーム1個分ほどの深い緑の森となっています。
独自の「大鳥造」という「出雲大社」に次ぐ古い形式のご本殿、さらに拝殿前の珍しい八角形の柱をした鳥居が見どころの一つ。
奈良から平安時代には、国家的災難時に防災雨祈のご祈願をする神社の一つだったと伝わる由緒正しい神社です。
【ご利益】勝運や開運、仕事運のご利益が有名!
ご祭神の「日本武尊」は、連戦連勝の武神であることから、勝運や開運、仕事運のご利益があるとされています。
また、奈良から平安時代、地震や疫病などが起きると天地を鎮める祈祷が行われる国の防災雨祈の祈願社の1つとされていたことから、厄除けや交通安全のご利益も授けてくださるそうです。
白鳥伝説と千種の森
「千種の森」と呼ばれる樹木が密生した境内は、東京ドームと同等の広さの一万五千余坪の広さ。
社伝によると、「日本武尊」の死後、御霊である白鳥が飛来して、この地に留まると一夜にして多くの種類の樹々が生い茂り森となったと伝えられています。
約50種10万本の色とりどりの菖蒲の花が美しく咲く菖蒲園があることでも有名。
6月上旬~中旬の見頃の時期には、参拝者が数多く訪れるそうです。
値が上がる!?「根上がりの大楠」
境内東参道に、樹齢800年とされ高さが35mもある楠木のご神木があります。
根元が勢いよく地上に隆起していることから、「根上がり」=「値上がりの大楠」と呼ばれています。
また、「値があがる」「価値があがる」「運気があがる」とされ、古くから商売繁昌、財運向上のご神木として信仰されていたとか。
パワースポットとしても雑誌に取り上げられてからは、多くの方が手を合わせて参拝されます。
また、「根上がり札」を授与することができますが、こちらは、神棚の近くや、目線よりも高い位置に貼っておまつりすると良いそうです。
もう一つ手水舎の横にもご神木があります。
こちらも楠木ですが、2本が自然に1本の木になったという非常に珍しいもの。
2本が支えあっているように見えることから、家族優和・家内安全のシンボルとされているようです。
「平清盛」も戦勝祈願!
平安末期の源氏と平氏が武士の2代勢力として競いあった時代に、平治元年(1160年)平清盛、重盛親子が熊野参詣のため京を離れたすきを狙い反乱が起こりました。
知らせを聞いた父子は、「大鳥大社」に和歌と「飛鹿毛」という馬を奉納し戦勝祈願をして京へ戻ったとされます。
そして、平治の乱を治めることができたそうです。
境内には、清盛が詠んだとされる和歌の碑と、飛鹿毛を模した神馬像が建っていま
す。
ちなみに歌碑の文字は日本画家として有名な富岡鉄斎の書によるものだそうです。
明治10年からの約5年間、富岡鉄斎は宮司を務めていました。
【所在地・アクセス】大阪沿岸部の中心に位置する堺市西区に鎮座
<所在地・電話番号>
住所:〒593-8328 堺市西区鳳北町1-1-2
TEL: 072-262-0040
<アクセス>
■電車をご利用の方:
・JR阪和線「鳳駅」徒歩約5分
鳳駅西出口階段を下りてそのまま直進
■バスをご利用の方:
・南海バス「大鳥神社前バス停」下車すぐ
■車をご利用の方:
・阪和道「堺IC」から府道61号線に入り「大池前交差点」を左折。
・県道28号線に入り道なりに進む
*無料駐車場:西鳥居前のスペースに約20台駐車可能
【ご祭神・ご由緒】「日本武尊」の魂が白鳥となってこの地に飛来したと伝わる
【ご祭神】
<日本武尊>
日本書紀や古事記に登場する伝説的英雄、第12代景行天皇の御子神です。
ヤマト王権に抵抗する九州南部の熊襲を平定し、また、出雲の国をも平定したのですが病に侵されてしまいます。
のちに、大和の国を目指す帰路の途中の三重の地で亡くなられました。
葬られた魂が白鳥に変わって飛びたち最期に降り立ったのが、この「大鳥大社」の地だったという白鳥伝説が残されています。
<大鳥連祖神>
和泉国に栄えた大鳥氏と言う部族の祖先であるとされています。
また、大鳥連祖神は「天照大御神」が天の岩戸に隠れた時に、祝詞を奏した「天児屋根命」と同一とされることがあります。
【ご由緒】
白鳥伝説にあるように、亡くなった「日本武尊」の魂が白鳥となって飛び立ち、最期に留まった大鳥の地で、社を建てておまつりしたのが始まりとされます。
創建年代は不明で、当初は大鳥氏の祖先「大鳥連祖神」をまつっていたようです。
特に歴代天皇からの信仰が篤く、奈良から平安時代には国家的災難時に防災雨祈のご祈祷をする御祈願社85社の一つだったと伝わります。
927年には名神大社に列せられ、平安時代後期にはご祭神が「天照大御神」とされていた時期もあったようですが、いつしか大鳥と白鳥が結びついて、「日本武尊」になったようです。
明治時代に政府によって「日本武尊」から元の「大鳥連祖神」に強制変更させられ、昭和36年には、再び「日本武尊」をご祭神に加えたという歴史があります。
このように、ご祭神の移り変わるのはあまり類を見ないいるため、現在も研究対象とされているそうです。
【社務所受付時間】
午前9:00~午後4:30
*新型コロナウイルスの影響で流動的なため、事前に電話で確認することをおすすめします。
【御朱印】
・御朱印受付所にて:午前9:00~午後4:30
・御朱印代:500円
・オリジナル御朱印帳:
鳥が刺繍された4色の御朱印帳2,000円(御朱印込み)や、天然素材で作られた御朱印帳3,000円(御朱印込み)などがあります。
■勝ちみくじ
「日本武尊」の武勇にちなんだオリジナルのおみくじでで、「強運」「大勝運」「中勝運」「末勝運」の4種類があります。
それぞれ違う「日本武尊」が描かれていて、なんと「強運」は金色です。
さらに、強運の中にも1000分の1の確率で㊙︎が当たるとか。
ぜひ、あなたの勝運を占ってみてはいかがでしょうか。
【主な祭礼】
鳳だんじり祭
毎年10月の第1金曜日から日曜日
だんじり祭りとは、「だんじり」と呼ばれる山車を曳く関西地方のお祭り。
岸和田だんじり祭が有名ですが、鳳のだんじりは岸和田よりも歴史が古く、お祭りの規模も同じくらい盛大に行われます。
見どころはなんと言っても、夜間も提灯をつけただんじりが昼間と変わらず、全力疾走するところ。その迫力とスピード感が最大の魅力です。
「だんじり」が街中を駆け巡る勇壮な姿に、訪れた人たちからは大きな歓声がわき上がり賑わいを見せます。
まとめ
全国の「大鳥神社」の総本社でもある堺市に鎮座する「大鳥大社」。
ご祭神の「日本武尊」の白鳥伝説や、「平清盛」が戦勝祈願をした神社としても有名です。
白鳥が降り立った時に一晩で出現したとされる千種の森に包まれた境内には、
ご神木「根上がりの大楠」、「平清盛」が奉納した和歌の歌碑、「出雲大社」の次に古い大鳥造の本殿などがあります。
また、奈良から平安時代には、防災雨祈の祈願社の一つだったと伝わる由緒正しい神社。
絶対に負けられない勝負のときは、「日本武尊」の武勇にあずかり、勝運や仕事運、開運のご利益を授かりにお参りしましょう!